事例 | @cosme for BUSINESS - istyle 株式会社アイスタイル

【アテニア】ファンを裏切らない商品リニューアルのこだわりと、プラットフォーム横断のコミュニケーション施策で総合大賞を受賞

作成者: @cosme for BUSINESS編集部|Oct 7, 2024 1:54:53 AM

2016年の発売から、4年ぶり2回目のリニューアルを実施したアテニアは、「ベストコスメアワード2024上半期新作ベストコスメ」では総合大賞を受賞しました。ユーザーインサイトを活用した商品開発で、ユーザーから多くの支持を集めるアテニアの強さの秘密と@cosmeの活用方法について、株式会社アテニア 事業統括本部 ブランド推進部 部長 岩本浩昭様にお聞きしました。

【今回お話をお伺いした方】

株式会社アテニア
事業統括本部 ブランド推進部 部長
岩本浩昭 様

<開発へのこだわり>
ユーザーインサイトを把握し、期待値ギャップをなくす

アテニアはファンケルのグループ会社で、今年2月に35周年を迎えたブランドです。エイジングケアに焦点をあて、年齢とともに現れる肌悩みに寄り添い、既存の化粧品の先入観を覆すような高品質な商品を、”続けられる価格帯“で提供することをコンセプトにしています。

――今回受賞した「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」、このコンセプトをまさに体現した商品です。どのような点にこだわって商品を開発されたのでしょうか?

この商品はこれまで2回のリニューアルを行っているのですが、2016年の初代の商品開発時に、大人の女性がどんな肌悩みを持っているのか、その肌悩みの深さについてアンケート調査を実施しました。その結果、たるみ、シワ、しみ、くすみなどの肌悩みがあり、なかでも10代から50代まで幅広い年代の女性が「くすみ」に悩んでいることがわかりました。

くすみの原因は、血行不良やメラニン増加のほか、肌表面のタンパク質が活性酸素によって酸化され、その結果、肌がゴワついてくすみにつながるということが弊社の研究でわかっています。私たちはこの酸化したタンパク質を「肌ステイン」と名付け、クレンジングの際に一緒にケアできないかと考え、開発に着手しました。

年代ごとの肌悩みの深さ
画像提供:アテニア

――今回のリニューアル商品開発では、どのようなことを意識されたのでしょうか?

それまで多くのお客様に支持されてきた「濡れた手でも使える」「W洗顔不要」「クレンジング力」「アロマの香り」「摩擦レス」といったポイントをできるだけ変えないようにしました。新しい技術や知見を取り入れようとすると、処方が変わることで、ユーザーにとって大切な使用感も変わってしまうことがよくあるのですが、それが極力ないように心がけました。一方で、これまでもクッション性の高いオイルでしたが、くすみの原因となる「摩擦レス」にはさらにこだわり、よりオイルの厚みを感じる使用感に強化しました。

――リニューアルにおいて「変わらぬ価値」と「変わる価値」の判断は、何を基準に行っていますか?

一番は、ユーザーインサイトです。自社で21万人超のメンバーが参加するコミュニティサイトを運営しており、商品やサービスに対するクチコミを投稿できるようになっています。そこでのクチコミや@cosmeのクチコミを常にモニタリングして、そこからインサイトを拾うようにしています。

また、直接的なインサイトだけでなく、アンケートでは出てこないような何気ない一言から想像を膨らませることも心がけています。具体的な例として、弊社でいま注力している「ドレススノー」というスキンケアラインでは、以前、化粧品は「美白」か「エイジングケア」かどちらかで選ぶといったクチコミがありました。それを逆手にとって、毎日のスキンケアで、美白もエイジングケアもどちらも叶えられる商品を開発し、人気を得たというケースもあります。

<施策>
@cosmeのプラットフォームを横断的に活用し、商品との接点を創出

――今回のリニューアル前後では、@cosmeをどのように活用されたのでしょうか

弊社では、単発の施策実施ではなく、年間を通じて@cosme・EC/店舗・ブランドオフィシャルとプラットフォームを横断したコミュニケーションを実施しています。

2023〜2024年の@cosmeでの施策概要

具体的には、オンライン・オフラインでユーザーと接点が持てるよう体験機会を創出したり、情報発信を行ったり、ブランドオフィシャルではブランドをフォローしている方へのメール配信や限定プレゼント企画を定期的に実施し、年間を通じて情報発信と体験機会をつくれるように設計していました。

――発売前後で実施した体験型コンテンツはどのような位置づけで企画を検討されたのでしょうか?

発売前の「体験型コンテンツ」では、リニューアルのお知らせとともに、旧商品の評判の高さや進化ポイントを一つひとつ丁寧に紹介しました。その後も、@cosmeユーザーにリニューアル商品をいち早くモニター体験してもらう「モニタープラン」で、商品の満足度や使用感の良さを数値化し、期待感の醸成と発売後の初速を最大化するようにしました。

また、店舗でも発売のタイミングで全国の@cosme STOREのタワーディスプレイに展開し、各地のお客様といち早く接点づくりを行ったほか、年末に実施する「BEAUTY DAY」でも@cosme美容部員さんによるライブショッピングで、商品の特徴やテクスチャー等を伝えてもらう施策を実施しました。結果的に、これまでのご愛用者さまからのリピートはもちろん、リニューアル商品をまだ試していない方や新規の顧客獲得に繋がり、自社ECでの売上も増えました。

限られた広告予算の中で何をやるかを考えたときに、やはりUGCやクチコミ施策は外せません。中長期的にブランド認知を高め、生活者に支持される商品に育てていくためには、@cosmeでの評判・クチコミはとても重要であると考え、年間で計画を立て、取り組ませていただいております。

――SNSインフルエンサー施策は取り組まれていますか?

はい。広告費の多くを新規顧客獲得のためのデジタル広告に投下していますが、実際に使ってみた方の反応、つまりUGCを重視しており、SNSでの発話を増やす施策や、インフルエンサーへのギフティングなどは定期的に行っています。普段ハイブランドの化粧品を使っているような美容感度の高いインフルエンサーさんにギフティングを行い、第三者目線で商品の良さを語ってもらうようなUGCを増やすことで、ブランドの好感認知までを高めるような取組みを行っています。

<今後のコミュニケーション施策>
商品認知度を高め、ブランド全体の認知を高めていきたい

――ユーザーへのコミュニケーションではどういった点を意識されていますか?

ハイブランドに劣らない高品質な商品を、続けやすい価格で提供するブランドであるということを理解してもらうためには、やはりまず使用してもらって、現在お使いの商品と比較していただくことが一番重要だと考えています。

商品のよさについては、第三者目線で語られるほどその信憑性は高まりますので、引き続き、UGCやクチコミが増えるような施策を実施し、クレンジングオイルをきっかけに、アテニアの他の商品の認知も広がっていくようなコミュニケーション設計ができたらと考えています。

他社商品と比較した@cosmeのクチコミからインサイトの深掘りができないかと考え、先日、リサーチサービスも実施させていただきました。ブランドや商品の現在地やどこに伸び代があるのかなどがフラットな視点で見えてきました。我々の視点だけでは限界がありますが、いろんな企業の商品やブランドを見ている@cosmeだからこその知見をいただくことで、新たな気づきがあり、それを今後の施策にも活かしていきたいと考えています。

――貴重なお話をありがとうございました。今後、サービスをさらにアップデートして参ります