@cosme編集長・篠田による定期連載。ユーザーの姿を通して気づいたこと、そしてちょっと先の未来のことなどについて独自の目線で語ります。Vol.15のテーマは来週発表となる「上半期ベストコスメ」について。
@cosmeで仕事をするようになってから、民主主義について考えるようになった。それは、@cosmeが一人ひとりの声が反映されて、成り立っているサービスだから。ユーザーのクチコミや閲覧数、購買数などのデータを元に運営している@cosmeと、市民の声を政治に反映する民主主義とつい重なってしまうのだ。
来週6月10日(木)に「@cosmeベストコスメアワード2021 上半期新作ベストコスメ(以下、ベストコスメ)」を発表する。上半期のベストコスメは、2020年11月1日から2021年4月30日の間に発売になった新作アイテムを対象にしたランキングで、今回は69,105件のクチコミのなかから選ばれたアイテムが発表になる。ランキングは、クチコミだけではなく、購買数や商品の閲覧数その他あらゆる@cosme上のデータを加味して抽出している。
もはやトレンドはない、と言われて久しい。むしろ多様性を当然に受け入れる社会となり、自分がどう思うか、という自分軸が重視されるようになってきた。とはいいつつもベストコスメの結果を見てみると、ユーザーがどんな思いで美容と向き合っていたのか傾向が見えてくる。
そんな傾向を発表するのが「トレンドキーワード」。上半期に4つ、年間に4つ、一年間で合計8つのキーワードを発表している。このトレンドキーワードもクチコミその他のデータから導き出している。これは、@cosme発のトレンドではなく、ユーザー発のトレンドである、ということだ。コロナ禍となった2020年は、マスクにまつわるものが多かったり、スキンケアを重視するというトレンドが色濃く反映された。この上半期のトレンドキーワードもぜひ楽しみにしていただきたい。
最後に。@cosmeのベストコスメを通じてうれしい瞬間は、ユーザーさんからの「納得!」「たしかに〜!」という声を聞いたとき。これは、多くのユーザーのクチコミを忠実に反映して導き出しているからこそ、いただける感想だと思っている。
人間がうれしいと感じることのひとつに、自分の存在を認めてもらえた瞬間がある。@cosmeのベストコスメが、ユーザーさん一人ひとりにとってそう思ってもらえる存在であったらこんなにうれしいことはない。
一方通行のサービスも情報も意味をなさなくなった今。いかにユーザーと良い循環を回していけるかにかかっている。冒頭で民主主義と書いたのはここにつながっている。
この連載に対するご意見・ご感想などぜひお聞かせください。より良い美容業界のためにみなさまと対話していけたらと思っております。
写真・文/篠田慶子
profile
篠田慶子(しのだ けいこ)
@cosme編集長。東京都生まれ。大学卒業後、ファッション誌でスタイリスト・編集者を経験。その後、フリーペーパーの編集者を経て、株式会社メディアジーンにてcafeglobe編集長、GLITTY編集長を経て、2017年10月に独立し、現職に至る。Pinterestのフォロワー数は26万人を超える。