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総合大賞は「ケイト リップモンスター」!受賞アイテムから読み解く“今”のユーザーの気持ち |@cosmeベストコスメレポート2022

作成者: @cosme for BUSINESS編集部|Dec 14, 2022 2:08:42 AM

アイスタイルには、「@cosme(アットコスメ)」に蓄積された1,800万件を超える膨大なクチコミをはじめ、アクセスデータや意識調査・インタビューを通して、生活者に触れ続けているリサーチチームがあります。今回のテーマは『総合大賞は「ケイト リップモンスター」!受賞アイテムから読み解く“今”のユーザーの気持ち│@cosmeベストコスメレポート2022』です!

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はじめに/「@cosmeベストコスメアワード2022」とは

@cosmeベストコスメアワード2022」は、@cosmeメンバーから投稿されたクチコミ情報をもとに、今、みなさんが支持している商品を表彰するアワードです。
「@cosmeベストコスメアワード」の選定方法はこちら

集計対象期間:2021年11月1日~2022年10月31日
集計対象クチコミ件数:1,227,889件
集計対象アイテム数:53,537アイテム

消費に変化!「トレンド」よりも「タイパ」、「リスク回避」を重視しての選択か

新型コロナウイルス感染拡大以降、増加傾向にある@cosmeへのクチコミ投稿数ですが、「@cosmeベストコスメアワード2022」の集計期間中(2021年11月1日~2022年10月31日、以下、クチコミ内)に寄せられたクチコミ投稿数は約120万件。
@cosmeベストコスメアワード史上最多を記録した昨年度の約112万件をさらに超える投稿数を記録しました。※
※クチコミ投稿数増加の背景については昨年度のプレスリリースをご確認ください。

一方で、ベストコスメアワードの対象商品数は昨年度と比べて減少しています。対象商品は減少しているにもかかわらず、クチコミ投稿数が伸びているのは、「人気商品」に集中して数多くのクチコミが寄せられたからではないかと考えられます。
@cosmeのクチコミにおけるワードの出現率推移をみると、話題となっている状態を指す「バズ」というワードが昨年度と比較して1.8倍に増加しています。

その他にも昨年度と比較して「TikTok」というワードが2.8倍、話題という記述とともに語られることも多いワードである「欠品」は2.1倍に増加しており、"SNS等で注目されている"ことを購入のきっかけとした内容のクチコミが増えています。

同様に人気の裏付けである「ベスコス」というワードの出現率も1.2倍に増加しています。また、その年の消費傾向を表す総合カテゴリの受賞商品を見てみると、10商品すべて過去にベストコスメアワードを受賞したことのある商品という結果となりました。

2022年11月下旬に実施した@cosmeユーザーを対象とした「化粧品に関するアンケート 」(以下、ユーザーアンケート)では『SNSやYouTube・TikTokで「話題/人気/バズっている」化粧品を購入したい』かについて聴取したところ、全体で6割強が「そう思う・ややそう思う」と回答しています。更に年代別でみてみると10代は約84%、20代は約76%と、特に若年層で高い数値を示しました。(5段階で聴取)。

その理由としては、上位から順に「情報収集の手間や時間が省けると思う」、「誰かのお墨付きという安心感がある」、「いいものが多く、失敗が少ないと思う」という声が挙げられ、それぞれ5割前後の回答があったのに対して、「流行・トレンドに乗りたいという気持ちがある」と回答した人は3割強にとどまりました。

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バズとロングセラーを掛け合わせた新たな消費動向「バズロングセラー」

今回の全体傾向から見えてくるのは 「バズ」と「ロングセラー」を掛け合わせた新たな消費動向です。「バズロングセラー」という言葉には「一過性で終わらないバズ消費」と「発売から年月が経った商品が掘り起こされるバズ消費」の二つの意味があります。

一過性で終わらない「バズ消費」

クチコミ内で最も多く「バズ」というワードが出現した商品は、総合大賞に選ばれたケイト「リップモンスター」であり、まさに今年の流れを象徴する商品と言えるでしょう。

マスク着用の影響を受け、一時は消費が大きく落ち込んだリップカテゴリ。そんな厳しい状態が続いていた2021年の5月に発売された本商品は、発売当初よりマスクにつきにくい・色落ちしにくい「機能性」に加えて、「使用感・品質の良さ」、誰でもアクセスしやすいドラッグストアを販売チャネルとする「利便性」、売り切れ続出の「希少性」、更には SNSを中心とした「盛り上がり」と、様々な相互作用が大きな支持に繋がり、発売からわずか半年で@cosmeベストコスメアワード2021の総合 第3位まで上り詰めたリップカテゴリのスター商品でした。(一部、昨年度のリリースを引用)

発売から1年半経過した現在でもその勢いは衰えていません。 支持され続ける背景には、生活者にとってまだまだマスクにつかない商品に対するニーズが高いことがありそうです。

しかし、指示され続ける理由はそれだけではなく、ミニサイズや限定色の発売、下半期リップ新人賞に選ばれた「ケイト リップモンスター スフレマット」の発売など、コレクション欲をくすぐる飽きさせないコミュニケーションも後押しとなっていそうです。

その流れは総合大賞以外の商品にも現れています。

・&be(アンドビー) ブラックスポンジ
総合 第4位、ベスト美容グッズ 第1位、@cosme STORE ベストヒット賞 総合 第5位

2020年4月に発売され、一時は欠品するほどの人気が集中し昨年ベスト美容グッズ 第2位を受賞。今年も人気は衰えず、今年は総合 第4位まで順位をあげた人気商品です。
@cosmeのフラッグシップショップ「@cosme TOKYO」のパフ・スポンジ部門の売り上げ1位。 販売数は2位の商品と比べて約8倍と、圧倒しました。※

・KANEBO カネボウ スクラビング マッド ウォッシュ
総合 第8位、ベスト洗顔料 第1位、価格別賞 ミドルプライス部門 洗顔料 第1位、 @cosmeSTORE ベストヒット賞 総合 第3位


2021年3月に発売されたスクラブ入りの洗顔料。角質や毛穴ケアに効果的と人気を集め、すで多くの受賞歴がある人気商品です。@cosmeのフラッグシップショップ「@cosme TOKYO」の洗顔料部門の売り上げ1位。 販売数は2位の商品と比べて約4倍と、高い人気を保っています。※

※集計期間中:2021年11月1日~2022年10月31日

前述のユーザーアンケート結果を鑑みると、慎重な生活者にとって一過性で終わるバズに乗ることは「タイパが悪い」「安易に選択すると失敗するかもしれない」消費行動である可能性がうかがえます。よって、一過性で終わらない「バズ」と「ロングセラー」を掛け合わせた新たな消費動向は今後も続いていきそうです。

また、企業においても、ロングセラーなバズを念頭においた商品発売やコミュニケーションが求められていきそうです。

発売から○○年!?掘り起こし「バズ消費」

もう一つのバズロングセラーの特徴として、SNSの浸透によって発売から年月が経っている隠れた名品が掘り起こされるタイプのバズ消費があります。
2013年に発売されたNARS「ライトリフレクティングセッティングパウダー プレスト N」は、昨年からSNSをきっかけに人気を集め、ついに昨年度のベストパウダー 第1位を受賞、発売開始から初めての受賞となりました。今年も人気の勢いは止まらず、@cosmeの購入者のクチコミ件数は昨年と比較して約2.4倍に増加し、ついに総合 第3位まで順位を伸ばしました。

また同様に、ベストヘアケア1位に輝いたオルビス「エッセンスインヘアミルク」は、発売から10年超の今年(2011年11月発売)、突如SNSで話題となり、初めてベストコスメアワードを受賞。クチコミ件数も昨年度と比較して約8倍と大きく増加しました。

その他にも発売から年月が経っている商品が掘り起こされ、クチコミ件数を伸ばし、受賞に至ったケースが多数見受けられました。

▼受賞商品のクチコミ件数の昨年度比較(発売から5年以上経過商品、昨対比2倍以上の商品をピックアップ)


生活者の目には、新たに出会った商品は、発売の時期に関わらずすべて新鮮に映っているのでしょう。バズはいまや新商品に限らず、すべての商品にチャンスがあると言えそうです。

総合上位10商品に2商品がランクイン、美容グッズが躍進!

バズロングセラー以外の特徴的な動きとして、美容グッズへの関心の高まりにも注目です。総合には、第4位に&be(アンドビー)「ブラックスポンジ」、第5位にuka「uka スカルプブラシ KENZAN」と2商品がランクインしました。


集計期間中に「美容グッズ・美容家電」に投稿された購入者のクチコミ件数は、昨年度と比較して約1.3倍に増加しました。特に&be(アンドビー)「ブラックスポンジ」をはじめとする「メイクアップグッズ」は約1.4倍と増加率が高い傾向にあります。

更に下半期美容グッズ新人賞には、ロージーローザ「マルチファンデブラシ」がランクインしています。メイクアップグッズを使用することで商品の力をより引き出すことができたり、メイク自体のクオリティをあげることができたりと、テクニック要らずで「底上げ」が図れる点が魅力的だと捉えられているのかもしれません。


メイクアップグッズへの支持は、マスク生活は続いているものの、外出機会と共にマスクを外す機会が格段に増えたことで、崩れにくいメイクテクニックに対する注目が更に高まったことが理由のひとつと言えるでしょう。

また、&be(アンドビー)をプロデュースする河北裕介さんをはじめとした、影響力のあるメイクアップアーティストの発信も後押しになっていると考えられます。「河北さんの動画見ながら練習してます!」「下地やファンデは手で塗る派でしたが、河北さんの動画を見て、もしや崩れる原因は付けすぎ...?と思い、このスポンジを使うようになりました。」といったクチコミも散見されています。

人気メイクアップアーティストの小田切ヒロさんは「小田切さんと同じようにメイクをやっても綺麗に仕上がらない」という問題を解決するため、テクニックがなくても簡単にプロクオリティのメイクに仕上げることができるメイクブラシを、今年11月に発売しました。
また、クチコミ内におけるワードの出現率を見てみると、グッズと同様の意味でつかわれる、「ツール」 というワードの出現率は昨年度と比較して約1.4倍、その他にも「メイクブラシ」が約1.4倍、「メイクツール」が約2.4倍、「メイクスポンジ」約2.6倍と全体的に伸びています。


メイクアップグッズ以外にも、洗顔時に使用する使い捨てのペーパータオルを指す「クレンジングタオル」というワードも約4.9倍に伸びており、メイクアップグッズ・ヘアケアグッズにとどまらず美容グッズ全体への関心が高まっているようです。

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スキンケアは守りと攻めが混在する動きが継続

イプサ「ザ・タイムR アクア」が総合大賞を受賞した昨年度を象徴する「肌の調子を安定させたい」というスキンケアへのニーズは継続しており今年度も鎮静効果が評価されたスキンケア商品が多数受賞しています。

また、「摩擦レス」への関心も継続しています。その意識はスキンケア商品を超えてメイクアップ商品でも見られています。


クチコミ内におけるワードの出現率を昨年度と比較すると、「揺らぐ」が約1.3倍、「お守りコスメ」が約1.3倍、 「お守りスキンケア」が約1.6倍、「お守り美容液」が約3.6倍に増加しており、昨年からさらに「揺らがない安定した肌」への関心が高まっていることが伺えます。コロナ禍を経てスキンケアの果たすべき役割が浮き彫りになったと言えるでしょう。

また、守りのスキンケアと攻めのスキンケアが混在する動きも継続。洗顔料カテゴリの受賞商品は、スクラブ入りや酵素洗顔など、3商品ともデイリーケアにもスペシャルケアにもなる攻防両立タイプがランクインしています。

化粧品に配合されている成分への関心も継続。昨年度と比較したクチコミ内におけるワードの出現率は、「ビタミンC」が約1.3倍、「ナイアシンアミド」が約2.3倍 、「レチノール」が約2.4倍に増加しており、受賞商品のクチコミにおいても、成分について触れた内容がみられます。

メイク復活は「デイリーメイク」から? 生活のシーンに応じてメイクも使い分け

コロナ禍以降のマスク生活をきっかけに、ファンデーションを塗らずにベースメイクを仕上げる人が増えました。この流れは継続しており、クチコミ内において「ノーファンデ派」というワードの出現率は昨年度と比較して約1.6倍に増加しています。

一方で、「すっぴん」というワードは昨年度と比較して減少。ベースメイクカテゴリの受賞商品の傾向からみると、決してノーメイクでいたいわけではなく、トーンアップやフィルター効果へのニーズが拡大しているようです。


また、受賞商品やワードの出現率からみると、今年度は絶妙、繊細なニュアンスカラーやヌーディーなミュートカラーが人気を集めていることがわかります。


ノーファンデ派やミュートカラーなメイクと聞くと、生活者のメイクへの関心は戻り切っていないようにも見えますが、総合大賞にリップ商品が選ばれたのは、オペラ「リップティント N」が大賞に選ばれた2018年から4年ぶりのことです。

また、クチコミ内において「ナチュラルメイク」というワードの出現率が昨年度と比較して減少している一方で「盛れる」、「目力」というワードの出現率は増加が見られます。 さらには「デイリーメイク」、「ライトメイク」、「スクールメイク」、「職場メイク」というワードの出現率も昨年度と比較して増加しています。
マスク生活によって一時はメイクへの関心は減少傾向となり、このままメイクする人としない人の二極化すが進むのではないかとも言われていましたが、まずは日常的なメイクから復活しつつあるようです。イベントやレジャーに対する制限が緩和されたことで、更にメイクの復活が後押しされるかもしれません。

おわりに

株式会社アイスタイルは、今年の上半期より新たに発足した「@cosmeトレンド予測部」が、売上動向やクチコミ、その他関連データからみえる意識変化と、美容プラットフォーマーとしての知⾒から今後の生活者インサイトや美容トレンドを予測する「2023上半期トレンド予測」を発表いたしました。

ここでは、今後トレンドとなり得る芽をご紹介しています。生活者に向き合うためのヒントとなりましたら幸いです。

「@cosmeベストコスメアワード2023上半期トレンド予測」は@cosmeベストコスメアワードの企画であり、@cosmeに投稿されたクチコミや@cosme STORE/@cosme TOKYOでの売り上げ等の分析、その他ユーザーアンケートなど関連情報からみえる生活者の意識変化と美容プラットフォーマーとしての知見から、今後の生活者インサイトや美容トレンドを予測するべく発足された「@cosmeトレンド予測部」が、2023年の上半期のトレンドをキーワード化したものです。

>>詳細はプレスリリースをご参照ください