アイスタイルには、「@cosme(アットコスメ)」に蓄積された2,000万件を超える膨大なクチコミをはじめ、アクセスデータや意識調査・インタビューを通して、生活者に触れ続けているリサーチチームがあります。今回は@cosme上半期新作ベストコスメ2024の受賞商品から見たユーザーインサイトを解説。
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「@cosmeベストコスメアワード」とは、@cosmeメンバーから寄せられたクチコミ投稿をベースに、今、生活者が支持している商品を表彰するアワードです。
なかでも「上半期新作ベストコスメ」は、この半年間(昨年11月1日~本年4月30日)に発売された新商品を対象としており、「@cosmeベストコスメアワード」の上半期における新人賞となっています。
「@cosmeベストコスメアワード」の選定方法はこちら
集計対象期間: 2023年11月1日~2024年4月30日
集計対象クチコミ件数: 115,316件
集計対象アイテム数: 3,806 アイテム
◆総評
◆総合カテゴリやクチコミデータからみえるトレンド分析
・価格と品質のバランスの良さがポイント、中価格帯コスメ(ミドルコスメ)の逆襲!
◆総合10位中、国産ブランドが9商品ランクイン2017年の上半期ベストコスメアワード総合TOP発表開始以来最多
◆総合大賞「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」の魅力
◆マスク悩みから解放されてもなお「ゆらぐ肌」花粉や寒暖差が影響か
◆ルルルンに熱視線!シートマスクのデイリー化を牽引
◆各カテゴリごとのトピックス
・スキンケア:今一度根本ケア、「底上げ」アイテムに注目!その動きはヘアにも
・ベースメイク:ベースメイクには惜しまず投資、高価格帯アイテム多数! ほか
・メイクアップ:粘膜カラーに締め色なし、盛り過ぎないメイクがトレンド ほか
・その他:中国コスメが初ランクイン!今後は韓国コスメのように広がる可能性も ほか
昨年から続く物価上昇や円安傾向は、2024年上半期も引き続き美容業界のトレンドに大きく影響を与えました。化粧品の相次ぐ値上げに伴い、ベストコスメアワード集計対象期間中のクチコミでも「値上げする」というワードの出現率が昨年と比較して2.1倍、「値上げ」が1.8倍と、昨年から上昇傾向にあった値上げに関するワードが今年も多数増加しています。
さらに、化粧品の値上げは生活者の購買にどのような影響を与えたのかを分析すると『駆け込み需要』の動きがみえてきました。
「駆け込み購⼊する」というワードの出現率は、昨年と比較して2.7倍に増加、商品のリピーターによる駆け込み購入の動きとして「ストック買い」というワードも1.3倍に増加しています。また、リピーターだけでなく、これまで購入を躊躇していたが「値上げが後押しとなって購入した」という新規購入客のクチコミもみられています。
今回、総合カテゴリからみえるトレンドの一つとして、スキンケアの「中価格帯コスメ(ミドルコスメ)への支持」があります。
総合10位のラインナップを見てみると、メイクカテゴリでは、高価格帯コスメ(デパコス)2商品、低価格帯コスメ(プチプラ)1商品と価格が二極化しているのに対し、スキンケアカテゴリでは、総合大賞を含む4商品の中価格帯ブランドがランクインしています。
※ベスコスの「価格部⾨」の定義では、2000円以上の商品をミドルプライスと位置づけているが、アテニアブランド⾃体はファンケルグループの中で中価格帯ブランドと位置づけられているため中価格帯に分類
前述の通り、昨今、中価格帯メイクブランド終了のニュースが続くなど、メディアでは中価格帯ブランドの苦戦が伝えられていますが、今回の受賞ラインナップやクチコミ、2024年5月に実施した@cosmeユーザーを対象とした「化粧品に関するアンケート」(以下、ユーザーアンケート)の結果を分析すると、実はスキンケアカテゴリでは「中価格帯コスメ(ミドルコスメ)」に注⽬が集まっていることがわかりました。
クチコミの出現率をみてみると、まだ数は多くはないものの「ミドルコスメ」というワードは、昨年と比較して3.6倍と⼤きく増加しているのに対し、「プチプラ」、「デパコス」というワードはそれぞれ2018年をピークに減少傾向、2019年から横這いとなっています。
さらにユーザーアンケートで「考えやお気持ちに当てはまるもの」を聴取したところ、「中価格帯のミドルコスメが気になるようになった※」と全体の35.3%の人が回答、昨年11月に実施した調査から13ポイント増加しています。全体の31.2%が回答した「プチプラが気になるようになった」を超え、昨年11月からの伸び率は「プチプラ」、「デパコス」を抑えて最⼤という結果となりました。
※昨年11⽉と5⽉の調査では設問⽂に差異があります。
<今年5⽉の設問>中価格帯のミドルコスメが気になるようになった
<昨年11⽉の設問>最近、改めて中価格帯のミドルコスメが気になるようになった
また、「ミドルコスメ(中価格帯)のスキンケアのイメージ」を聴取したところ、「価格と品質のバランスが良い/ちょうどよい」と回答した人が全体の60.6%に及びました。スキンケア商品は、肌に直接影響を与えやすいアイテムであるため、価格が安ければよいとはならず、物価⾼の影響もあって質だけを追求することはできない⽣活者にとって、品質と価格のバランスが良く、失敗しにくい選択として中価格帯コスメ(ミドルコスメ)が選ばれているのではないでしょうか。
加えて、若年層(10代+20代)においては、前述の聴取にて「話題の、バズっている商品が多い」と回答した人が3割を超えており、SNS等での話題をきっかけに、若年層も中価格帯コスメ(ミドルコスメ)のスキンケアアイテムに注目していることが窺えます。
今後、スキンケアカテゴリにおいて中価格帯ブランドの需要が更に拡⼤していくことによって「ミドルコスメ」というワードもプチプラやデパコスのように定着し、新たなコスメのジャンルとして確⽴していくかもしれません。
総合カテゴリからみえるもう一つのトレンドとして、「国産ブランドへの⽀持」があります。
総合10位のラインナップを見てみると、10商品中9商品が国産ブランドでした。上半期ベストコスメアワードの総合大賞~10位の発表を開始した2017年以降最多となります。
ユーザーアンケートにて、「化粧品について、考えやお気持ちに当てはまるもの」を聴取したところ、「自分の肌に合う化粧品であれば、国産ブランドか外資系ブランドかは気にしない」と回答した人が全体トップの60.5%となった⼀⽅で、「⽇本の(国産)ブランドに興味がある」も全体の59.4%と、ほぼ同数の結果となりました。
これは韓国ブランドへの興味と⽐較すると約2倍、欧⽶ブランドでは約4倍となり、この結果と、今年の新作商品が極端に外資系ブランドが少なかったわけではないという前提を踏まえると「⾃分の肌に合った化粧品=国産ブランド」と感じている⽣活者が多かったといえるのではないでしょうか。
国産ブランド支持の背景の一つには、中価格帯コスメ(ミドルコスメ)と同様に物価高や値上げ、円安の影響がありそうです。クチコミでは「円安なので国産品を積極的に買っていくスタイルです」という声もあがっています。
総評でも述べた相次ぐ値上げ、駆け込み需要は主に「外資系ラグジュアリーブランド」で起きています。
実際に、原宿駅前にある「@cosme TOKYO」の売上数を⾒ても、価格改定発表以降から価格改定⽇前までの駆け込み需要がみえた商品もありました。これらのデータからは、⽣活者が値上げのタイミングで、外資系ラグジュアリーブランドの定番商品を駆け込み購入やストック買いし、新作コスメは国産ブランドの商品を購⼊したことが、今回の順位に影響を与えた可能性が窺えます。
前述の通り、2024年上半期は中価格帯コスメ(ミドルコスメ)のスキンケアアイテム、国産ブランドの支持がみられた半年となりました。
@cosmeベストコスメアワード2024 上半期新作ベストコスメ総合大賞に輝いたアテニア「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」はその象徴といえるでしょう。
本商品は、4年ぶりにリニューアルし、⾓層ケアまで叶えるクレンジングに進化した国産・中価格帯ブランド「アテニア」のクレンジングオイルです。
総合大賞に加えて、ベストクレンジング 第1位、価格別賞 ロープライス部門 クレンジング 第1位、@cosme SHOPPING ベストヒット賞 総合 第1位、@cosme STORE ベストヒット賞 総合 第2位と全5部⾨を受賞。@cosme TOKYOの売り上げ数では、クレンジング部門※第1位という人気ぶりです。
※ポイントメイクアップリムーバーは除く
角層をほぐし、やわらかく整えることで、次に使うスキンケアの浸透を高め、透明感までもたらす美容クレンジングへ進化した本商品ですが、リニューアルのタイミングで値上げしています。しかし、中価格帯としては「お得」であり、プチプラとしては「リッチ」な1980円(税込)という"絶妙な価格設定"が生活者の気持ちを掴んでおり、値上げに対して肯定的なクチコミがみられています。商品によっては、リニューアル後のクチコミで「改悪」という声もあげられるなか、本商品はリニューアル後もリピート比率が脅威の36%と非常に高く、愛用者の心を離さなかったことが窺えます。
総合大賞を受賞したアテニア「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」において、カテゴリ全体や競合商品群と比べ、クチコミに偏って出現するワードとフレーズ(以下、特徴的なワード・フレーズ)として「香り」、「香り-癒す」や「香り-リラックスする」といった表現がみられます。
また、総合 第6位を受賞したSOFINA iPの炭酸泡の美容液「ベースケア セラム〈土台美容液〉」のクチコミにあらわれた特徴的なワードとして「シュワシュワ」、「パチパチ」という表現があります。炭酸系アイテム自体も注目を集めているようで、「炭酸系」というワードの出現率は昨年と比較して2.6倍に増加しており、ベスト洗顔料 第1位でもエスト「AC ピュリファイ マッサージウォッシュ」が受賞しています。
マスクの着用が任意になってから一年が経過し、コロナ禍が落ち着きつつあることから、マスク悩みから解放された生活者も多いのではないでしょうか。
しかし、クチコミでは「ゆらぎ」というワードの出現率が昨年と比較して1.4倍と増加しています。それには、花粉や黄砂、寒暖差、季節の変わり目がはっきりしないといった外的要因が影響していそうです。特に花粉に関しては、最近は春だけでなく「秋花粉」に言及しているクチコミも増加しています。
こういった背景も要因となり、肌にゆらぎを感じた時に頼れる「お守りスキンケア」は、依然として需要が高く、クチコミでも「お守り」というワードの出現率は昨年と比較して微増しており、「お守りクリーム」というワードは1.9倍に増加。
コロナ禍では「お守り美容液」が注目されましたが、この上半期は総合 第7位を受賞したラ ロッシュ ポゼ「シカプラスト リペアクリーム B5+」が牽引する形で、「お守りクリーム」に注目が集まったようです。
生活者からのクチコミからもわかる通り、クリームは「膜を作る」、「蓋をする」というイメージから、保護されているという安心感を感じやすい剤型なのかもしれません。
「膜感がある」という言葉は、これまでのクチコミではネガティブな文脈で使用されることが多かったのですが、現在は覆われている安心感を想起させるようです。
「膜感」に関連した動きとして、ベースメイクでは「薄膜」という表現が増加しています。数年前から出現しているワードですが、出現率は昨年と比較して1.5倍に増加。
その他、リップメイクで「厚膜」というワードの出現率が昨年と比較して1.3倍に増加しています。総合 第4位を受賞したKANEBO「ルージュスターヴァイブラント」のクチコミでも特徴的なフレーズとして「膜-厚い」があがっており、厚膜感のある仕上がりが評価されています。
ここ数年、シートマスク・パックへの関心が続いていますが、この上半期も勢いは止まらず、@cosme TOKYOのシートマスク・パックの売上数は昨年と比較して2.1倍と大きく伸長しました。そんなシートマスク・パックカテゴリのなかで、生活者の注目を多く集めたブランドは「ルルルン」です。
今回、「ルルルン ハイドラ EX マスク」、「ルルルン ピュア エブリーズ」の2商品が総合カテゴリに加えて、ベストシートマスク、価格別賞、@cosme STORE ベストヒット賞と多数受賞を果たしています。
ここまでのブランドの支持は、毎日のシートマスクとしてルルルンを愛用していると公言しているMEGUMIさんの影響も⼤きいのではないでしょうか。ルルルンに限らず、クチコミ全体でMEGUMIさんの影響は大きく、「MEGUMIさん」というワードの出現率は、昨年と比較して4.6倍にも増加しています。
多数の賞に輝いたルルルン「ルルルン ハイドラ EX マスク」、ルルルン「ルルルンピュア エブリーズ」の評価されているポイントを見てみると、「マスクのデイリー使いの元祖」ともいえるブランドともあってか、2商品共に特徴的なワード、フレーズに「毎⽇」、「毎⽇使う」があがっています。また、「ルルルン ハイドラ EX マスク」では「グルタチオン」、「エクソソーム」と、成分ワードがあがっていました。また、昨年末にベスコスを受賞した⻩⾊のパッケージで7種類のビタミンが配合された「ルルルン ハイドラ V マスク」を使ってよかったから...というクチコミも⾒られ、まさに昨今の成分ブームを象徴する受賞商品です。
更に、「ルルルンピュア エブリーズ」では「化粧⽔代わり」というワードもあがっています。7枚440円(税込)の⼿ごろな価格についても多く⾔及されており「ルルルン ハイドラ EX マスク」と⽐較すると投稿者の年代も低いことから、⼿ごろな値段で化粧⽔代わりに毎⽇使えるアイテムとして、若年層にとっては「ルルルンのエントリーアイテム」になっていたのではないでしょうか。
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今一度根本ケア、「底上げ」アイテムに注目!その動きはヘアにも
スキンケアのトピックスは、第1弾のプレスリリースでも多くご紹介していますが、今回もう一つ注目したいのは「底上げ」アイテムへの支持です。
@cosmeのクチコミをみてみると、「底上げ」というワードの出現率が昨年と比較して1.3倍に増加しています。他にも「土台美容液」というワードの出現率は2.2倍、「導入乳液」2.0倍と、底上げ関連のワードが多数増加しています。
今回のベスコスには、ベスト美容液・ブースター部門で、第1位にSOFINA iP「ベースケア セラム〈土台美容液〉」、第2位にCOSRX(コスアールエックス)「RXザ・6ペプチドスキンブースターセラム」と、次に使うスキンケアアイテムのなじみをよくしたり、効果をアップしてくれるブースター・導入液アイテムがランクインしました。
また、総合大賞を受賞したアテニア「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」も、次に使うスキンケアの浸透を高めるというブースター効果がリニューアルポイントです。
尚、底上げの動きはスキンケア以外にもみられており、ベストヘアケア 第3位にもロレアル パリ「ロレアル パリ ボンド リペア 導入エッセンス」というブースターアイテムがランクインしています。
さらに関連して、「プレトリートメント」というワードの出現率が、昨年と比較し9.9倍に増加しており、今回受賞したようなシャンプー前に使うプレトリートメント自体への注目も感じられます。
ベースメイクには惜しまず投資、高価格帯アイテム多数!
スキンケアでは、中価格帯コスメ(ミドルコスメ)に支持が集まりましたが、ベースメイクにおいては、高価格帯コスメが支持されました。
この背景には、「無加工=ナチュラルの延長線にある盛り」が世代問わずトレンドとなり、肌を自然に美しくみせたいというニーズが高まったことで、「ベースメイクには惜しまず投資したい」という生活者が増えたことがありそうです。また、それに加えてスキンケアと同様にベースメイクも肌に直接影響を与えやすいアイテムであるということも影響していそうです。
一方で、メイクアップに関しては、肌に直接影響を与えにくいアイテムであることから、低価格(プチプラ)でトレンドを楽しむという選択がされているのではないかと分析します。
粘膜カラーに締め色なし、盛り過ぎないメイクがトレンド
2024年5月に実施した@cosmeユーザーを対象とした「化粧品に関するアンケート」(以下、ユーザーアンケート)で、「メイクアップについて、考えやお気持ちに当てはまるもの」を聴取したところ、「自然な、盛りすぎないメイクが今の気分だ」と全体の72.8%の人が回答しています。
またクチコミでは、「粘膜カラー」というワードの出現率が、昨年と比較して2.9倍、「シアー感」というワードは1.6倍に増加しています。
さらに総合 第4位を受賞したKANEBO「ルージュスターヴァイブラント」は、「美粘膜のようなツヤ」を謳っており、また、総合 第10位を受賞したケイト「ポッピングシルエットシャドウ」は、締め色のないミュートカラーが特長で、どちらも肌なじみのよいカラーが支持されています。
加えて、ベストアイブロウ 第1位には、まるでブリーチしたような薄眉に!と訴求した眉用コンシーラー、キャンメイク「コンシーラーブロウマスカラ」がランクインしており、粘膜カラーに締め色なし、加えて薄眉と、受賞商品からも上半期のメイクアップの全体が「ナチュラル」であることが窺えます。
チーク復活!⼈気チークの剤形に変化?ポイントは「じゅわっとした⾎⾊感」
マスクの着用が任意になってから早期に需要が復活したリップカテゴリとは異なり、コロナ禍以降の復調がスローだったチークカテゴリですが、原宿駅前にある「@cosme TOKYO」の2023年11月~2024年4月の売上数をみてみると、昨年と比較して2.1倍と⼤きく伸⻑しており、⽣活者の関⼼がようやく戻ってきていることが窺えます。
今回のベストチーク 第1位にはリキッドタイプのFujiko(フジコ)「水彩チーク」、第2位にはクリームタイプのTHREE「THREE グラムトーンカラーカスタード」と、これまで主流だったパウダータイプではない商品がランクインしています。「水彩チーク」は、滲み出る血色感を引き出す、「THREE グラムトーンカラーカスタード」は、肌に伸ばすと"ほわり"と溶け込むと謳っており、前述のアンケート結果にもある通り、「ジュワっと溶け込むような⾃然な⾎⾊感」が作れる剤形に⼈気が集まったのでないかと分析します。
ナチュラルメイクだけど、細部にはこだわりはあり?
メイクアップの全体傾向はナチュラルでありながら、ベストアイライナー 第2位にはリアルな下まつげを描くことができるCipiCipi「下まつげライナー」がランクイン。ベストマスカラ 第1位には、自分好みの束感がつくれるキャンメイク「メタルックマスカラ」、第3位には美しい束感まつ毛がつくれるエテュセ「アイエディション(ラッシュトップコート)」がランクインしており、実は"パーツにはこだわりたい気持ち"が窺えます。また、前述のケイト「ポッピングシルエットシャドウ」のクチコミをみてみると、生活者は近しいカラーが集まった4色パレットを使い分けており、それもある意味こだわりの一つと言えそうです。
中国コスメが初ランクイン!今後は韓国コスメのように広がる可能性も
今回、ベストシェーディング 第1位にSHEGLAM「サンスカルプ リキッドシェーディング」、ベスト涙袋・二重メイク 第3位にFlowerKnows(フラワーノーズ)「FlowerKnows(フラワーノーズ)スワンバレエシリーズリキッドアイシャドウ」と、中国コスメが初めてランクインしています。
一昔前までは、「『中国製』は不安に感じる」といったクチコミが散見されましたが、徐々に「中国製」というワードの出現率は減少しており、話題となる中国コスメもでてきていることから、中国コスメに対するイメージの変化、中国コスメが受け入れられる土壌ができつつあるといえるのではないでしょうか。
ただし、ユーザーアンケートで「化粧品について、考えやお気持ちに当てはまるもの」を聴取したところ、「中国ブランドに興味がある」と回答した人は全体の4.7%でした。
これは決して高い数値ではなく、今回受賞した2商品も「商品の良さ」が支持された結果といえそうです。一方で「自分の肌に合う化粧品であれば、国産ブランドか外資系ブランドかは気にしない」と全体の60.5%の人が回答、「特に韓国コスメを探しているわけではないが、いいと思うものが結果的に韓国コスメであることが多い」全体の20.2%、10代では36.8%の人が回答していることから、今後はたまたま惹かれた商品が中国コスメだったという状況になっていくかもしれません。
上半期ベスコスにベストデリケートゾーンケア部門が新設!
今回の上半期新作ベストコスメでは、ベストデリケートゾーンケア部門を新設いたしました。年末に発表する年間のべストコスメには既にある部門ですが、上半期は発売される商品が少なく、これまでは部門の成立させることが困難でした。しかし、今年はデリケートゾーンケアの商品が増えたことで、新設に至りました。
ベストデリケートゾーンケア 第1位、第2位を受賞したトワニーは、昨年11月に@cosme TOKYOでポップアップイベントを開催しており、実際に商品を試すことや相談できる場も徐々に増えてきています。
(参考)https://business.cosme.net/case/report/cosme-tokyo_magazine_18
また、ユーザーアンケートにて、「化粧品の選び方は、これからどうなると思うか」を聴取したところ、「今よりも、フェムケア商品(女性特有の体や健康の問題をケアする商品)を選ぶようになるだろう」と全体の32.0%の人が回答しており、自分事化された悩みということも影響してか、フェムケアを意識した商品選択への関心はSDGsを上回っています。フェムケア商品への関心は、今後ますます高まっていきそうです。
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株式会社アイスタイルは、「@cosmeトレンド予測部」が、売上動向やクチコミ、その他関連データからみえる意識変化と、美容プラットフォーマーとしての知⾒から今後の生活者インサイトや美容トレンドを予測する「2024下半期トレンド予測」を発表いたしました。
ここでは、今後トレンドとなり得る芽をご紹介しています。生活者に向き合うためのヒントとなりましたら幸いです。
「@cosmeベストコスメアワード2024下半期トレンド予測」は@cosmeベストコスメアワードの関連企画であり、@cosmeに投稿されたクチコミや@cosme STORE/@cosme TOKYOでの売り上げ等の分析、その他ユーザーアンケートなど関連情報からみえる生活者の意識変化と美容プラットフォーマーとしての知見から、今後の生活者インサイトや美容トレンドを予測するべく発足された「@cosmeトレンド予測部」が、2024年の下半期のトレンドをキーワード化したものです。
>>詳細は「@cosmeベストコスメアワード2024下半期トレンド予測」プレスリリースをご参照ください
本コラムに関するプレスリリース
>>※プレスリリース第1弾※大賞はアテニア「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」
>>【プレスリリース第2弾】ベースメイクは高価格帯シフトが鮮明に、惜しまず投資したい対象か? メイクの全体傾向はナチュラルだが、細部にこだわりあり!
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