アイスタイルには、「@cosme(アットコスメ)」に蓄積された2,100万件を超える膨大なクチコミをはじめ、アクセスデータや意識調査・インタビューを通して、生活者に触れ続けているリサーチチームがあります。今回は同チームが@cosmeベストコスメアワード2024の受賞商品から見たユーザーインサイトをご紹介します。
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「@cosmeベストコスメアワード2024」とはこの1年間に@cosmeに寄せられたクチコミ投稿をベースに、今、生活者が支持している商品をランキング形式で表彰するアワードです。
サービス開設当初より毎年発表しており、@cosmeならではの生活者視点に立った受賞ラインナップが、化粧品業界及び美容業界からもご注目いただいています。
「@cosmeベストコスメアワード」の選定方法はこちら
「@cosmeベストコスメアワード2024」は、
集計対象期間: 2023年11月1日~2024年10月31日
集計対象クチコミ件数: 1,443,189件
集計対象アイテム数: 52,822アイテム
※下半期新人賞のみ 2024年5月1日~2024年10月31日に発売された商品を対象としています。
◆総評
・新作コスメ&韓国コスメが躍進活躍!好調の理由はポップアップ?
・長期化する物価高騰の影響
◆総合10位からみえるトレンド分析「打倒暑さ消費!」
・生活者が化粧品で投資をしたアイテムは「ベースメイク」
・激しさを増す酷暑、11月になっても終わらない残暑などに打ち勝つ「打倒暑さ消費」
◆総合大賞からみえるトレンド分析
・上半期に続き、年間ベスコスでも総合大賞をW受賞!
アテニア「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」
・キーワードは「ご自愛」!人生100年時代でみえてきたマインド
・煩わしい"ひと手間"を減らしてくれる「面倒界隈救済」ポイント
-機能性だけじゃない!「面倒界隈」からも支持!魅惑のエコパック
・フレグランスのような香りがご自愛ニーズにヒット!
・W受賞を支えた熱烈なリピーターの存在の重要性
◆各カテゴリごとのトピックス
・スキンケア:ベーシックアイテムは国産中価格帯で安心感、プラスワンアイテムは韓国コスメ ほか
・メイクアップ:メイクアップは「じゃない方消費」に注目! ほか
・ヘアケア:ヘアケアも打倒暑さ消費!?
・その他:男性インフルエンサーの影響力UP、美容のボーダレス化進む
ここ数年、@cosmeでは長年愛されてきたロングセラー化粧品を再評価する動きが見られていました。コロナの流行や、経済の低迷といった不安定な環境にある生活者が、多くの人からの評価に裏打ちされた安心感、昔からある変わらない安定感を求めたからであり、少しでも安心できるもの、安定したものを求める消費傾向が化粧品選びにおいて表れた結果であったと考えられます。
しかしながら、2024年のベストコスメアワードは、総合の上位10商品のうち半数の5商品が2024年の上半期新作ベストコスメアワード受賞商品という新しい動きがみられました。
年間のベストコスメアワードの総合10位に、その年の上半期新作ベストコスメ受賞商品が5商品もランクインするのは初めてのこととなります。歴代のベストコスメアワードでは、2商品のランクインが最大であり、直近のベストコスメアワードをみても、2023年は2商品、2022年は0商品、2021年は0商品、2020年は1商品のランクインにとどまっていることを鑑みると、特長的な消費傾向だったといえそうです。
さらに、今年は総合の上位10商品のうち新興ブランドともいえる韓国コスメも2商品がランクイン。歴代のベストコスメアワードにおいて、韓国コスメは最大でも1商品のランクイン、直近3年間では1商品もランクインしておらず、総合10位に韓国コスメが2商品ランクインしたのは初めてのことです。よって、全体でみてみると、総合上位10商品のうち、新作コスメと韓国コスメが7割を占める結果となっており、自身の行動に変化をもたらし、新しいものを取り入れようとする積極さが垣間見られる1年であったことがわかります。
その背景のひとつには、昨年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行してから、1年以上が経ち、旅行需要の回復やオフィス回帰など、昨年に比べて新しいものに触れる機会が大幅に増えていることが考えられそうです。
このような流れの一例として、この1年間で@cosme TOKYO、@cosme OSAKAをはじめ多くの店舗やイベントスペースで開催されている期間限定のポップアップイベントをきっかけとする「店頭回帰」があります。
ベストコスメアワード集計対象期間中のクチコミでも、「ポップアップ」というワードの出現率は昨年と比較すると2倍に増加しており、実際のクチコミでも「@cosme OSAKAでポップアップに遭遇し、衝動買いしてしまいました!」といった声のほか、「@cosmeでポップアップが開催されている時に購入しました。店員さんのおすすめ聞いたり、人気の品番聞いたりしました」といった声が見受けられます。新商品に出会えるワクワク感に加えて、その場で商品を手に取って、お試しができたり、ブランドの方から直接説明を聞きながら自分にあったものを失敗なく選べることも購入の後押しとなっていることが考えられます。
また、昨今SNSをはじめとするユーザーやインフルエンサー、著名人の発信などで事前に情報収集を行って購入に至る、いわゆる「指名買い」をする人が増えてきていることから「衝動買い」のワードの出現率は5年前の半数以下まで減少しています。
一方で、「ポップアップイベントで目にしたことで購入に至った」というクチコミが複数見受けられていることから、最近の消費傾向として「衝動買い」が減っていくなかで、ポップアップイベントは予期せぬ偶発的な出会いと購入の機会をもたらしてくれる重要な役割となっていくことがうかがえます。
新作コスメや韓国コスメの取り入れが進む一方で、引き続き、消費者の購買には物価高の影響がみられます。ユーザーアンケートで、半年前と比べたときの気持ちや行動の変化として当てはまるものを聴取したところ、「お金をかけるべきアイテムは何かを以前より考えるようになった』と回答した人が全体の64.5%にのぼり、物価高騰が長期化していく中、消費者のなかでは投資する先の取捨選択がより慎重になってきていることがわかります。
特にスキンケアにおいては、コロナ禍では高額なスキンケアに投資する様子が見られましたが、2024年は中価格帯~低価格帯へのシフトが起こりました。
何に投資をし、何を節約するか。その見極めがなされた2024年。全般的に価格に対しシビアに反応しつつも、すべてランクダウンさせるのではなく、何に対してお金をかけるか、こだわりのものにはお金をかけたいというニーズがみられました。
その投資対象となったのが、ベースメイクです。
総合上位10商品のうち、半分の5商品をベースメイク関連のアイテムが占めていることがわかります。同カテゴリのランクインは今年が5商品であることに対して、2023年は1アイテム、2022年は2アイテムとなっていることから、今年は生活者にとってベースメイクへの関心が大きく高い1年であったことがうかがえます。
さらに内訳を見てみると、ランクインした5商品のうち4商品がラグジュアリーブランドのアイテムとなっており、スキンケアカテゴリでランクインしたのが、いずれも低・中価格帯の商品であることと対照的な結果となっていました。
加えて、アイテム別賞の同カテゴリを見てみると、1位に輝いていたのは全10部門中9部門が高価格帯アイテムであり、消費者がベースメイクへの投資意向が高いことがうかがえます。
ユーザーアンケートでも、「ベースメイクにお金をかけるようになった』と回答している人が全体の35.3%をマークしていることからも、物価高の影響を受け、投資をするポイントをシビアに見極めるようになった生活者が投資したいアイテムとして選んでいるのが「ベースメイク」であることがわかります。では、なぜ生活者が「ベースメイク」への投資を選んだのか?生活者の声をより深堀してみるとその理由が見えてきました。
2024年は、東京では3月に初めての夏日を記録。季節外れの暑さにはじまり、真夏には例年以上の酷暑、そして秋は11月にも夏日を観測するなど暑さに悩まされた1年となりました。
ユーザーアンケートで「気持ちや行動の変化として当てはまるもの」を聴取したところ、『今年の夏の暑さは化粧品選びにも影響があったと思う』に「当てはまる」と回答した人が全体の73%、『暑さ対策のできる化粧品に投資したいと思う』に「当てはまる」と回答した人が全体の69.1%に及んでいます。
年々激しさを増す異例の暑さによって拭いても拭いても止まらないほど汗をかいたり、突然の気象の変化によって顔や髪が雨風にさらされることを誰しもが経験したであろう2024年。避けようのない「メイク崩れ」や、過酷な環境による「肌ダメージ」に見舞われた結果、生活者が投資したいと思うほどの価値を感じたのがベースメイクを中心とした「暑さに打ち勝てるアイテム=打倒暑さ消費」だったのではないのでしょうか。
実際に、総合10位にランクインしたアイテムをみてみると、ベースメイクを含む6商品が「打倒暑さ消費」に当てはまるアイテムであることがわかります。更にユーザーアンケートでは、「崩れないために薄づきを意識するようになった」と回答した人が全体の44%、「崩れても汚く見えない商品や塗り方を意識するようになった」と回答した人が全体の46.4%、「ベースメイクを落とした後の肌の状態が気になるようになった」と回答した人が全体の47.3%となりました。
止まらない汗や突然の雨などによる化粧崩れが気になるというと、以前は、崩れないようにカバー力の高いファンデーションが人気だったこともありました。しかし今の生活者は、同じ「崩れない」を「薄づきであること」で解消しようとしているようです。そこには、「薄づきであれば崩れても汚く見えない」という理由がありそうです。
崩れていなくても綺麗、崩れても綺麗。それを叶えてくれるベースメイク商品が、結果、高額な商品だったのではないでしょうか。また、コスメだけでなく、メイクを綺麗に保つことに加えて崩れにくく仕上げてくれる専用パフなどのツール類にも投資したり、メイク中や落とした後も肌に優しい美容成分配合のコスメなどにも注目があつまったようです。
■総合10位以内の商品で評価されたベースメイク関連商品
今年のベストコスメアワードは4年ぶりにリニューアルし、⾓層ケアまで叶えるクレンジングに進化したアテニア「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」が、上半期新作ベストコスメに続いて年間ベストコスメでも総合大賞に輝き、W受賞を果たしました。クレンジングオイルが年間のベストコスメアワードで総合大賞を受賞するのは初めてのことです。
上半期新作ベストコスメでは、角層をほぐし、やわらかく整えることで、次に使うスキンケアの浸透を高め、透明感までもたらす美容クレンジングとしての"ベーシックな機能性の高さ"と、中価格帯としては「お得」であり、プチプラとしては「リッチ」な1980円(税込)という、生活者の気持ちを掴んだ"絶妙な価格設定"が高く支持されたことが相互作用して総合大賞に輝きました。
今回、年間を通して生活者に大きな支持を得た「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」の人気の背景を更に深堀してみると、いくつかのことが見えてきました。
ユーザーアンケートで「ここ半年前と比べたときの変化として当てはまるもの」を聴取したところ、『「ストレス」を感じるようになった』と回答した人が全体の65.7%、『「漠然とした不安」を感じるようになった』と回答した人が全体の63%に上りました。
一方で、人生100年時代に突入し、長い人生でなるべくストレスのない生活を送りたいというウェルビーイングな考え方が生活者のなかに浸透してきていることから、自分をいたわる「ご自愛ごはん」のレシピや、自分へのご褒美として、スイーツや洋服、推しグッズを買うなどといった「ご自愛消費」の動きが多く見受けられるようになりました。
美容界隈でも「ご自愛」への関心は高く、@cosmeのクチコミでは「慈しむ」というワードの上昇率が昨年11月1日~10月31日との対比で約9倍、「ご褒美マスク」というワードの上昇率は2倍に伸長しています。またお伊勢さんの「お浄めスプレー」の人気によって「縁切り」というワードの上昇率も同期間で5.1倍となっており、悪いものとは縁を切って快い気持ちで過ごしたいという動きも「ご自愛」というマインドが背景にあると考えられます。生活に対するウェルビーイングな考え方が、この先も生活者のなかにより広まっていくであろうことを考えると、今後、支持されるコスメには「ご自愛発想」も重要になってきそうです。
今回、上半期新作ベストコスメと年間ベストコスメで総合大賞に輝いたアテニアの「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」にも「ご自愛」に応える特長が見られます。
今年、SNSを中心にお風呂やシャワーを面倒と感じてキャンセルする「風呂キャンセル界隈」がトレンドワードとなりました。
@cosmeのクチコミでも「ズボラ民」というワードの出現率が昨対1.4倍、3年前と比較すると5.1倍にまで増加しており、これらの現象も、『「風呂には毎晩入るべき」という暗黙の常識的行動ができないことも含めて自分を愛そう』といった自己肯定を大事する動きのひとつであるといえ、「自分にご自愛する」ことへの関心が集まっている理由として考えられそうです。また、アンケートでも『面倒な手間を解消してくれるアイテムに魅力を感じる』と回答した人が全体の57.9%、『スキンケアやメイクの中であなたが面倒だと感じるものがある』と回答した人が全体の82.8%に及んでいることからも「面倒界隈を救済してくれるアイテム」の需要が高まっていることがうかがえます。
アテニアの「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」は、通常ボトルに加えて、リピート用の「エコパック」がラインナップされています。
通常の詰め替えタイプなら元の容器に中身を移し替える"ひと手間"がかかりますが、アテニアのエコパックは通常ボトルで使用していたポンプをエコパックに差し変えるだけで使用出来る「詰め替え不要」のタイプとなっており、面倒の手間が省かれた仕様のエコパックにリピーターからの支持が集まっています。@cosme TOKYOでは「エコパック」の売上が昨年のリニューアル前の10月と比べて昨対で約2倍に伸長しており、クチコミでも「詰め替えだからエコだし、詰め替えもパウチごとはめるタイプだから手間もない」といったコメントもあることから、面倒な気持ちに寄り添うアイテムとして認知されていることがうかがえます。
ユーザーアンケートでも『化粧品でも、詰め替え用やエコパックは魅力的だが、移し替えが面倒だ・ストレスだと感じることがある。』と回答した人が全体の51.3%となっていることからも、「詰め替え不要」に対する生活者の潜在ニーズがみえており、今後も「詰め替え不要」アイテムはリピーター獲得に寄与していくかもしれません。
総合大賞のアテニアのクレンジングオイルは、全カテゴリの商品と比較して約2倍、同カテゴリの他アイテムと比較して6ポイント高い、リピート率約35%を誇る熱烈なファンの多い人気アイテムです。
生活者が本当に投資をしたいと思うものをシビアに見極め、消費の取捨選択を行う現状において、商品を長く支持してくれるリピーターの存在は今後ますます重要になっていくと考えられます。また、リピーターは商品の魅力を深く理解しているからこそ、細かな商品特長にも気づき、熱を持って発信して語ってくれることによって、新規ユーザーの獲得の一助にもなっていきそうです。
人気商品をアイテム別に表彰する「カテゴリ賞」のラインナップをみてみるとベストクレンジング・ベスト洗顔料・ベスト化粧水・ベスト乳液・ベスト美容液・ベストフェイスクリームというベーシックなスキンケアアイテムでは、6カテゴリ18商品のうち、17商品と9割以上が中価格帯中心の国産ブランドとなり、2024年上半期のベストコスメと同様の傾向となりました。
この背景には、引き続き物価高の影響があるようです。 2024年11月に実施した@cosmeユーザーを対象とした「化粧品に関するアンケート」(以下、ユーザーアンケート)で、「化粧品全般について、 ここ半年間の意識や行動の「変化」」を聴取したところ、「お金をかけるべきアイテムは何かを以前より考えるようになった」と回答した人が全体の64.5%にのぼりました。
さらに、スキンケアに「安心感」を求めるようになったという声も増加傾向にあることから、品質と価格のバランスが良く、失敗しにくい安心感のある選択肢として、生活者が中価格帯を中心とした国産ブランドを支持したといえそうです。
(参考)ベストコスメアワード2024上半期新作ベストコスメプレスリリース
ブースターは、化粧水の前に使用することでそのあとに使う化粧品の浸透をよくする、まだ比較的新しいカテゴリーのアイテムです。またシートマスクもここ数年でデイリーケアに取り入れられるようになったアイテムといえます。更に、韓国ブランドを中心に1枚入りの商品が豊富なこともあり、肌のコンディションによって取り入れる成分を変えてみたり、時には使用感やビジュアル面などで目先の変わったエンタメ性のある商品を使ってみたりなど、新しいトライをしやすいカテゴリでもあります。
これらのことから、基本のケアではシビアに価格分の価値を見極め、国産ブランドで手堅く守りのケアをしつつも、プラスワンアイテムでは韓国コスメで積極的に新しいブランドや攻めのケアを取り入れて、かしこくバランスを取る生活者の様子が垣間見えます。
今回のベストコスメのスキンケアカテゴリでもう一つ注目なのが、「国産敏感肌ブランド」です。スキンケアカテゴリ全体で3ブランド(dプログラム、キュレル、イハダ)5商品がランクイン。特にdプログラムは3商品が受賞しました。
前述のとおり、「スキンケアに安心感を求めるようになった」生活者が引き続き増加傾向であることが、敏感肌ブランドが支持された要因の一つといえるでしょう。
また、クチコミを分析してみると、「敏感混合肌」「脂性敏感肌」等、これまでよりも自身の肌状態をより細かに分類、理解していることがうかがえるワードの出現率が上昇していました。SNSの浸透などで生活者の美容リテラシーのベースが上がったことが、敏感肌ブランドへの注目を高めているともいえそうです。
さらに、肌が敏感になる原因として、「美容施術後」を挙げるクチコミも見られます。
美容医療は昨今ますます身近になってきていることから、今後は美容施術後の敏感肌対策としても敏感肌ブランドの注目が高まっていくかもしれません。
メイクアップカテゴリは「盛り耐性なし」というワードに代表されるように、これまでフォーカスが当たりにくかったニーズを現す言葉が多数生まれ、広がった1年となりました。
例えば、これまでであれば「メイクは盛るためのもの」であり、「盛ったメイクが似合わない」という生活者の声は埋もれてしまいがちでしたが、そのような個性を持つ生活者が自らを「盛り耐性なしタイプ」などと自称し、自分の個性にあったアイテムやメイク方法などを発信するようになったことでニーズが可視化され、新たなトレンドが生まれています。
今年トレンドとなり、クチコミにおけるワードの出現率が昨対なんと48.9倍にもなった「ミュートメイク」は、まさに「盛り耐性なしタイプ」の人が安心して取り入れられるメイク方法として話題となり、ミュートメイクで使いやすい「締め色のない淡めカラーのアイシャドウパレット」や「淡い色味のチーク」などが人気を集め、ベストコスメも受賞しました。
また、総合3位にランクインしたrom&nd「ハンオールブロウカラ」は「眉が濃い」という「じゃない方」のお悩みをもつ生活者からの支持が見られました。
その他、「ブルベなのに青みを吸収してしまう青み吸収族」、「〇〇苦手民」などの「じゃない方」を現すワードの出現率も増加しています。
一方、「盛り耐性あり」界隈を中心に「盛りメイク」シフトの兆しもありそうです。
クチコミをみてみると、数は少ないながらも「盛り」傾向のメイクを連想させる「平成」「海外メイク」といったワードの出現率がそれぞれ、昨対3.4倍、1.4倍と増加傾向にあります。
総合10位からみえるトレンド分析で今年は「打倒暑さ消費」の動きがあるとお伝えしましたが、ヘアケアカテゴリの受賞商品も「打倒暑さ消費」を感じるラインナップとなりました。
ベストヘアケアでは、3商品全てウォータータイプがランクインしました。これまではオイルタイプやミルクタイプが主流でしたが、より軽く、暑いときにもべたつきを感じさせない剤形としてウォータータイプが求められたのではないでしょうか。
また、ヘアスタイリングカテゴリでは、暑さによる自身の汗や、湿気によるスタイルの崩れを防いだり、さっとヘアスタイリングのお直しができるアイテムが選ばれました。
更に、頭皮ケアカテゴリでラインナップされた3商品はいずれも「爽快感を得られる」ことが評価されており、頭皮ケアの目的が、高温多湿化によって、これまでのような薄毛ケアやエイジングケアだけでなくなってきていることを感じさせます。
今年も引き続き、インフルエンサーやヘアメイクアップアーティスト、美容家の発信がコスメの人気に大きな影響を与えました。
中でも、クチコミにおいて「ヒョクくん」「ギュテさん」など、男性インフルエンサーの名前の出現率が増加したのが今年の特徴です。また、お笑いコンビのレインボーの池田さんが新ブランドを立ち上げたこともあり、「芸人さん」や「池田さん」といったワードの出現率も増加しました。
これらのワードが含まれるクチコミをみてみると、「同じ美容好きのひとり」「美容賢者のひとり」として、男性インフルエンサーの声をごく自然に参考にしている姿がうかがえ、美容のボーダレス化がまた一歩進んでいるといえそうです。
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株式会社アイスタイルは、「@cosmeトレンド予測部」が、売上動向やクチコミ、その他関連データからみえる意識変化と、美容プラットフォーマーとしての知⾒から今後の生活者インサイトや美容トレンドを予測する「2025上半期トレンド予測」を発表いたしました。
ここでは、今後トレンドとなり得る芽をご紹介しています。生活者に向き合うためのヒントとなりましたら幸いです。
「@cosmeベストコスメアワード2025上半期トレンド予測」は@cosmeベストコスメアワードの関連企画であり、@cosmeに投稿されたクチコミや@cosme STORE、@cosme TOKYO、@cosme OSAKAでの売り上げ等の分析、その他ユーザーアンケートなど関連情報からみえる生活者の意識変化と美容プラットフォーマーとしての知見から、今後の生活者インサイトや美容トレンドを予測するべく発足された「@cosmeトレンド予測部」が、2025年の上半期のトレンドをキーワード化したものです。
>>詳細は「@cosmeベストコスメアワード2024 受賞商品からみる傾向・データまとめ資料」にてまとめております
本コラムに関するプレスリリース
>>【プレスリリース第1弾】2024年話題のコスメを総括!総合大賞はアテニア「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」~続く物価高で消費の取捨選択進む!求められたのは「打倒暑さ消費」~
>>【プレスリリース第2弾】「@cosmeベストコスメアワード2024」12月5日発表 ~スキンケアは、国産で守り韓国で遊ぶ!!メイクアップはこれまで注目度が低かった『じゃない方』消費?!~
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