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コーセーも導入のSTAFF STARTは、コロナ禍でも店舗の売上を伸ばすオンライン接客

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販売スタッフが投稿した画像やテキストが、オンライン上での接客・販売となり、その売上の成果をも「見える化」するのが、株式会社バニッシュ・スタンダードが開発した「STAFF START」です。

美容業界では、いち早く株式会社コーセーが「メゾンコーセー(Maison KOSÉ)」で導入。またアイスタイルはバニッシュ・スタンダードと提携し、STAFF STARTの導入支援を開始しています。今回はその全容をご紹介します。

 ※2020年10月1日、テレビ東京『カンブリア宮殿』にて「売れない時代に売る極意!」と題してバニッシュ・スタンダード 代表取締役 小野里 寧晃様が登場しました。

STAFF STARTは、まずはアパレル業界で実績をあげてきました。アダストリアやベイクルーズなど大手アパレル企業を含む1,000を超えるブランドにすでに導入されており、約7万人の販売スタッフが利用しています(2020年8月末時点)。

ECサイトに組み込むこともでき、店舗の販売員がおすすめコーディネートをSTAFF START上に投稿し、その投稿を見たユーザーの方々がECで購入するという流れです。そのうえで、いつ、どのスタッフがどの商品を、どういったターゲットの方々に販売したのかといった数値が把握できる仕組みになっています。

つまり、店舗の販売員の方の投稿がきっかけとなってECから販売されるのですが、企業としてはその売上が「店舗なのか、ECにつくのか」という問題も常に出てきます。STAFF STARTを開発した株式会社バニッシュ・スタンダード 代表取締役 小野里寧晃様は、そもそもそのジレンマを解消する仕組みを作りたかったといいます。

 「店舗とECが相対するのではなく、店舗の販売スタッフがECの売上に貢献すれば、それが店舗の評価となり、同時にスタッフのやりがいや店舗の活性化につながるはずです」

すでにアパレル分野ではSTAFF STARTを経由することで、ひとりの店舗スタッフが投稿したコンテンツから、月間9,081万円を販売したケースも出てきているそうです。また、1つの投稿からの過去最高の売上は1,227万円。店舗での1接客と比較すると、大きな違いがわかります。

「コーディネート投稿そのものが、オンライン上での接客となり、効率よく売上をたてているブランドがいくつも出てきました」(小野里様)

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STAFF START経由で投稿されたコーディネート写真
出典:PAL CLOSET

コーディネートの投稿方法はとてもシンプルで、販売スタッフは、STAFF STARTのアプリでコーディネートを撮影し、それに商品情報を紐づけて所属する企業やブランドのECや自身のSNSなど投稿先メディアを選ぶといったプロセスで簡単に投稿が完了します。投稿先としては、そのほかにメルカリ、三井ショッピングパーク「&mall」などの外部プラットフォームとも連携し拡充を図っています。

また、STAFF START上にある販売スタッフの個人ページは、そのスタッフのInstagramアカウントとも連動しており、フォロワーが5万人を超えるスタッフも。フォロワーが1万人を超えると、出勤日がいつなのかをフォロワーから聞かれることも多くなり、顧客がリアル店舗に足を運ぶきっかけにもなるといいます。

加えて、STAFF STARTの管理画面上では個人のSNS経由での売上も可視化されます。いわば店舗外でそのスタッフがつくる売上として、インセンティブを連動させ、販売員のモチベーションをさらに押し上げる仕組みを導入している企業も出てきています。

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身長、トレンドワードのタグで検索して顧客はより自分に近い販売スタッフと出会うことができる
出典:PAL CLOSET

自粛による店舗休業中でも、昨年同月比でEC売上200%を達成

STAFF STARTで投稿したコーディネートなどを経由した流通総額は、サービスリリースから4周年を迎えた20199月~20208月で、882億円と大きく増加しました。

20204月は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて休業を余儀なくされた店舗も多かったのですが、販売スタッフがコーディネートを毎日投稿した結果、昨年同月比でEC売上200%を達成した企業もありました」(小野里様)

導入企業のEC売上全体に占めるSTAFF START経由での売上は平均46.7%。なかには90%に達しているブランドもあるそうです。

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管理画面では販売スタッフの売上やその詳細な内訳が可視化できる
提供:バニッシュ・スタンダード

「この数字からわかるのは、カタログのようなブランドの世界観を重視した外国人モデルのコーディネートやきれいに撮影された商品写真よりも、等身大のスタッフのコーディネートのほうが購買決定に大きく影響するということです。憧れよりも、実際の購買には好感度と共感が貢献していることがわかります」(小野里様)

また、STAFF STARTを導入したブランドの売上ランキングでは、地方店舗の販売スタッフが上位になることが多いといいます。その理由は、平日昼間、店舗の買い物客が少ない時間帯にコーディネートの撮影やページ作りにあてることができるからだそうです。店舗の場所や営業時間にしばられず、全国の顧客を相手にオンラインで接客・販売できるため、全国区で人気となる、いわば地方発「社内インフルエンサー」的な販売スタッフも誕生しているそうです。

「社内インフルエンサーが活躍するようになれば、ブランド側はそれまで外部インフルエンサーに依頼していた広告宣伝費を削減することもできます。販売した成果が評価にきちんと反映されるので販売スタッフのやりがいにもつながり、一般的に高いとされる販売スタッフの離職率の改善にも貢献することができるのです」(小野里様)

STAFF STARTは、消費者の行動や感情をリアルタイムで可視化するCRMツール「KARTE」とも連携しており、さらに顧客体験を高めながら、販売スタッフの働き方をより自由に、より効率的に変えています。販売スタッフを軸に、店舗とECの相乗効果で売上をつくる好循環を生みだしているわけです。

美容部員の働きがい創出の取り組みとして導入

このSTAFF STARTを2020年3月に、美容業界として先駆けて導入したのが、株式会社コーセーが運営する総合美容情報サイト「メゾンコーセー(Maison KOSÉ)」です。

実はコーセーでは、201911月に美容部員の呼称をビューティコンサルタント(以下BC)に変更し、BCの働きがいを創出する取り組みをスタートさせていました。その取り組みの一環として、BCの働きがいとユーザーに新たな価値観を提供することを目的に、STAFF STARTが導入されています。

株式会社コーセー 経営企画部 コーポレートコミュニケーション室 広報課 課長 岩﨑真吾様によれば、その背景にはこんな意図があったといいます。

「商品やブランドの豊富な知識を持ち、美容ライターやインフルエンサーよりも、ユーザーにとってより身近な存在であるBCが、店舗にとどまらず活躍できる場所を作りたいという思いがありました」

BCが投稿したスキンケアやメイクのコンテンツは、メゾンコーセーのトップページから「スタッフコンテンツ」にいくと一覧で表示されます。アイテムやブランドだけでなく、「年代」「肌質」「肌色」「まぶた」といった特徴から投稿を絞り込むことで、ユーザーは自分に近いBCの投稿を参考にすることができます。

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スタッフコンテンツページ
出典:メゾン・コーセー

202010月現在投稿を行っているのは、2019年の全国表彰でファイナリストとなったBCをはじめとした50数名。投稿内容については各BCに任されており、表現が法にふれていないかどうかだけを事前に確認するほかは、できるだけBCの生の声をそのまま届ける方針で運営されています。Web上でも、店頭で顧客と会話しているような表現や内容を心がけ、ユーザーとの「ちょうどよい」距離感を大事にしているそうです。

「人それぞれ得意不得意がありますので、強制はせずに自発性を大切にしています。プライバシーへの配慮から、基本的に、顔は出してもショップ名や個人名は明かさず、ニックネームでの投稿をしています」(岩崎様)

日本で新型コロナウイルス感染症が拡大した20203月から運用が始まりましたが、当時、自宅待機を余儀なくされていたBCからは「自宅にいながら情報発信できるのはうれしい」といった声がありました。また、ユーザーからも「自分でも簡単に取り入れられるテクニックを学ぶことができて参考になる」などの感想が寄せられているそうです。

「導入1年目はトライアルの年と捉え、投稿本数や売上目標などは設定せずに、社内外で認知をあげていくことを考えています。将来的には、投稿を多言語化して、海外の方にも見てもらえるようにする構想もあります」(岩崎様)

今後コーセーでは投稿するBCの数を増やしていく予定で、この取組みのなかでBCの新しい働きがいにつながっていくことが社内でも期待されているそうです。

BCの中から『自分もやってみたい』という人が出てきて、新しい働きがいやワークスタイル、キャリア開発につながっていくことを期待しています。社としても、インセンティブや、店頭の接客だけではない新しい評価基準など、BCのモチベーションを後押しできる方法も模索していければと考えています」(岩崎様)

アイスタイルとの業務提携で、美容ブランドへの導入促進

 こうした動きがあるなかで、アイスタイルは2020年7月1日、バニッシュ・スタンダードと美容ブランドへのSTAFF START導入の独占窓口として、業務提携を発表しました。美容領域のビジネスに知見をもつアイスタイルがSTAFF STARTの販売窓口となり、美容ブランドへのSTAFF START導入を円滑にし、実店舗で働く美容部員を軸としたECの活性、および店舗とECの融合をサポートするというものです。

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提供:アイスタイル

今後は、各ブランド様が、同社グループのECサイトである@cosme SHOPPINGへの同時投稿が可能になる予定です。さらに、将来的には@cosmeの商品データベース、Beauty ID(美容事業者が持つID)のデータベースとの連携もはかり、顧客と美容部員のオンライン上の活動を@cosmeプラットフォーム上のユーザーデータを可視化するマーケティングツール「ブランドオフィシャル」上ですべて可視化できるようにする計画も進行中です。

 また、ブランドオフィシャルとSTAFF STARTのデータベースを連携することで、どの美容部員の投稿がきっかけで購買に至ったのかのプロセスも含めて、一人ひとりのユーザーの動きの可視化が可能になります。

アイスタイルVice President 波多江祐介は、「ブランドオフィシャルは、潜在顧客がどのようにロイヤルカスタマーに遷移していくかのカスタマージャーニーを解像度高く可視化するツール。STAFF STARTとの連携によって、買うからスタートする顧客との関係性がどのように変化していくのかをブランドオフィシャルでみられるようになり、これまでとは違った視点から戦略策定に役立てることができます」と説明します。

アイスタイルでは同じく2020年7月に、あわせて「オンライン美容部員」の委託・育成サポート、総合的なソリューションを視野に入れた「オンライン美容部員プロジェクト」も発表しています。STAFF STARTをはじめとしたさまざまなツール上で活躍できるオンライン美容部員を、デジタルリテラシーからコンテンツ作成ノウハウなどさまざまな側面から支援していく予定です。

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