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コスメ関心ユーザーのターゲティングに特化したインターネット広告配信 @cosme運用型オーディエンス(@cosmeDSP)とは

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2022年11月、Supershipとアイスタイル共催によるウェビナー「@cosmeのユーザーデータを活用して配信! 運用型広告の魅力とセグメントTipsを紹介」が開催されました。「@cosme運用型オーディエンス(以下@cosmeDSP)」とはどんなものなのか、ウェビナーで語られたTipsとともにご紹介します。

@cosmeDSPはコスメ関心ユーザーのターゲティングに特化、Supershipとの協業で実現

 KDDIのオープン領域における事業推進を目的に設立されたスタートアップ共創体であるSupershipグループ。アイスタイルは同社にOEMを依頼し、@cosmeDSPのシステムを開発しました。DSP運用知見が豊富で、かつコスメ系案件の実績が多いSupershipと、コスメに関わる様々な広告サービスを展開し、多くの取引ブランドとの関係性コミュニケーション量が豊富なアイスタイルのシナジーを期待してのことです。

ウェビナーではまず、インターネット広告やDSPのなりたち、最近の関連トピックスがSupership株式会社 郡司俊正氏から語られました。 郡司氏はアドネットワークの広告主向け販売機能がDSP、媒体企業向け仕入機能がSSPであり、複数のDSP/SSPがリアルタイム入札(RTB)のルールでつながり、広告主は必要なオーディエンスだけに絞って効率的に広告配信ができること、媒体側は必要なときに必要な量の広告在庫を売買できることを紹介。

そして「2011年ごろから特定のページを見た人を追いかけまわすように広告を表示するリターゲティング広告から、自社の顧客データを利活用してより的確にユーザーの心を捕捉する施策を行おうという流れへと変化していった。さらに近年は自社だけでなく他社のデータを使ってよりターゲティングの精度を高めるデータエクスチェンジも登場してきている」と解説しました。

 アイスタイルでは、20~30代女性の過半数が毎月利用する国内最大級の美容情報サイトである@cosmeを軸に、その@cosmeのデータベースを活用し、ドラッグストアブランドから百貨店ブランドまで、流通チャネルの垣根を超え、取り扱いブランド数・取り扱い商品数、共に日本最大の化粧品専門ECへと成長した@cosme SHOPPING、@cosmeのデータを活用した化粧品専門店である@cosme STORE、その旗艦店である東京・原宿の@cosme TOKYOを展開しています。

 @cosmeDSPはこれらの@cosmeメディア、EC、実店舗から取得したデータを活用して広告配信できる、コスメ関心ユーザーのターゲティングに特化したDSPです。「かねてから@cosmeのユーザーデータを広告に使いたいという要望は多く寄せられていたが、弊社にはユーザーデータの取り扱いに厳格な社内ルールがある。それをいかにクリアするかが課題だった。@cosmeデータをDMPのような形で直接販売するのではなく、DSPにセグメントデータとして格納することで広告配信への最適化、かつ社内の合意も得ることができた」と株式会社アイスタイル 青井真也は説明します。

また、ブランド毀損や広告の透明性に配慮しながら、広告主の目的に応じた柔軟な配信が可能で、@cosme独自の配信面やSNSでの広告運用ノウハウがそのまま活かせることも強みです。

20221220_3@cosmeDSPによる広告配信のしくみ

@cosmeならではのコスメ関心ユーザーのさまざまなセグメントをかけあわせてターゲティングが可能

@cosmeDSPでは、@cosmeのどんなページを見たかといった閲覧履歴をはじめ、肌質、髪質などの会員登録情報、クチコミを投稿したり、ブランドのアカウントをフォローしたりといったサイト上でのアクション履歴、ECでのページ閲覧やカートイン/購入履歴、実店舗での購買履歴といったデータが@cosmeDSP独自のセグメントとしてラインナップされています。これらに、広告主のブランドの自社データや、Supershipが運営するDMP「Fortuna(フォーチュナ)」の性別や年齢のセグメントデータである「ScaleOutデモグラデータ」などのセグメントを掛け合わせて、より効果の高いターゲティングを行うことができます。

20221220_2@cosmeDSPのさまざまなセグメント

@cosmeDSP 活用のコツは

では、@cosmeDSPは具体的にどのような訴求で活用できるのでしょうか。@cosmeDSP セグメント選定ポイントを、Supership株式会社 河合麻利子氏が3つの20221220デル事例を通じ紹介しました。

百貨店ブランドの新作化粧水の認知施策

ひとつめは百貨店などで販売されるいわゆるデパコスの新作化粧水の認知施策です。 新商品特設サイトへの誘導を目的とした広告配信で、ペルソナは「20代後半のキャリアウーマンで経済的に余裕があり、デパコス好き」であるとします。

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この場合、「化粧水関連のページを閲覧しているユーザー」「購買チャネルが百貨店であるユーザー」「購入品のクチコミを投稿したことのあるユーザー」のセグメントをターゲティングすることで、どの化粧水を買おうか検討中のユーザーや、同じデパコスカテゴリの競合ブランドを使用するユーザーにアプローチができたり、クチコミによる波及効果を狙うことができます。「ご予算によってはもう少し幅を広げ、化粧水ではなくスキンケアカテゴリとすることで、さらに多くのユーザーに配信することも可能」と河合氏はいいます。

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②通販化粧品のサンプルプレゼント施策

ふたつめは通販などで販売されているクレンジングのサンプルプレゼント施策です。ペルソナは「30代中盤の子育て真っ最中の主婦で、隙間時間に@cosmeを見て、クチコミをチェックし、通販を中心にコスメを購入している」とします。

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この場合は「クレンジング関連のページを閲覧しているユーザー」「過去に@cosme内のプレゼントキャンペーンに応募し、当選したことのあるユーザー」「購入品以外のサンプルやプレゼントでもらったアイテムのクチコミを投稿したことのあるユーザー」のセグメントをターゲティングすることが考えられます。

サンプルプレゼント訴求にもマッチする、どのクレンジングを買おうか検討中のユーザーや、自ら積極的にプレゼントキャンペーンに応募する新しいもの好きなユーザー、サンプルをもらって終わりではなく、@cosmeにサンプルのクチコミを残してくれる可能性の高いユーザーへアプローチが可能です。

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③ドラッグストアで販売のベスコス受賞商品の認知獲得施策

3つめはドラッグストアなどで販売されている「@cosmeベストコスメアワード」を受賞した口紅の認知獲得をベスコスと同時期に行う施策です。@cosmeDSPでは一度の配信で複数のクリエイティブの入稿が可能で、クリエイティブごとに遷移先を変更することも可能です。この機能を利用して、@cosmeに来訪したことがないか、しばらく利用していないユーザーはベスコス特設ページやタイアップページへ、@cosmeを利用しており、ベスコス特設ページを見た可能性があるユーザーはECの@cosme SHOPPINHG へ遷移させるといったことができます。

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まだ認知の薄い可能性のあるユーザーは、まずはベスコス特設ページやタイアップページへ誘導して商品の良さを知ってもらい、その上で購入ページに誘導することで、より購買意欲を高めることが期待できます。すでに一定の商品認知を持っている可能性のある@cosmeユーザーは直接購入ページに効率的に遷移させます。

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「潜在層」「見込層」「顕在層」それぞれに適したクリエイティブフォーマットは

また、現在@cosmeDSPで使用できる動画、静止画のクリエイティブフォーマットの解説と、それらの「潜在層」「見込層」「顕在層」の3つのファネル別おすすめも河合氏から紹介されました。

動画フォーマットには現在3種類あり、美容やライフスタイルの各媒体が持つ視認性の高い動画用の広告枠で、KPIや予算にあわせて「インリード」「オーバーレイ」といった特定フォーマットの指定も可能な「アウトストリーム」、地上波見逃し配信のTVerなどに配信してテレビCMのようにユーザーへ広告メッセージを伝えられる「インストリーム」、アプリコンテンツで動画視聴完了時に視聴ユーザーに特典を付与するフォーマットで高い視聴完了率とCTRが期待できる「フルスクリーン」です。※インストリームは開発検討中のステータスで、有料のテスト配信のみ募集

また静止画フォーマットは2種類あり、美容やライフスタイル、エンタメ、携帯キャリアのニュース面などの媒体に配信でき、またメジャーなサイズでの入稿が可能なため、既存の画像素材を流用してすぐに配信がはじめられる「バナー」と、掲載面のトーンやマナーに合わせた画像とテキストによって広告を生成し、掲出先ページに溶け込んだ自然な形での訴求が可能な「インフィード」です。

河合氏は、「認知拡大を目的とした潜在層への配信は動画をメインに、商品理解をうながす見込層への配信では静止画を中心に、販売促進のための顕在層へのアプローチでは、静止画に加えフルスクリーンなどの配信手法が効果的。またこのほかにInstagramなどへのデータ連携も可能で、様々なデータと各種フォーマットを掛け合わせることで、目的や指標に応じた柔軟な運用ができる」と@cosmeDSPの魅力を強調しました。

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cookieレス以降も使えるのか? 視聴者からの質問に答えるQ&Aセッション

今回のウェビナーでは事前に募集した参加者からの質問に登壇者が回答しました。その内容をご紹介します。

Q: @cosmeDSPの各セグメントのボリューム感を知りたい

A: 河合氏「@cosmeで一番広いセグメントは『3カ月来訪ユーザー』という、3カ月以内に@cosmeのいずれかのページに来訪したユーザーのセグメントとなります。同セグメントでは月間およそ800万円ほどの配信が可能です。そのほかにも『化粧水(関連ページを閲覧している)』(約110万円)、『クチコミ(を投稿したことがある)』(約20万円)、『プレゼント(キャンペーンに応募して当選したことがある)』(約30万円)といったセグメントがあり、例えば『化粧水』と『クチコミ』を組み合わせるなど、複数のセグメントを組み合わせて配信いただくことがおすすめの形です」※こちらは一例となり、諸条件により変動します。詳細はお問い合わせくださいませ

Q: 競合/自社ターゲティングはできるか?

A: 青井「自社ブランド、競合ブランドともに、アイスタイルの別サービス「ブランドオフィシャル」を利用していれば可能です。また競合ブランド指定に関しては、アイスタイルが事前に作成したブランドリストの中から選んでいただく形となります」

Q: cookieレス以降の@cosmeDSPはどうなるか?

A: 郡司氏「Googleによる、ChromeブラウザでのサードパーティーCookieのサポート廃止が2024年の後半まで再延期されましたが、@cosmeDSPのような共通IDのDSPですと、Cookieレスに耐えうる、Cookieレスでも発信できるデータの取り扱い方がご案内できる場合もあります。またSupershipではキャリアデータを活用したCookieレスで高精度なターゲティングを実現する『Hyper ID』というCookieレス以降も使えるターゲティング技術もリリースさせていただいています。今後に向けて、いろいろ施策を検討していければという流れだと思います」

>>@cosme運用型オーディエンス(@cosmeDSP)に関するお問い合わせはこちら

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