COLUMN

トレンドコラム

デジタル時代のリアルの重要性、中国の生活者の要望から生まれた日本ブランドのポップアップイベント

デジタル時代のリアルの重要性、中国の生活者の要望から生まれた日本ブランドのポップアップイベント サムネイル画像

アイスタイルグループの中国拠点、アイスタイルチャイナ(以下ISCN)では、上海など中国現地のショッピングモールで日本ブランドのポップアップイベントを定期的に開催しています。中国におけるテストマーケティングや、認知度向上に活用できる同イベント事業について、2021年9月の中秋節の実施を例にくわしくご紹介します。

中国現地でオフラインイベントを多数手掛けてきたISCN

150万超のフォロワー数(2021年9月現在)を有し、Tmall Globalの中でも日本のコスメファンに人気のEC店舗、@cosme海外旗艦店。その利用者からの「アイテムを実際に手に取って見てみたい」という声をうけて、ISCNは中国の上海や広州等で2017年からポップアップイベントを開催しています。

@cosme SUMMER POP-UP 2019 夏日祭(2019年9月上海)

デジタル全盛の時代においても、中国の生活者は日本の生活者と同様に購入の決め手としてリアルでの体験を重視しています。また海外ブランドの購入に際し「ブランド本国で売られているものと本当に同じものなのか不安。実際に確認して安心したい」という中国の生活者ならではインサイトもあります。

いっぽう日本ブランドにとっては、中国に進出してもECで販売しているだけではなかなか商品の良さが認知されず、売り上げが伸びにくいという課題がありました。

「もっと認知度を上げたい」「テストマーケティングをしたい」「オンラインの会員数を増やしたい」「常設のオフライン店舗に送客したい」など、ブランドがISCNのポップアップイベントに出店される目的はさまざまです。これらの目的を達成できるよう、ISCNでは複数ブランド合同出店することによる集客効果の一方で、中国における様々なオフラインイベント開催のノウハウを武器に、それぞれのブランドらしさを表現できる施策で顧客体験を向上させ、結果を出しています。

ポップアップ会場では、@cosmeのベストコスメアワード(以下ベスコス)受賞商品の展示・体験コーナー@cosme海外旗艦店の人気定番商品を紹介するコーナーと、ブランド専属宣伝ブース、展示棚を設けています。中国の生活者にとっては毎回約30ほどの日本ブランドの商品を一度に体験できる場として、日本ブランドにとっては、1ブランド単独開催のポップアップより出店コストを抑えられ、集客も見込めるプロモーションの場として好評を得ています。

参加ブランドからは、出展が簡単なのも魅力のひとつといわれます。ブランドロゴと商品情報などのデータを事前に共有するだけでよく、人通りの多いショッピングモールといった開催場所の選定や、会場の空間デザインや設営、そして当日の運営まですべてISCN側で行います。

来場者対応は、ISCN側で事前に実施したブランド勉強会にてトレーニングを受けた美容部員(BAが行います。開催終了後は、来場者数やその反応、SNSでの拡散状況などの実績レポートもブランド側に共有されます。「例えばフレグランス商品など、その場で中国の生活者の嗜好を確かめることができる。あるブランドで複数のアイテムを出展したところ、主力だと思っていたアイテムではない別の商品に興味を持つ人が実は多くいることがわかった。オフラインイベントでは、オンライン販売だけではわからないことも見えてくる」と董事兼副総経理の洪明蘭はいいます。

また、ブランド側はプロモーション目的に応じて、配布サンプルを用意したり、専属の美容部員や担当者が入店して高度なタッチアップサービスを行うなどの施策もポップアップ内で行うことができます。

KOLを誘致しSNS施策も兼ねた10回目のポップアップイベント

2021年9月19〜21日の中秋節三連休に行ったISCN10回目のポップアップイベントは、上海随一の観光エリアである外灘に同7月にオープンした話題のショッピングモール「北外灘来福士(Raffles City The Bund, 以下ラッフルズシティ)」で開催しました。

ラッフルズシティで最も人気のある90年代の上海下町をイメージしたグルメ街「城市集市」の正面に位置するB2階中庭のイベントスペースに、「日本の夏祭り」をモチーフにしたイベント会場を設置。浴衣無料レンタルやくじ引き、絵馬掛けコーナー、占いコーナーなどで雰囲気を盛り上げながら、@cosmeベスコス受賞商品や広告協賛ブランドの商品プロモーションを行いました。

20211029_ISCN_01

「日本の夏祭り」をモチーフにしたポップアップ会場

20211029_ISCN_02

20211029_ISCN_11

会場周辺は3日間で約2万人の人の往来があり、約3,200人がポップアップ会場に来場しました。

ブランド側の参加理由としては、すでに一定の知名度を持つSENKAとTSUBAKIや、メラノCC、ロートCキューブを出店したロート製薬は、当日できるだけ多くの参加者の目に触れ、手に取ってもらうというリーチ数の確保でした。特にロート製薬は、毎回継続してご参加くださっている1社で、今回はメラノCCのリニューアルタイミングでの出展となりました。

20211029_ISCN_04

20211029_ISCN_05

キスミーは、新商品と限定品のプロモーションを強化する目的で参加されました。今回は、ポップアップ会場から、隣接する人気化粧品小売チェーン THE COLORISTの同ブランド常設棚までをカーペットでつなぎ、BAが一緒に歩いて案内するなどして来場者を誘導、THE COLORIST側でもキスミー製品2個購入でプレゼント進呈の連動施策を行いました

カバーマークはブランドの美容部員によるタッチアップサービスを実施し、割引クーポンを配布して百貨店の自社カウンターへ誘導、フレグランスのフィッツは香りを試せるテスターを設置したほか、Tmallに開設したばかりのブランド旗艦店をPR、QRコードで送客しました。

20211029_ISCN_06

ヘアケアのクレージュは、SNSのブランド公式アカウントへの会員登録と引き換えにサンプルの配布を行いました。また、ベスコス受賞アイテムで参加したカネボウは、日本でのベスコス受賞の情報を活用し、今後中国での販売を強化していきたいといいます。

そのほか会場にはKOL38人を誘致し、会場のあちこちに用意したフォトジェニックなスポットで撮影した写真や動画をREDなどSNSへ投稿してもらう施策も行い、投稿された記事の総閲覧数は38万にのぼりました。またISCNでも@cosme 公式SNS(WeiboWechat、Red)のフォロワー約120万人に向けて情報を拡散、41万PVの閲覧数を得ました。人気写真加工アプリ「Meitu(美図秀秀)」内での広告配信や、中国国内の主要な女性メディア20媒体への露出もあわせると、オンライン露出は3,000万以上となりました。

20211029_ISCN_11.p来場したKOLによるSNS投稿

12月1カ月間開催予定。次回ポップアップ「ベスコス&クリスマス」

ISCNでは、今後も年4回ポップアップイベントを開催予定で、次回は12月の1カ月間「ベスコス&クリスマス」を上海市静安区の人気ショッピングモールJing An Kerry Centreで開催予定です。150平方メートルの会場に、@cosmeベストコスメアワード2021上半期新作ベストコスメ、@cosmeベストコスメアワード2020、ベストコスメアワード殿堂入りの商品や関連商品を一同に集め、来場者にとって、1年を締めくくるコスメの祭典として盛り上げる計画です。

>>お申込みに関するお問い合わせやご興味がございましたらこちらからご連絡ください

ISCNポップアップイベント「ベスコス&クリスマス」開催概要

期間:2021年12月1〜30日
場所:上海市静安区 静安嘉里中心(Jing An Kerry Centre)地下1階
期間中の来場見込み数:1万5,000人
出展料: 1ブランド100万円(1SKU)から

<会場イメージ>

20211029_ISCN_07

20211029_ISCN_12

20211029_ISCN_08

>>アイスタイルの中国事業支援に関する概要はこちら

CTAテスト画像
CTAテスト画像
  1. 前の記事

  2. 次の記事

トレンドコラム一覧へ戻る