2022年10月12日に開催したウェビナー「これからの生活者とブランドが出会う『顧客体験の創り方』について」の第2部にご登壇いただいた花王株式会社 DX戦略推進センター ECビジネス推進部 三澤拓哉様のお話の中から、「カネボウ ヴェイル オブ デイ」の@cosme活用事例や、リアルとデジタルを組み合わせた顧客体験の創り方を紹介いたします。
花王株式会社
DX戦略推進センター ECビジネス推進部
三澤拓哉様
SPF50・PA+++の高い紫外線カット効果がありながら、みずみずしいテクスチャーで肌を乾燥と紫外線から守るUV美容液「カネボウ ヴェイル オブ デイ」は、2022年3月の発売以来、計画を大きく上回る大ヒット商品となり、「@cosmeベストコスメアワード 2022 日焼け止め部門 上半期新作」で第1位を獲得するなど話題を集めています。
「2022年3月の一般発売に先駆けて、@cosme SHOPPINGと@cosme TOKYOで先行発売を行いました。期間中、@cosmeオンライン体験会や『教えて美容部員さん ライブショッピング』も実施して話題化を行い、目標売上を大きく上回ることができました。施策後も、ブランドオフィシャルを活用した情報提供を継続し、購入者へのアフターフォローを丁寧に行うことで、リピート率も高くなっています。とくに、ベスコス受賞後に自然露出が増えたことによる売上増も顕著に見られました」(三澤様)
カネボウ ヴェイル オブ デイを紹介した@cosmeオンライン体験会のアーカイブ動画
カネボウ ヴェイル オブ デイを紹介した「教えて美容部員さん ライブショッピング」のアーカイブ動画
「カネボウ ヴェイル オブ デイ」の話題化に向けて、@cosmeを活用する上で会社として意識した点や、@cosmeのプラットフォームに対して感じている魅力などについて詳しくお伺いしました。
メディア、EC、店舗という3つのチャネルを持つ@cosmeの魅力は、「認知→興味・関心→購入→使用→拡散という一連のファネル各所で、ユーザーと接点を持つことができる点だ」と三澤様はおっしゃいます。
「一気通貫でいろいろな施策が試せますし、その効果検証がしやすい点も、メーカーにとってはありがたいです。よい商品であれば、生活者視点での忖度ない健全な競争に勝ち抜くことができ、ベスコス受賞や@cosme SHOPPING、@cosme STOREでのランキング露出につながります。それによって自然露出が拡大すると、新規・リピーターを継続的に獲得でき、商品がロングセラー化するという好循環をつくることができます。誕生して間もないブランドでも、スターアイテムを決めてマーケティングを集中させ、商品がきちんと評価されれば、認知度を高めて、ブランドの総合力も強化できるプラットフォームであると捉えています」(三澤様)
@cosmeのような複数のチャネルにまたがる施策を実施する際、社内で関わる部署が増え、調整が難しいという話もよく聞きますが、花王様ではどのように体制づくりを行っているのでしょうか。
「花王でもブランドによって温度差はありますが、ブランド担当者・販売・営業が一体となり、共通のビジョンをもって連携することがとても大切です。ブランドの世界観とKPIの両立も難しいとよく言われますが、こだわりすぎるとどちらかが壁になってしまうので、施策の目的をどこに置くかをチーム内でしっかり擦り合わせることが大事だと思います。実際、@cosmeで施策を行うと、副産物的に社内でその体制をつくることができる、という点はメリットのひとつかもしれません」(三澤様)
パンデミックでデジタル化が進んだことで、デジタル領域での顧客体験の創出が急務となりました。花王様では、リアル✕デジタルによる顧客体験をどのように捉え、創造されているのでしょうか。
「来店時だけではなく、顧客とのデジタル接点が増えたことで、そこで発生する行動データを活用したサポートが求められています。以前よりもやるべきことは確実に増えていますが、ブランド視点でみると、『競合に勝てるチャンスが増えた』と捉えることもできます。重要なのは、各接点でユーザーの状況を理解し、最適な体験とはなにか?を突き詰めて提供していくことに尽きます。点での勝負の足し算と質の改善を地道に積み重ねていくことで、リアル・デジタルを問わないよい顧客体験がうまれ、その結果がOMOにつながっていくと考えています。デジタルで合理化するメリットはありますが、スマホやタブレットの画面上では表現・提供できないものあります。各ブランドの強みをわかったうえで、戦略的にデジタルとリアルを使い分けていくことが大切だと考えています」(三澤様)
Text:カレイドスタイル