@cosme編集長・篠田による定期連載。ユーザーの姿を通して気づいたこと、そしてちょっと先の未来のことなどについて独自の目線で語ります。Vol.4のテーマはafterコロナでの新しい「美容」のカタチについて。
この連載もあっという間に4回目。@cosme編集長である私が普段何を考えているのかを自由に発信させてもらっている(読んでくださっているみなさまありがとうございます)。
日々いろいろ考えているけれど、同じテーマについて「うんうん」と脳みそを唸らせることもあれば、急に新しいトピックにアンテナがピンと張ることもある。そこで、毎週更新なのをいいことに、1週間で気になった出来事をいくつかピックアップしてお伝えしていこうと思う。
先日発表された第78回ゴールデングローブ賞。ドラマ部門の作品賞に選ばれたのが『ノマドランド(原題:Nomadland)』 。この映画の監督を務めたクロエ・ジャオ(Chloé Zhao)は、アジア系女性として初めて映画部門での監督賞を受賞した。
私が今、美しいと思っている人のひとりがクロエ・ジャオだ。ほぼすっぴんで黒いロングヘア。シンプルなファッション。かっこいいし、人としての美しさを感じる。
彼女が監督した映画『ザ・ライダー(原題:THE RIDER)』は、そんな彼女の美意識が反映されているように美しいシーンの連続だった。クロエ・ジャオは、メイクをする・しない以前の「人としての美しさ」を改めて考えさせてくれる存在だ。
コロナ禍において「メイクは必要最低限でいい」というクチコミが増えた。そして、ユーザーたちはメイクをしていなくても「美」は存在するということに気づき始めている(もちろんメイクを楽しんでいるユーザーも多くいる!)。@cosmeでも「美容」は人にとってどんな意味を持つのかを絶賛再考している段階にある。きっと「美容」という概念が拡張されて、ウエルネスやセルフケアという方向へ進んでいくことは間違いない。
3月3日(水)に@cosmeのポッドキャスト『BEATY TALK』をスタートした。美にまつわるプロフェッショナルな方々をゲストにお迎えし、@cosme編集長である私と美にまつわるあれやこれやを話すという内容だ。音声だからこそ伝えられることがある。ヴィジュアルを通じて、アイテムの説明やHow toを伝えることとは異なり、その人のマインドや本当に思っていることを導きやすいのが音声コンテンツのいいところ。
第一回目のゲストは、ヘアメイクアップアーティストの長井かおりさん。「マスクなどいろいろ制約があるなかで、どうやって自分をいい感じにもっていくか」などのお話をしてくれている。そして、「美容はセルフケアに近い」という話にも展開していった。ポッドキャストは、今後消費者へ「美容」をどう伝えていくかのヒントになったらいいな、とも思っている。ぜひ聞いてみていただけるとうれしい。
※『BEATY TALK by @cosme』主な配信プラットフォーム
・Anchor
・Spotify
・Apple Podcasts
・Google Podcasts
@cosmeでは、2か月ごとに特集を公開している。3月・4月のテーマは「春。美容は出会いだ。」。@cosmeには30万点以上のアイテムが登録されており、そのすべてと出会うのはなかなか難しい。@cosmeとしても、どうやったらユーザーにより多くのアイテムを知ってもらえるかを試行錯誤している。
たったひとりのユーザーが「あーこういうの知りたかった!」と感じてもらえたら最高だ。トレンドだから、SNSで話題になったから、という理由だけではなく、たったひとりのユーザーの感度に触れるような出会いを創出していきたい。テキストや動画のコンテンツだけではなく、サンプルのプレゼントやストアでの特集に沿った棚の展開などもその機会のひとつ。
あらゆる偶然が重なって何かと出会う、というのは人生と同じだなとも思う。出会いがその人の人生を作っている。@cosmeは美容のプラットフォームとして、ユーザーが「!」となる体験の創出を今後も推し進めていく。
この連載に対するご意見・ご感想などぜひお聞かせください。より良い美容業界のためにみなさまと対話していけたらと思っております。
写真・文/篠田慶子
profile
篠田慶子(しのだ けいこ)
@cosme編集長。東京都生まれ。大学卒業後、ファッション誌でスタイリスト・編集者を経験。その後、フリーペーパーの編集者を経て、株式会社メディアジーンにてcafeglobe編集長、GLITTY編集長を経て、2017年10月に独立し、現職に至る。Pinterestのフォロワー数は26万人を超える。