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2020年度ビューティトレンド総まとめ③<2021年のビューティを占う編>

作成者: @cosme for BUSINESS編集部|Dec 23, 2020 1:11:53 AM

アイスタイルには、「日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme(アットコスメ)」の膨大なデータ群を分析し、マーケティングに活用する「リサーチチーム」があります。1500万件を超える膨大なクチコミはもちろん、アクセスデータや意識調査やインタビューを通して、消費者に触れ続けているリサーチチーム。そんな彼らの知見をご紹介します。今回のテーマは、「2020年度ビューティトレンド総まとめ③ <2021年のビューティを占う 編>>」です!

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去る12月1日、アイスタイルは2020年、生活者に支持されたコスメを総括する「@cosmeベストコスメアワード2020」を発表いたしました。実際に商品を使用したメンバーから、この1年間に@cosmeに寄せられたクチコミ投稿をベースに、今、生活者が支持している商品をランキング形式で表彰するアワードです。

サービス開設当初より毎年発表しており、@cosmeならではの生活者視点に立った受賞ラインナップが、化粧品業界及び美容業界からもご注目いただいています。

受賞ラインナップから見えてくる今年のトレンドやいまの生活者の気持ちについて3回に分けてご紹介したいと思います。

第1回: 全体傾向
生活者の気持ちをつかんだ3つのポイント

第2回:総合上位10商品すべてにコロナの影響
スキンケア追い風/ベースメイクはノーカラー化

第3回:2021年のビューティを占う
「自分軸」での商品選択

第3回目となる今回は「2021年のビューティを占う 編」ということで、【来年よりその傾向が強まっていくだろう】と思われる事柄についてご紹介させていただきます。
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マスクもメイクの一部に!

2020年は、マスク生活が余儀なくされた1年でしたが、ビューティにおいても、マスクは大きな影響を及ぼしました。

@cosmeのクチコミにおけるワードの出現率も今年は例年の約4倍に伸長しています。

実はあまり知られていないかもしれませんが、@cosmeベストコスメアワードには日用品カテゴリーもあり、アラクスのPITTA MASKがベスト日用品2位にランクインしています。

マスクの素材が化粧用コットンと同じであり、肌荒れがしにくい、また、その豊富なカラーバリエーションと形から、「小顔に見える」「ファッション感覚で使い分ける」といった評価が寄せられており、@cosmeならではのマスクの選択だと感じます。

また、12月15日にはカネボウ化粧品のケイトから、美しい小顔印象を造る「小顔シルエットマスク」が限定発売され話題を呼んでいます。

スキンカラー発想の肌映え4色とともに、メイク×マスクの提案も行っており、2021年は、マスクもメイクの一部となり、もっと楽しめる存在になっているのではないか。そんな期待が寄せられます。

肌荒れレスキュー!シカで鎮静

とはいうものの、多くの人がマスク生活で、「肌荒れ」を感じた1年でした。

2020年5月と10月に@cosmeユーザーに対し実施したユーザーアンケートの結果、

「マスクによる肌荒れが気になるようになった」という回答は、5月に比べ10月で約10ポイント増加しており、未だ解決されない悩みと言えるでしょう。

そうした中で、マスクによる肌荒れのレスキューアイテムが注目を集めています。

ベストシートマスク・パック3位のメディヒール「ティーツリーケアソリューションアンプルマスクJEX」は「肌のゆらぎを鎮静してくれる」ことが評価されてランクインしました。

また、韓国では「肌再生クリーム」などと呼ばれている「シカクリーム」というアイテムが、肌の損傷改善や再生効果が期待されて人気を伸ばしています。Dr.Jart+ 「シカペア クリーム」は下半期フェイスクリーム新人賞を受賞しています。

@cosmeの小売り店舗、@cosmeTOKYOでは、シカクリーム系商品の売上が、緊急事態宣言前後で14倍に増加するほどの人気となっています。

これらのレスキューアイテムに共通するワードが「鎮静」です。荒れてしまった肌、ひいでは高ぶった心を「鎮静」させ、落ち着かせてくれるものが今求めれているのではないでしょうか。

自分の身は自分で守る!バリア&免疫

マスク以外にも、外部要因から身を守る、自分の持つ力を高めることを訴求した商品が複数ランクインしました。

いくつかご紹介します。

  • ベストフェイスクリーム・ジェル1位「KANEBOカネボウ フレッシュ デイ クリーム」

『紫外線、乾いた空気など日中の外的刺激から肌をきちんと守ります』

→日中に特化したクリームが1位にランクインするのはこれまでにない傾向です。

  • ベスト日焼け止め1位「&be(アンドビー)UVミルク」

『日焼けダメージや環境ストレスによる肌荒れ・乾燥を防ぐ植物エキスを潤沢に配合』

→これまで昨年1位を受賞した「アネッサ  パーフェクトUV スキンケアミルク」のようないわゆる日焼け止め効果の高さを想起させる商品が1位の常連でしたが、今年は環境ストレスを謳った商品となりました。

  • 総合大賞「ランコム ジェニフィック アドバンスト N」

『誰もが生まれ持つ美肌菌は、バリア機能をサポートし、肌の自己回復を保つ重要な役割を果たす』

→そして今年最も支持された商品が、バリア機能をサポートする美容液なのです。

このように商品数も増え、生活者にも「環境が肌に影響を与えるという考え」は浸透していますが、いったいいつから受け入れられるようになったのでしょうか?

@cosmeのクチコミで「大気汚染」というワードの出現傾向を調べてみると、初めて出現したのが2004年。そのあと2011年と2014年で伸長がみられています。

それぞれ東日本大震災と中国でのPM2.5が問題となった年にあたります。外部環境で大きな変化が起きた年には、クチコミにもその様子が顕著に表れるということがお分かりいただけるかと思います。

今年は、「ウイルス」という言葉が大きく伸びました。

また、テレワークやおうち時間が増えたことでスマホの接触時間が増えたことにより「ブルーライトカット効果」の伸びにも注目しています。

人に会えない今だからこそ 自分のために楽しもう! ~メイク編

最後にお伝えしたいことが、今年この非常事態下において、「美容は誰のためのものなのか」、「誰のためにキレイになるのか」、というまさにビューティの根本の見直しが起きた、ということです。

 

ユーザーアンケートの結果においても、「今後は、身だしなみやマナーのためではなく、自分のためにメイクをするようになりそう」という回答は、今年の5月と10月を比較すると増加しており、この意識はさらに高まると思われます。

今年苦戦を強いられたメイクアップアイテムの中で、ベストコスメアワード総合10位以内にアイライナー2商品がランクインしているのですが、その商品がなぜ支持されたのか。上記理由ともつながる点があると考えています。(総合7位 「キャンメイク クリーミータッチライナー」、総合9位「msh(エム・エス・エイチ) ラブ・ライナー リキッドアイライナーR3」)

2商品に共通しているのが「淡い色味」です。アイライナーはブラックやブラウンなど、ある程度濃いハッキリした色で目もとを〆るために使われることが多いのですが、この2商品のクチコミでは、ともすると「塗っているのかいないのか分からないくらいの色味」と言われるほどの淡いカラーリングが評価されています。

塗っているのか分からないなら、塗らなければいいとも思うのですが、その微妙なニュアンスがおしゃれで、他にはない色であり、抜け感があると評価されています。傍目からは分からないほどのこの微妙な色味を楽しむこと、これこそ、人に会う機会が減り、人の目から解放されたからこそできたことと言えるのではないでしょうか。

人に会えない今だからこそ 自分のために楽しもう! ~フレグランス編

また、フレグランスでも同様の傾向はみられています。

ユーザーアンケートで、香水・フレグランスは「自分が楽しむものだと思うか」「他者へのアピールや印象づけのためだと思うか」を尋ねたところ、「自分が楽しむためのもの」であるという回答が7割を超えました。

香りは「香害」とも言われることがあるように、知らず知らずのうちに周囲に不快感を与えている可能性もあることから、「自分の好き」だけで選択するのが難しいアイテムのひとつです。

しかし、ベストコスメ受賞商品を見ると今年は「自分軸」で選択をしている様子が垣間見られます。

例えば、2019年のベスト香水1位は「ディオールミス ディオール ヘア ミスト」、ベストハンドクリーム1位は「ロクシタン シア ハンドクリーム」とどちらも、ほのかな香りが人気な商品が受賞していたのに対し、

今年のベスト香水1位は「ロジェ・ガレ エクストレド コロン テ ファンタジー」、ベストハンドクリーム1位は「Aesop(イソップ) レスレクション ハンドバーム」と、まさに香りを楽しむ商品が受賞しました。

メイク同様、香りに関しても人に会えない今だからこそ 自分のために楽しもう!

そんな気持ちが窺えます。

おわりに

2021年、まだまだ大変な状況が続くことが予想されます。外に出る時は今まで以上に周囲へ気を遣う生活となるでしょう。外部から自身を守るものと家の中で楽しむもの。どちらも「自分」という共通のキーワードで繋がっていると考えています。

美容を通じて人々の心が安定し・豊かになり、ひいてはその消費行動が経済の安定へと結びつくことを切に願います。