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香港ではヘアケア製品が総合大賞に。台湾・香港の@cosmeベストコスメアワード2023上半期新作ベストコスメ

作成者: @cosme for BUSINESS編集部|Jun 19, 2023 6:02:11 AM

20236月8日、台湾と香港の@cosmeも「@cosmeベストコスメアワード2023上半期新作ベストコスメ」を発表しました。日本と同様に2022年秋から2023年春にかけて発売された新商品の中から選ばれたそれぞれの受賞アイテムと、それらから見える台湾と香港のトレンドを紹介します。メンバー参加型イベントについても、写真付きでお届けいたします。

「植物由来スキンケア」「保湿・うるおい効果」「うるおい感のある軽やかなベースメイク」がキーワード。台湾の@cosme 2023上半期新作ベストコスメ

台湾の@cosmeベストコスメアワード2023上半期新作ベストコスメ キービジュアル

台湾の@cosmeベストコスメアワード2023上半期新作ベストコスメは、台湾の@cosmeに投稿された19,352件のクチコミや、市場全体の関心を評価する独自のアルゴリズムにより、19カテゴリで新秀賞(ベストコスメ)のアイテムを選出しました。またこのうち2アイテムが日本の@cosme2023上半期新作ベスコスと同時受賞となりました。

台湾の総合大賞は美容オイル部門のDR.WU「スクワランエクス ローズヒップオイルセラム」でした。2022年に殿堂入りした「エイジバーサル リペア オイルセラム」の技術をもとに、フランス産スクワラン、ローズヒップオイル、アルガンオイルなど植物由来のオイル成分を多数配合しているにも関わらず、べたつかずに浸透性の高いテクスチャーが支持されました。

台湾の総合大賞 DR.WU「スクワランエクス ローズヒップオイルセラム」

そのほかの部門別新秀賞は美容液部門がフランスのドクターズコスメ、ダルファンのエッセンシャルオイル配合の美容液「金緻再生奢光露(日本未発売)」、アイセラム部門が、希少な黒ミツバチの蜂蜜由来成分を配合したErwachen(醒寤)の「黑蜂蜜玫瑰激光煥采眼部精粹(日本未発売)」、 ボディケア部門は、オイル配合の体用美容液でアロマによるリラックス効果も人気のauscentic (奧森青)の「護膚蜜 BODY SERUM(日本未発売)」でした。これらのアイテムの共通点は高品質の植物由来成分を主成分としていることで、生活者がナチュラルかつ効果の高い商品を求めていることが伺えます。また、DR.WUErwachenauscenticは台湾発のブランドでした。

高品質の植物由来成分を主成分とした受賞商品

化粧水部門、乳液部門では、肌に素早く浸透し、うるおって弾力のある肌になると支持を得たエリクシールの「リフトモイスト ローション SP Ⅱ」「リフトモイスト エマルジョン SP Ⅱ」が受賞。 またマスク部門は台湾ブランドTimeless Truth Mask 提提研(TTM)の、独自成分Hydro-Oat™を配合した「浸潤補水黑面膜(日本未発売)」が受賞しました。

保湿効果が支持された受賞商品

ファンデーションのカテゴリーは生活者の注目度が上昇していることから4つの部門を設定。化粧下地部門はゲランの「パリュール ゴールド 24K プライマー」、リキッドファンデーション部門はメイベリン ニューヨークの「フィットミー リキッド ファンデーション D N」、パウダーファンデーション部門はメイクアップフォーエバーの「HDスキン マットベルベットコンパクト」、クッションファンデーション部門はクレ・ド・ポー ボーテの「タンクッションエクラ ルミヌ」がそれぞれ受賞しました。いずれもカバー力、持続性、密着性に加えて、肌のうるおいやツヤ感、軽い付け心地が人気の商品で、このトレンドは2022年から継続しています。

生活者の注目度が上昇しているファンデーションのカテゴリーの受賞商品

メイクアップフォーエバーの「HDスキン マットベルベットコンパクト」とクレ・ド・ポー ボーテの「タンクッションエクラ ルミヌ」は日本の@cosme2023上半期新作ベスコスと同時受賞となりました。しかし日本では、コロナ禍のマスク生活で増えた、化粧下地や日焼け止め、フェイスパウダーだけでベースメイクを仕上げる「ノーファンデ派」が2023年上半期も健在で、この点は、日本と異なる傾向がありそうです。

マスクなしの生活に移行し化粧頻度や手順が増加

台湾コスメ市場のトレンド・生活者行動の分析や予測を行なうCMRI(Cosmetic Marketing Research Institution:コスメマーケティング総研)2023年4月に台湾の生活者を対象に実施したアンケート調査※2では、マスクを外した生活への移行や、夏の訪れによる気候の変化により、日常生活や美容への向き合い方に変化が生じている生活者の割合が高いという結果が得られています。

とくに顕著な変化は化粧習慣で、マスク着用時間の短縮に伴い、ほとんどの人が化粧頻度や化粧の手順を増やしていることがわかりました。人と会ったり、遊びに出かけたりする頻度や意欲も大幅に高まっていることもわかりました。 

また同アンケートで夏に起こりがちな肌トラブルのうち、気になるものを複数回答可としてたずねたところ、56.9%の生活者が「毛穴の開き」と回答。ついで48.2%が「皮脂の増加」、45.1%が「ニキビ」と回答がありました。またこれらの肌トラブルを解決するために夏のスキンケアで重視する効果として、71.9%が「保湿効果」を上げ、ついで54.2%が「美白効果」、43.1%が「オイルコントロール効果」を挙げました。気になる肌トラブルや重視する効果は年代によって多少ばらつきがあるものの、「保湿」は共通して関心が高い項目となっており、それが今回のベスコスの結果にも現れた模様です。

日本においては近年人気が高まった成分である「レチノール」というワードのクチコミ出現率が2020年から2023年上半期の現在まで、いまだに右肩上がりで伸びています。マスク着用が任意となったいま、日本では「保湿」という守りケアに加え、徐々に「肌のアップデートを求めた攻めのケア」へとニーズが変化しつつあるのかもしれません。台湾においても、2022年12月発表の@cosmeべストコスメアワード2022では杏仁酸や水楊酸(サリチル酸)などの酸系成分を配合したアイテムが集中ケア部門年度大賞の13位を独占、最も関心を集めたトレンドキーワードとしても「A醇保養(レチノールケア)」を発表しました202312月発表の@cosmeべストコスメアワード2023ではどのような結果となるか興味を引かれるところです。

※2022年11月1日から2023年4月30日までのクチコミ
※2「【消費者洞察】2023夏季生活習慣調査」 集計期間:2023年4月22日~4月25日、有効回答数:1,066

 ヘアケア製品が総合大賞になった香港の@cosme 2023上半期新作ベストコスメ

香港の@cosmeベストコスメアワード2023上半期新作ベストコスメ キービジュアル

いっぽう香港の@cosmeベストコスメアワード2023上半期新作ベストコスメは、香港の生活者に最も人気のあるアイテムとして総合大賞と8つの部門別の新秀賞を選出。総合大賞はヘアケア部門からロレアル パリの頭皮・毛髪用美容液ミスト「強韌豐盈防掉噴霧精華(日本未発売)」でした。

近年、香港では男女問わず20代後半から40代で抜け毛や脱毛の悩みが増えており、抜け毛対策や育毛の市場が拡大しています。そのなかでも機能性と利便性のバランスのよい商品が求められており、強韌豐盈防掉噴霧精華は、頭皮にスプレーするだけという簡便さや、効果の高さで人気を博しています。

香港の総合大賞 ロレアル パリ「強韌豐盈防掉噴霧精華」

また、今回はヘアケア部門のほかにもシャンプー部門、ヘアマスク&コンディショナー部門と全8部門のうち3部門がヘア関連の部門となり、ダヴの「深層修護洗髮乳」「胜肽修護髮膜(小金碗)」(いずれも日本未発売)を選出するなど、香港の生活者の髪への関心を反映する形となりました。

コロナ流行で在宅の時間が増えたことで高まった、ヘアケアをはじめとするパーソナルケアの需要は、この半年間で制限が徐々に解除された現在も依然として高い模様です。関心の高まりとともに、ケアニーズも細分化され、ヘアケアであれば、抜け毛対策、頭皮の栄養補給、頭皮のエイジングケアなどの効果を持つ商品がコロナ流行期間中から次々と発売されています。

そのほかの部門の新秀賞は、美容液部門が韓国ブランドAHCのカプセル型美容液「PRO Retinal 醫美科研晚間逆齡膠囊(日本未発売)」、マスカラ部門がメイベリン ニューヨークの「メイベリン スカイハイ」、化粧水部門が肌ラボ「糀潤白米肌源液(日本未発売)」、フェイスクリーム部門が同「糀潤雪凝霜(日本未発売)」、フェイスマスク部門がベネフィットの毛穴ケア泥パック「深層淨化毛孔泥膜(日本未発売)」でした。

左からAHC「PRO Retinal 醫美科研晚間逆齡膠囊」、肌ラボ「糀潤白米肌源液」

また、香港の@cosme STOREの販売実績から選出する「香港 @cosme STORE ベストヒット賞」も1位から10位を発表。

第1位はTSUBAKIのヘアパック「プレミアムEXリペアマスク」で、店頭でも香港の生活者の髪への高い関心が伺えました。第2位はキャンメイク「むにゅっとハイライター」(日本の@cosme2023上半期新作ベスコス ハイライト部門2位)、第3位はキャンメイク「ルミナスルナパクト」(日本の@cosme2023上半期新作ベスコス クリーム・ジェルファンデ部門1位)でした。

左からTSUBAKI「プレミアムEXリペアマスク」、キャンメイク「むにゅっとハイライター」、同「ルミナスルナパクト」

マスク解禁で、メイクアップや日焼け止めへの関心が大きく増加

日本の@cosmeベストコスメアワード2023上半期新作ベストコスメでは、コロナ禍3年を経て、総合トップ3がメイクカテゴリの商品になり、メイク需要の本格復活を裏付ける結果となりました。また受賞商品において、カラー展開がある商品は、「ラベンダー」「ライラックカラー」といった透明感を与えるカラーが人気なことからも、マスクを外した時の他人からの見え方への意識が高くなっていることが伺えます。

香港の@cosmeでも、202331日に政府がマスク解禁を発表して以降、メイクアップや日焼け止めのカテゴリーへの関心が高まっています。マスク解禁前(202211月~20232月)と解禁後(同3月~4月)を比較すると、ランキングページの1日の平均閲覧数が大きく増加していました。とくに日焼け止めのカテゴリで閲覧数が3.5倍以上に、リップグロスのカテゴリで同2.5倍以上に増加したほか、「メイクアップベース」「ファンデーション」「チーク」も増加しており、香港においてもマスクを外した時に他の人の目に触れる部分へのメイクや日焼け防止への関心が共通して高まっていることが伺えます。

“ピンクバイタリティパーティー”をテーマに、KOL・ユーザー向けイベントを開催/台湾

台湾では、発表日6/8にKOL、6/10に@cosmeメンバーが参加するイベントが開催され、どちらも高い参加率を記録しました。

KOLイベントの様子

KOLによるSNS投稿内容

イベントのテーマは「ピンクバイタリティパーティー」。参加したメンバーさんはピンクのドレスコードと、可愛らしい装飾にあふれた会場に歓喜した様子でした。

メンバー向けイベントの様子

イベントでは、メンバーさん同士による「私が一番オススメするメイク」のグループディカッションや編集部による受賞商品の分析、メイクショーなどが行われ、ご参加いただいたメンバーさんからは喜びの声が寄せられています。
>>より詳細をご覧いただきたい方はコチラ(繁体語レポートとなります)

台湾・香港への進出に@cosmeベスコス関連サービスを活用

市場としては日本と近しいところもありながら、それぞれのエリアに独自のトレンドが見られる台湾・香港。

香港・台湾の@cosmeでは、日本と同様に@cosmeベストコスメを受賞したアイテムだけが店頭販促物、Webページ、広告等に使用できる、「@cosmeベストコスメロゴ利用サービス」などを展開しています。また現地最大級の美容レビューサイトとして、タイアップ記事の制作やユーザーコミュニケーション設計を軸としたクチコミマーケティングを展開しており、中小から大手まで幅広い化粧品ブランドからマーケティングパートナーとして信頼と支持を得ています。

日本の@cosmeのランキングロゴ利用サービスなど、日本の@cosmeが展開しているサービスで香港・台湾でのプロモーションにも有効活用できるものもあります。現地に進出されるブランド様にはぜひご活用いただきたい知見とサービスです。

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