2022年12月21日に開催いたしました「@cosmeベストコスメアワード2022レポート 受賞商品とクチコミから読み解く 生活者の今とこれから」ウェビナーのQAパートにお寄せいただいたご質問<全30件>にリサーチプランナーがお答いたしました!ウェビナー中にはお答えできなかったものもご紹介いたします。
今年は「一人の熱量の高い発言」が全体を巻き込んでバズになっていったところが特徴でした。生活者の方も、情報に対する"リアルさ”を判断する目が上がってきているため、"一人一人のリアルな声"のようなものが人を動かし、それが雪だるま式にバズを大きくしていったと感じます。リアルであること、熱量があること(フォロワーが多い人でなくてもいい)、共感ポイントが複数あり雪だるまの核になりうること、この3つが特徴ではないかと考えています。
同じ悩みを持っている・置かれている環境下に共感して、膨らんでいくことも特徴として見られたため、共感ポイントが複数あることも特徴の1つです。
「共感できるクチコミをしてくれる一人を捕まえること」これは恐らくどんなブランドさんにも出来る事でありと思います。またその火種を起こせるかは、今まで以上に全員にチャンスがあるとも考えます。
@cosmeからわかる「メンズ」の話は「女性目線」ではありますが、そこにも変化が見られていました。@cosmeにおいては「メンズ用・メンズコスメ」などのワードは減少したが「メンズメイク」は伸張しており、まだ伸び盛りがありそうです。それ以外の伸びたワードは「ジェンダーレス・ユニセックス・シェアコスメ」。男女それぞれ別、ではなく、女性側が「男女が共に」という意識にシフトしてきているのかなと。近年、各企業間でも、それを感じさせるコミュニケーションが増えてきていると感じます。
@cosmeをご覧頂くユーザーはコロナ後に伸張していますが、「会員になってクチコミをして・・」という積極的な方の数は大きく変化はしていません。ただし、原宿の@cosme TOKYOはメンズコスメの商品も増えており、そのコーナー以外にも男性が複数人でご来店いただく様子はよく目にすることから、一部の方々には、確実に敷居がなくなってきていると思います。とは言え、アンケート等では「購入することが恥ずかしい」とった意見もまだあるので、そこはECが大きな役割を果たす可能性もあるし、まだ出来ることはたくさんあると感じます。
@cosmeのクチコミ投稿率は109%増加したため、メイクアップも増加しているが、その増加率はまだまだ全体数と比較すると少ない状況ですね。
トレンドとして、例えば黒髪に紫のアイブロウをつけるなどの「カラーバランスをとろうとする動き」や、「顔のバランスを変えるようなメイクテクニック」が上がっていました。美容医療や加工アプリの影響などがありそうですが、メイクに転用させるような動きは、今後マスクが取れる事によって更に加速するのではないかと感じます。一方でアプリなどで修正できない部分(アホ毛など)はきちんとしておきたい、という動きもあるのではないかとも思います。
コミュニケーションで大事なのは「バズの長期化・掘り起こし」。通常、発売以降徐々に話題性は落ちてきて、クチコミもある一定の成熟期を迎えると下がってくることがセオリーな中、それを長期的に継続させていることには、ブランドさんの努力だと感じます。また「何度も同じメッセージを発信し続ける事」も大事ですね。
「バスロング」がキーワードなので、ガラッと変わる事はないと思いますが、少し変化がみえたところから予測すると、ワードとしては「ポーチレス」「美容医療買い」「シティポップメイク」です。
※詳細はこちら(プレスリリース)
白髪ケア・頭皮ケアなどの「根本ケア(髪を健やかにするという考え方)」が伸びていると感じます。オルビスのヘアミルクがバズった事で、「ヘアミルクを初めて知った」「ヘアオイルとどう違うのか?」などのカテゴリ毎の特徴・違いを知りたい、というニーズは生まれてきそうなので、このあたりの説明やコミュニケーションは有効的なのではないでしょうか。
クチコミワードは軒並み増加。意識はあがってきている一方で、過去3回(1年・半年・3か月前)にわたって実施した「SDGsを意識して化粧品を選ぶか」という意識調査では、ほぼ変化が見られず約18%で推移している状況です。概念だけのSDGsはもう限界で、次の視点が必要とされているのではないか、と感じます。
若年層ほどSDGsへの関心が高いという傾向がありますので、全体傾向で見ていくと直接的な関連はそこまでなさそうですが、同じ年代で絞ると「意識がある方が高い」ということはあるかもしれません。所得より年代の方が関連するのではと感じます。
ユーザーアンケートでは「効果感・仕上がり」が上位に来ているので、価格が「まずは」という点では違うかなと。ただ重要なファクトなため 2022 上半期新作 ベストコスメアワードから設けています。生活者の選択も多様化していく中で、視点を変えた賞を設けるといった多様性は今後いろいろなところで必要になりそうですね。情報過多な中で情報を切り分けていくことを、情報発信者として意識すべき点であり、今回の賞もその1つかと考えます。
掘り起こしたインフルエンサーが誰かという明確な特定もなされていないほど、じわじわと広がっていったという印象です。一例をあげると、3月にTwitter上で、「ブリーチ5回以上のハイダメージ毛の髪質が改善した」というつぶやきが2万件を超えるいいねがつくなどの現象がみられています(2022年12月時点でのフォロワー数約6,000)。「同じものを愛用している」といった共感の声が寄せられています。
ハイトーンカラーやブリーチへの関心が高まったことから、ダメージケアニーズが改めて高まるのではないかと考えています。またクチコミでは「アホ毛」「広がる」「うねり」といったワードが慎重していることから、髪のフォルムやシルエットを崩したくないというニーズ(髪色やツヤ感に比べ写真アプリで修正しにくい悩み)が高まっているのではないかと思います。
ドラコスもプチプラも、発売された時期は関係なく「新たに出てきた商品でドラコスと言われる傾向が高い」ということはありません。同じ商品でもプチプラ、ドラコスどちらで表現するかは人それぞれであり、明確な基準というものは今のところはないようです。価格のことをメインに伝えたいのかどうかという投稿者のマインドの変化ではないかと考えています。
意識調査の結果をお伝えさせていただきましたが、半年前と比較し不安感は増してしまいました。一度明るい方向に気持ちが傾いた分、その反動というのも大きかったのかもしれません。また、コロナ禍で滞っていた生活が少しずつ動き出したことにより、新たなストレスが生まれてきたとも考えられます。おうち時間も減り、忙しいと感じる、睡眠時間が減少したという方もいらっしゃるかもしれません。さらには、長期化するコロナに加え、世の中全体への不安感というところも今年は大きかったのではないでしょうか。
ファンデーションは薄膜、密着感、肌と一体化させるといった表現が注目されます。肌に溶け込ませるという言い方が受け入れられることにも変化を感じています。なぜなら、数年前まではファンデーションは肌に悪影響を及ぼすと考える人たちも少なくなかったからです。ほぼ美容液なスキンケア効果の高い商品が増えたことがとても重要なことだと考えています。また、透明感、フィルター、トーンアップといったワードも増加傾向であり、ファンデーションに限らずベースメイク全般に求められていきそうです。
コロナ禍に入り、「ノーファンデ」というワードの増加とともにコンシーラー、フェイスパウダーへのクチコミが増加しました。コンシーラーについては、ファンデーションを使わずとも部分的なカバーは必要とされていること、フェイスパウダーは肌をさらさらに保ちマスク下の快適さを強く求めた結果ではないかと考えています。
ご紹介は以上となります。
たくさんのご質問・ご意見をいただきありがとうございました。