トレンドコラム | @cosme for BUSINESS - istyle 株式会社アイスタイル

「信頼」と「オープン化」がキーワード。遠藤新社長に聞く、アイスタイルのこれから

作成者: @cosme for BUSINESS編集部|Sep 27, 2022 8:18:36 AM

2022926日付で、株式会社アイスタイル 代表取締役社長 兼 COOに遠藤宗が就任しました。トップとして今後、アイスタイルをどう率いていくのか、今後のビジョンや目指しているビジネスの在り方などを一問一答形式で@cosme for BUSINESS編集部が聞きました。

ユーザーとブランドから信頼されるプラットフォームであり続けるために

Q代表取締役社長 兼 COOとして、これからどのようにアイスタイルを率いていこうと考えていますか

遠藤:これまでリテール畑を主にみてきた僕が社長として発したいメッセージは、アイスタイルグループとして「実店舗を含む、リテール事業を減速させることはない」という小売重視の戦略です。とはいえ、それは販売だけが目的ではなく、我々のリアル店舗である@cosme TOKYO@cosme STOREECである@cosme SHOPPINGを通して、生活者とビジネスパートナーであるブランドとの出会いをどうつくるかがますます重要で、そのためには、今まで以上に生活者とブランドの双方をより深く理解するための努力が、さらに我々に必要だと考えているところです。

生活者とブランドを深く知ることで自ずと売上はついてくるはずで、双方に寄り添い、皆さんが喜んでくれるサービスを提供できる「さすが@cosme」と言われるようなきめ細やかな対応ができる体制づくりを進めたいと考えています。

Q小売を強化することで、@cosmeのプラットフォーム、ひいてはビジネス全体はどのような方向に向かうのでしょうか

遠藤:@cosmeは今、生活者の化粧品におけるショッピングジャーニーのどこかに必ずいる存在です。オンラインでクチコミを見たり、@cosme TOKYOなどの店舗を実際に訪れたりしたユーザーが「こんな商品があるんだ」と発見し「欲しいな」と思う、パーチェス(購入)トリガーの役割を果たしています。つまり、これまでやってきたこと、積み重ねてきたことは決して間違っていないのですが、なぜこうした存在になれたのかを、またそのパーチェストリガーであり続けるためにどうすべきかを、社員みんなが今一度考えてみるべきタイミングだと思います。

後に登場する「ブランドオフィシャル」では、
個人の行動データを把握・分析することも可能

僕としては、アイスタイルの強みはやはりクチコミにあると考えており、その根底にあるのは、生活者の方々が寄せてくださっている@cosmeに対しての信頼だと思っています。こうしたプラットフォームへの信頼があるから、質の高いクチコミが集まり、さらに@cosmeユーザーの役に立てるという好循環が生まれているわけです。

あわせて、アイスタイルはリテール事業のほかに、データベースを活かした化粧品事業者向けのプラットフォーム「ブランドオフィシャル@cosmeユーザーの行動データを用いた企業向けマーケティングサービスで、自ブランドの状況把握や情報発信のほか、商品の購買前の認知から検討・購入、リピート買いしてロイヤルカスタマーになるまでの顧客ジャーニーを可視化する)」など、多様なアセットを持っており、拡張性が高く、幅広い領域をカバーしています。これを活かして、より深く広く信頼される場所にと、もっと進化することができると思っています。

マネジメントの立場にあるものとして、僕はROI(投資利益率)を重視しています。だから、社内に対して数字にはかなりうるさいほうです。思うように数字が上がらなかった、うまくいかなかったときは、その理由をしっかり詰めることが大事ですが、多くの場合、結果が出ないということは、我々が提供するサービスへの信頼が足りていないということです。なぜ、どこが信用されていないのかを考えることがこれから我々にはさらに必要で、それが企業としての成長につながるのではないでしょうか。

オープンで情報をシェアしやすい環境をつくり、ブランドとの繋がりを強化

Q:マーケットデザインカンパニーとして美容業界に向けて伝えたいことは何でしょうか

遠藤ひとつ大事にしていきたいのは、僕らはもっともっとオープンであるべきだということです。我々がこれまで実験的に取り組み続けている仕掛けの成功や失敗のノウハウ、ユーザーインサイトやユーザートレンドのデータなどは、皆さんにシェアをしていけたらと思っています。アイスタイルが今やろうとしているco-store戦略も、たとえば、@cosme TOKYOのような場所にさまざまなブランドとユーザーが一緒に集まり、オープンなコミュニケーションがとれる仕組みを前提としています。ただモノを売り買いするのではなく、「ユーザーとブランドがどう出会うのか」という観点から、コワーキングスペースのように展開場所(スペース)の編集やファシリテートにも注力し、小売店をハブとして、ブランドと協力して「出会いの価値」を作り出すことを共に目指す、それがco-storeの基本の考え方です。

だから、購入も店舗のレジではなくて、各ブランドのECサイトからしてもらっても構わないんです。マーケットデザインという言葉が新しい市場をデザインするという意味なら、アイスタイルはユーザーとブランドとの出会いを創出するというサービスに対価を払ってもらう、開かれたビジネスモデルを確立しようとしています。ビューティ業界に向けて、自分たちで抱え込むのはもうやめて、広いビジョンのもとにもっとオープンになり、協力してやっていきませんかというメッセージを発していきたいのです。

データという意味でも、オープンでつながりやすい環境をつくっていきたいと思います。IDも含めてです。技術的な観点から少し時間はかかると思いますが、会社としては確実にその方向に向かいます。ブランド各社がさまざまなマーケティングツールをすでにお持ちなので、わざわざアイスタイルが提供するダッシュボードを見にきてもらうだけではなく、各ブランドが@cosmeのデータを受け取り、より活用しやすくする環境を整備していきます。

先ほど例にあげた我々のサービス「ブランドオフィシャル」においても、@cosmeがオープンでつながりやすければデータをより多く集められるはずで、母数が増えデータが厚くなれば顧客分析の正確性も上がり、導入ブランドにとってより有用なサービスになるわけです。

「どこで購入してもかまわない」という方針により、@cosmeユーザーがアイスタイルのEC@cosme SHOPPINGから離れ、ブランドのオウンドECに誘導されやすくなる場面もあると思いますが、使用する化粧品のすべてを1つのブランドで揃えることはほぼないわけです。新製品や気になる他ブランドがあるときは、きっと@cosmeのクチコミや情報をチェックして比較・検討するために生活者は戻ってきてくれます。

最初に述べたように、生活者の役に立つ、信頼の厚いプラットフォームであり続けるということさえぶれなければ、関わる人全員が幸せになると信じており、我々のVisionである「生活者中心の市場の創造」が可能になり、Missionである「Beautyの世界をアップデートしながら、多くの人を幸せにしよう」が実現できるわけです。

Q:吉松会長と遠藤社長の今後の役割についてなど教えてください

遠藤店舗、EC、広告の事業分野をみてきた僕は、足元で組織を強くしながら小さな変化を重ねていって、ビジネスを成長させようという考え方です。一方、吉松は、10年後、20年後、あるいはその先も、我々はどうあるべきかという未来を描くのに長けています。「現状から積み上げてゆく」タイプの自分に対し、「未来からの逆算をする」のが吉松だといっていいかもしれません。

僕らはアプローチは違うけれど目指すところは同じで「化粧品を通じて人々を幸せにする」こと。だからこそ一緒にやってこれました。未来からの逆算と現場からの積み上げがぶれないことは、僕がもっとも力を入れていきたいことのひとつです。そして生活者とブランドの皆さまに信頼される存在となれるよう、アイスタイルとして全員で努力し続けたいと思います。

遠藤宗プロフィール

株式会社アイスタイル 代表取締役社長 兼 COO
遠藤 宗(えんどう はじめ)
1973
年生まれ。伊藤忠商事傘下の輸入車および中古車の販売業者であるヤナセでキャリアをスタート。経営コンサルティングの船井総合研究や化粧品リテールのたしろ薬品などを経て、2007年にコスメネクスト(現アイスタイルリテール)の取締役に就任。2012年アイスタイルに入社後、アイスタイルトレーディングの代表取締役やアイスタイルキャリアの代表取締役を歴任し、現職に就任