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史上初、シャンプー・トリートメントが総合大賞受賞  THE ANSWER「スーパーラメラシャンプー&EXモイストトリートメント FOR DAILY DAMAGE」|@cosme上半期新作ベストコスメレポート2025

史上初、シャンプー・トリートメントが総合大賞受賞  THE ANSWER「スーパーラメラシャンプー&EXモイストトリートメント FOR DAILY DAMAGE」|@cosme上半期新作ベストコスメレポート2025 サムネイル画像

6/11(水)、生活者に支持されたコスメを総括する「@cosme上半期新作ベストコスメ2025」を発表いたしました。今回は「@cosme(アットコスメ)」に蓄積された2,000万件を超える膨大なクチコミをはじめ、アクセスデータや意識調査・インタビューを通して生活者に触れ続けているリサーチチームより、@cosme上半期新作ベストコスメ2025の受賞商品から見たユーザーインサイトを解説します。

はじめに|「@cosme上半期新作ベストコスメ」とは

「@cosmeベストコスメアワード」とは、@cosmeメンバーから寄せられたクチコミ投稿をベースに、今、生活者が支持している商品を表彰するアワードです。
なかでも「上半期新作ベストコスメ」は、この半年間(昨年11月1日~本年4月30日)に発売された新商品を対象としており、「@cosmeベストコスメアワード」の上半期における新人賞となっています。

「@cosmeベストコスメアワード」の選定方法はこちら
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集計対象期間: 2024年11月1日~2025年4月30日
集計対象クチコミ件数: 124,660件
集計対象アイテム数:  3,964アイテム

「@cosme上半期新作ベストコスメ2025」ハイライト

◆総合大賞からみえるトレンド分析
・史上初!シャンプー・トリートメントが総合大賞に
・続くヘアケアへの関心、全体の半数以上が今後、ヘアケアに更なる支出意向
・総合大賞は、ヘアケアにおいてもスキンケアのように「成分」や「効果」を重視したい生活者のニーズとぴったりマッチ
◆総合TOP10からみえるトレンド分析
・続く物価高で生活者の「失敗したくない」気持ち高まる
・高価格帯商品に安心感、決め手は「研究」に裏打ちされた信頼感
・成分買いトレンドも継続、次の注目は「発酵」?
・「失敗したくない気持ち」への寄り添いもポイント

総合大賞からみえるトレンド分析

史上初!シャンプー・トリートメントが総合大賞に

かつて、生活者にとってシャンプーは日用品、消耗品の意味が強く、商品間の差別化がされにくいカテゴリとされてきました。
そのため価格競争が起こりやすく、「安ければいい」という基準で選ばれる傾向も少なくありませんでした。しかし、今回総合大賞を受賞したTHE ANSWER「スーパーラメラシャンプー&EXモイストトリートメント FOR DAILY DAMAGE」(以下、THE ANSWER)は、POSランキングなどで上位に見られる700~800円のポンプタイプのシャンプーの2倍以上。カテゴリ内では高価格帯に位置づけられる、所謂“ハイプレミアムカテゴリ商品”です。

また、今回THE ANSWERと同じシャンプー・トリートメント部門で2位と3位にランクインした商品も、それぞれ、ドラッグストアなど一般販路で販売される商品としては、ハイプレミアムな商品がランクインしました。
シャンプー・トリートメントカテゴリは2015年にi-neが発売した「BOTANIST」のヒット以降、徐々に高単価化が進んできました。2025年5月に聴取した「化粧品に関するアンケート」(以下、ユーザーアンケート)で「お使いのシャンプー・コンディショナー1本あたりの価格帯」を尋ねたところ、「1本当たりの価格帯1,501円以上のシャンプー・コンディショナーを使用している」と回答した人が全体の約46.2%にのぼり、シャンプー・トリートメントカテゴリにおけるハイプレミアム価格帯の商品の浸透ぶりがうかがえます。

>【関連記事】感性マーケと技術力の両立。花王meltに聞いたハイプレミアム商品成功の鍵

 続くヘアケアへの関心、全体の半数以上が今後ヘアケアに更なる支出意向

@cosmeでは2025年上半期のトレンド予測として、ヘアケアに手間やお金をかける生活者が増えるであろうということを予測した「美髪課金」というキーワードを発表しましたが、今、生活者はまさに、「美髪課金」への高い意欲を持っているようです。
ユーザーアンケートでは、ヘアケアにかける金額について「増やしたいと思う」と回答した人が全体の半数を超える約53.3%となりました。ヘアケアカテゴリの高単価化の動きは更に続いていく可能性がありそうです。

総合大賞は、ヘアケアにおいてもスキンケアのように「成分」や「効果」を重視したい生活者のニーズとぴったりマッチ

ユーザーアンケートで「ヘアケアアイテムについて、あなたの考えやお気持ちに当てはまるもの」を尋ねた設問では、「以前よりも「成分」にこだわるようになった」約36.3%、「以前よりも「効果」を重視することが増えた」約53.0%という回答結果となり、スキンケアのように、成分や効果効能を重視する生活者が増えたことが分かりました。
THE ANSWERは、「花王100年の研究からたどり着いた、ヘアケアの答え」をブランドコンセプトとし、「美髪5大必須成分配合」という訴求や他のシャンプーとは一線を画す"塗り洗い"という新たな洗髪スタイルを提案しています。同時期に他のシャンプー・コンディショナーカテゴリに投稿されたクチコミとの比較分析をしてみると、「成分」というワードの出現率が約2.1倍。また、(使用感、仕上がり等に)「びっくりする」「感動する」というワードもそれぞれ約2.4倍、約2.0倍出現していました。更に、効果や変化について語る文脈で使用される「髪」というワードの出現率も約1.2倍となっており、効果感や成分等を評価している声が多いことが分かりました。一方で、かわいい、癒す、香り、パケなどの情緒的な表現は全体との比較では相対的に少ないことも特長であり、スキンケアのように成分や効果効能を重視したい生活者のニーズとピッタリマッチした商品といえそうです。

総合TOP10からみえるトレンド分析

続く物価高で生活者の「失敗したくない」気持ち高まる

高価格帯への支持はヘアケアにとどまりません。2025年上半期の総合TOP10は、受賞商品の平均単価が過去6年の平均と比較して約1.7倍の6,050円に。昨年のスキンケアにおける中価格帯やメイクアップにおけるプチプラ支持の傾向とは異なる「高価格帯シフト」ともいえる動きが見られます
この変化には、今年4月の消費者物価指数によると「米の価格が昨対で約2倍」だと報じられるなど、物価高騰が昨年以上に深刻化していることも影響を与えていそうです。
ユーザーのアンケート結果をみてみると、物価高の影響を受けて「化粧品購入で失敗したくないという気持ちが高まった」(全体の約80.7%)、「投資をする価値があるかどうかを以前より考えるようになった」(全体の約80.8%)と回答した人がそれぞれ8割に及びました。
更に、「高価格帯の化粧品は、失敗のリスクが少ないという安心感がある」と、全体約41.9%の人が回答し、価格自体が、安心材料のひとつになっていることが垣間見られます。特に化粧品の使用経験が浅く、判断軸があいまいな人が多いと想定される若年層ほどその傾向が強く現れました。

また、TOP10の受賞商品のクチコミには「さすが」「裏切らない」といったワードが同カテゴリの他の商品と比較すると特徴的に出現しており、価格が高いだけあってよかった、さすが、裏切らないなど期待に応えてくれる確かな商品と感じられていそうです。


そのほかにも、この上半期に生活者が「投資しても良い」と感じた化粧品にはいくつかのポイントがありそうです。

ひとつは、「研究開発・技術力の高さに裏打ちされていること」です。@cosmeメンバーへのアンケートで「お金をかけたい、かけてもいいと思う化粧品」の条件を聞いたところ、「研究開発・技術力の高さに裏付けされたもの」(約66.6%)と「長年にわたり研究されているもの」(約59.7%)という選択肢が、いずれも約6割の生活者から共感を得ました。

総合TOP10ランクイン商品では、大賞を受賞した「THE ANSWER(ジアンサー)」が「花王100年のヘアケア研究からたどり着いた」という訴求を前面にうちだしています。

また他にも、総合TOP10にランクインした商品のうち、実に7商品がこうした技術力や研究背景を訴求しています。
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一方で、こうした研究開発や技術に関するトピックスは科学などの専門知識が必要となり、生活者にとって必ずしも身近には感じられない内容であることもあるのではないでしょうか。

そんな中で、昨今、SNSを中心に、化粧品開発者などの専門家系インフルエンサーのコンテンツによって、難しい技術や成分の話が分かりやすく生活者に伝わるようになったことも、「技術や研究開発への信頼」の広がりを助けているといえそうです。

@cosmeのクチコミでは、「化粧品開発者」というワードの出現率が昨対2.2倍となっています。特にこの上半期は、「かずのすけさん」のYoutubeで興味をもったという声が総合TOP10受賞商品のクチコミに多くみられました。
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成分買いトレンドも継続、次の注目は「発酵」

また、「どんな成分を配合するか」も研究開発の成果のひとつといえるでしょう。THE ANSWERも花王100年のヘアケア研究からたどり着いた「美髪5大必須成分配合」を謳っていますが、近年注目されている「成分」への注目の高さは続いていそうです。column_2506_bestcosme88

この傾向は、スキンケアだけでなく、ヘアケア・メイクも同様です。さらに美容グッズでも成分を訴求する製品が登場し、支持する声も寄せられています。たとえば、総合3位の&be 「ブラックスポンジ」は、リニューアルを期にヒアルロン酸が配合されました。「ヒアルロン酸が配合されたことにより、柔らかなふわふわ感が増した肌負担が軽減されてうれしい」といったクチコミが投稿されています。

また、総合5位の「ルルルン ルルルン ハイドラ AZ マスク」に配合されているアゼライン酸も、皮脂悩みの増加と共に引き続き注目の高い成分です。加えて、総合8位のラ ロッシュ ポゼ「UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ+」は、敏感肌でも使える低刺激なピーリング成分「LHA」が配合されていることを訴求しています。

その他、ベストフェイスクリーム・ジェル部門3位にランクインした、スギ薬局のプライベートブランドDRIPTUNE「発酵クリーム」や、ベスト日焼け止め2位ほかにランクインしたFAS「FAS ザ ブラック デイ クリーム」といった商品など、「発酵系」の商品が多くランクインしているのも今年の特徴の一つです。クチコミにおける「発酵系」というワードの出現率も昨対で2.2倍となっています。
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ユーザーアンケートで、「発酵系のスキンケア化粧品や成分」に対するイメージを聴取したところ、トップにみられたのは「体によい・健康的」(約47%)であるという声でした。化粧品の成分として一般に期待される「効果がありそう」「肌によさそう」という選択肢よりも「健康によさそう」というイメージを持たれている成分に注目が集まりつつあることは、興味深い結果です。
この背景には、昨今のトレンドでもある、身体的、精神的、社会的に良好な状態、つまり幸福な状態を指す概念である「ウェルビーイング」志向があるかもしれません。ユーザーアンケートでは、「あなたの化粧品の選び方は、これからどうなると思いますか」という設問に対して、約48.8%が「今よりも、心身の健康のことを考えて化粧品を選ぶようになるだろう」と回答。

人生100年時代のあたらしい価値観や考え方は、このようにあらゆる分野に影響を及ぼしていく可能性がありそうです。

「失敗したくない気持ち」への寄り添いもポイント

「失敗をさけたい気持ち」への寄り添いも、今回支持された化粧品のポイントのひとつです。1位のTHE ANSWERをはじめ4位のSK-Ⅱ、8位のHAKUなどは気軽に購入できるミニサイズの商品での試用機会を担保して、高価格帯商品を失敗の心配なく購入できる環境をつくっています。ユーザーアンケートでも全体の約31.5%が「ミニサイズがなかったら購入しなかった商品がある」と回答しています。

おわりに

同日、アイスタイルが運営する「@cosmeトレンド予測部」より、売上動向・クチコミ・ユーザーアンケートなどの多角的なデータと、美容プラットフォーマーとしての知見をもとに、今後の生活者インサイトや美容トレンドを読み解く「2025年下半期トレンド予測」が発表されました。

「@cosmeベストコスメアワード2025下半期トレンド予測」とは、@cosmeベストコスメアワードの関連企画として展開しており、@cosmeに投稿されたクチコミや@cosme各店舗での売上データ、ユーザーアンケートなどを分析し、注目すべき兆しや変化をトレンドキーワードとしてまとめたものです。

今後トレンドとなり得る“芽”をいち早くキャッチするヒントとして、生活者と向き合う皆さまの参考になれば幸いです。

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>>詳細は「@cosmeベストコスメアワード2024下半期トレンド予測」プレスリリースをご参照ください


本コラムに関するプレスリリース
>>※プレスリリース第1弾※~史上初、シャンプー・トリートメントが総合大賞受賞  THE ANSWER「スーパーラメラシャンプー&EXモイストトリートメント FOR DAILY DAMAGE」~
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