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【クチコミトレンド】「〇〇不要」ってラクしたいだけじゃない!生活者の本音は?

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アイスタイルのリサーチチームが@cosmeに投稿されたクチコミトレンドについて考察する本コラム。だんだんと年末の寒さを肌で感じ始めた11月。翌月のベスコス発表を前に生活者たちはコスメのどんなところが気になったのでしょうか。クチコミから読み解きます。

※本コラムは、@cosmeトレンド情報便2024年1月版でお届けしている<2023年11月度 @cosme投稿クチコミからみる、最新トレンド>の内容をリサーチチームに解説いただいています。>トレンド情報便はこちら

目次
1. クチコミトレンドまとめ
2. ピックアップキーワード7選

①トリートメントウォーター
②液ダレ
③化粧水代わり
④部分パック
⑤指塗り/ケーキング
⑥カモフラージュ
⑦下地不要

☞気になるクチコミトレンドトピックス

クチコミの裏に隠されたもうひとつの意味を読み解く

★掲載_1139222アイスタイル リサーチチーム (左から)原田彩子、西原羽衣子

西原 目立つようになってきたクチコミといえば「〇〇不要」という表現も数多く見られました。クレンジングでの乳化不要とか、ベースメイクだと下地不要とか。

原田 今までは手間を省くとかラクをするという文脈が多いかなというふうに思っていたのですが、それだけではなく、例えば下地不要という言葉の背景にはスキンケア効果の高いファンデーションが増えたからというのがあると思います。そのスキンケア効果を肌でダイレクトに感じたいから下地をわざわざ使いたくない、という意味合いです。

西原 ラクをしたいとか、時短がしたいとかめんどくさいといったニュアンスではなく、美容に関して前向きなモチベーションになってるのかなと推測できます。意味があるから私はこうしてますって言えるのは、すごい美容が好きな人たちにとっては、〇〇しないという選択肢も逃げ道になっていいなと思います。

原田 アットコスメのメンバーさんはもともとケアするのが好きという傾向が強いので化粧品のもっとも効果的な使い方をしている、手抜きでこうしてるんじゃありませんという意味ですよね。

西原 自分で納得しながら時間を削れているっていう美容意識の高いユーザーさんだからこそって感じです。ダイレクトに時間が短縮できますって言われた方が、おそらく一般的な人達には響くかもしれませんけどね。

原田 スキンケア効果を実感できるんじゃないかと思わせるような商品のそういうコミュニケーションが今後すごく大事にされていくんだと思います。実際、そういう願望を満たされている商品というのも出てきているっていう意味だったんです。

西原 モノは変えないけどコミュニケーションを変えていくとか、常にアップデートしてってるっていうブランドが多いのかなっていうふうに思います。プロダクトとしては変わっていないけども、ブランドとしてのコミュニケーションを変えていくっていうメッセージであったりするのではないかと思います。

注目ピックアップキーワードを深堀り解説

※ピックアップキーワードはまだN数が少ない「兆し」を捉えたものとなります。全体的なトレンドではありませんのでご注意ください。

商品の良さは当たり前⁉ いかにストレスを感じないかが購入のカギに

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原田 まずは「トリートメントウォーター」ですね。これはベスコスを獲得したオルビスさんに代表されるようなこの商品群のキーワードがとても増加しましたということです。

西原 オルビスさんはそのほかにもヘアオイルとウォーターとのセット品とか、コラボ商品の発売とか販促面での話題性が影響したのだと思います。ヘアミルクを柱としてウォータータイプにも興味を持つとか、ヒントになってる人がクチコミでも増えていそうだという印象です。

原田 ヘアケア関連でのキーワードとして側頭筋というのも増えていましたね。頭皮も一枚の皮でつながっていて…みたいな。ヘアケア関連では影響もありそうです。

西原 コロナ禍で外出できなかった時に、おうちでコツコツと筋トレとか、長期的にちょっとケアを頑張ってみようという意識が芽生えたのかなって感じています。ボディケアも含めて、ヘアケアというところにも結構みんな頑張っていたっていうことかもしれませんね。

原田 続いては「液ダレ」です。いわゆるボトルの話ですね。その使いやすさとかいかにストレスがないかという意味合いで使われている投稿が多かったと思います。

西原 商品を購入する時にモノ自体がいいとか、どう効果をもたらすとかはもちろん非常に大事ですが、それだけじゃ満足できない、それ以外のこともクチコミでの評価に影響を与えている様子だというキーワードの代表としてピックアップしました。

原田 商品を使う時にちょっとした不快感とかストレスを感じるともしかしたら評価が下がっちゃういます、ということですね。商品の品質の良さというのは、各社上がっているので、それ以外へのユーザーの視点が非常に厳しくなってきたのだと思います。

西原 商品自体での差別化がされにくくなっていて、今はどれを使ってもそこそこいいので、悪いところがないっていうこと、つまり、昔は加点法だった評価が今は減点法となってしまっている表れだと思います。

原田 もう、すべてが備わってないとダメな時代なのかもしれません。

西原 アットコスメの見方として、やっぱり減点法という見方をするユーザーが多いらしいんですね。ユーザーさんに実際インタビューした時に聞いたんですけど、インスタとかSNSでどんどん気分が盛り上がっていく、なんかいいところをいっぱい知って、お買い物しよう!これも欲しい!って熱に浮かされている状態になっていたところをアットコスメを見ながらクールダウンして「あ、ここは悪いんだな」と減点していくみたいな見方をしている人が結構いらっしゃるとのことなんです。だから、こういうクチコミっていうのは購入を検討する際に影響を与えるんじゃないかなって思います。

気楽に使いたいというユーザーニーズから新たな選択肢へ移行

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原田 次はスキンケアですね。若い人たちの投稿の中にこの「化粧水代わり」っていうクチコミが多くてありまして、化粧水の競合がシートマスクなんじゃないかってことです。

西原 若い人たちはそんなにすごい深い悩みがないので、これでいいんじゃない?みたいな感じになってきているところもあるのかなって思っています。

原田 このシートマスクは化粧水代わりに使えますと謳っているブランドもあるので、「それじゃあ化粧水から置き換えてみよう」という子たちもいると思いますし、そこまでではなくても別に化粧水はしなくてもこれで済むんじゃないかな?と思って置き換えているっていう人も一定数いるんじゃないかなと思います。

西原 カテゴリやプロダクトの特性として、化粧水とシートマスクって明らかに違うんですけど、ただ使い方として一緒ってなるとややこしいお話になりますね(笑)

原田 「部分パック」は朝に使うとか、より気楽に使えるみたいなニーズが高まっていますが、クチコミとしてはまだまだこれから広がるかなっという感じです。

西原 目の下だけとか、頬だけとか口周りだけとか、使い勝手がいいので自分が気になるところだけなんとかケアしたい表れなんだと思います。

原田 その昔、コットンパックをやっていた方も多いかと思いますが、そのシートマスク版を部分的に貼るってことですね。

西原 今、お店でもこの部分パックは種類が多く、夜のスキンケアというよりは、朝のスキンケアに使いたいというニーズなんですね。全顔のシートマスクだと朝支度をしてる時に髪の毛の生え際とかも濡れちゃって、前髪にセットしずらいとかそういう話とかもありますしね(笑)

プロっぽい上級者ワードで評価する商品力と使用イメージ

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原田 「指塗り/ケーキング」という言葉自体は前からあるにはあったと思うんですが、クチコミの中により専門用語みたいなのが増えてきたなって思います。SNSとかでメイクアップアーティストの発言が増えたりとか、あとはコロナ禍を経て衛生面を気にする、そういう意識が高まったのかと思います。

西原 美容のプロ用語ではあるとは思うんですけど、ブランドからのメッセージとしても使われ始めている印象はありますね。

原田 ケーキングしちゃったものをどう復活するか、みたいに裏技みたいなものの発信とかも増えているので、どんどんそういった専門的な知識が増えて、また浸透していき、今まであまり気にしてなかったけど気になってきたみたいな人も増えていくんじゃないかなとちょっと思ってます。

西原 メーカーさんの技術力との戦いって感じですね。

原田 やはりこういった専門用語ってユーザーさんも好きで投稿も増えてますね。それは間違いありません。

西原 そうですね、これは明らかにユーチューブとかでの専門家の発言の影響だと思います。誰かが言っているのを聞いて、真似したいと思って広がっていくんだと思います。

原田 肌のシミとかアラとかそういうものを「カモフラージュ」してくれるよっていうのがベースメイクの評価ポイントとしても挙げられています。

西原 べったりとカバーするっていうより、ふんわりカモフラージュしてくれるっていうところが、なんとなくちょっと今ベースメイクに求められている気分なんだと思いますね。

原田 素肌感みたいなところは残したいっていうユーザーの求めるイメージっていうところからもベースメイクが薄くなった人がすごく多いのではないでしょうか。

西原 なんとなくぼやかしていく、そのあんばいが重要ですね。

原田 プロになりたいわけではないから自分のお顔を綺麗にできればいい、だけではなく、プロっぽい目線というか、知識量がとても増えているということなんだと思います。

原田 最後は「下地不要」です。一見、時短とか手抜きとかのように思われるかもしれませんが、ファンデーションにシカやレチノールといったスキンケア成分が配合されているので、むしろ積極的に使いたいくらいですっていうクチコミに使われています。

西原 時短っていうところじゃない価値を感じてもらえるよう、ラクしたい、手抜きしたいということではなく、いわゆるポジティブな表現としてその成分を十分に楽しみたいからこそ、下地はいりませんという選択をしているっていうことですね。

原田 ちょっと上級というか非常に興味関心の高い人たちにとってはその商品の価値っていうところをより感じるというところが必要だったり重視されていくんじゃないかなっていう気がします。

西原 あえてそれを選んでます!っていう上級者キーワードかなというふうに思います。もちろん、時短という意味もあるし、理解として間違っているわけはありませんが、ダブルミーニングっていう言葉使いだと思います。その辺を意識してみるとクチコミの読み解き方もちょっと変わるかもしれませんね。

おわりに

SNSも当たり前になり、化粧品に関する情報があふれかえっている今、あらためてアットコスメのクチコミを信頼できる情報源として化粧品選びの参考にされている方も多いはず。そんなクチコミも見方を変えれば生活者のちょっと違った今の気分が見えてくるかもしれません。ぜひご参考にしてください。

 

Text:@cosme for BUSINESS編集部

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