デジタル全盛の時代であっても、日本の生活者と同様、リアル体験を購入の決め手としている中国の生活者。アイスタイルチャイナのポップアップイベントはそんな中国の生活者に、様々な日本ブランドの正規商品を実際に手に取っていただき、楽しくお試しいただく場です。今回は2021年12月に上海の人気高級ショッピングモールにて開催した@cosmeベスコス受賞商品を集めたポップアップ「ベスコス&クリスマス」の模様や、参加ブランドの事例、2022年3月に開催予定の次回イベントについてご紹介します。
ブランドが様々な目的に活用できるISCNのポップアップイベント
アイスタイルグループの中国拠点、アイスタイルチャイナ(以下ISCN)が上海など中国現地で定期開催しているポップアップイベント。参加する日本ブランドにとっては、複数ブランドが合同出店することにより集客効果がありながらリーズナブルな費用感で、認知拡大やテストマーケティングに活用できる場として好評です。
たとえば「常設のオフライン店舗に送客したい」というご要望には、ブランド専属の美容部員にご入店いただき、常設店舗と同等の質の高いカウンセリングを行っていただいた上で、常設店舗で使えるクーポンを配布し誘導いただく。また、「オンラインの会員数を増やしたい」というご要望には、来場したお客様に会員登録と引き換えにギフティングを行っていただくなど、ブランドそれぞれの目的に応じて様々に活用が可能な点や、ISCNによる柔軟なサポート体制も評価いただいています。
さらに、イベント開催中だけでなくその前後に行うSNSによる宣伝拡散の力もISCNのポップアップイベントの強みです。日本のコスメファンである約120万人の@cosme 公式SNS(Weibo、WeChat、Red等)フォロワーに向けて情報を発信するだけでなく、イベント会場に来場したKOLや一般のお客様によるSNS投稿からの波及効果も相当のものがあります。
次回は2022年3月を予定していますが、まずは2021年に大いに盛り上がったイベントの実績をご紹介します。
>>イベント参加お申込みに関するお問い合わせやご興味がございましたらこちらからご連絡ください
@cosme TOKYOの雰囲気を再現して開催したポップアップ「ベスコス&クリスマス」
2021年12月、上海市静安区の人気高級ショッピングモールJing An Kerry Centreで開催したポップアップイベント「ベスコス&クリスマス」では、東京・原宿にある旗艦店@cosme TOKYOの雰囲気を再現した150平方メートルの会場で、日本の「@cosmeベストコスメアワード2021」や2020年および2021年上半期の同アワード受賞商品や殿堂入り商品、関連商品など30ブランド100SKUを展示、一部商品の即売やECへの誘導を行いました。
近隣のオフィスビルで働くOLやデート中のカップルなど、20代〜30代前半を中心に約1万人が来場し、商品を手に取って試したり、商品をディスプレイした壁の前等で記念撮影するなど賑わいました。
ベスコス商品をディスプレイした壁が目をひいた「ベスコス&クリスマス」
@cosme ベストコスメアワード2021の発表日である12月9日には、中国大手メディア5社とKOL10名、現地ブランドを会場に招待しての発表会を実施し、SNSでも配信。また12月24日には一部協賛ブランドやISCNの企画によるクリスマス限定セットを販売するなどして、ベスコスやホリデーシーズンのムードを醸成しました。
参加ブランド別には、今回が2回目のISCNポップアップイベント参加となった「KANEBO」は2021上半期ベスコスを受賞した「カネボウ スクラビング マッド ウォッシュ」をフィーチャーしたほか約50SKUを展示。受賞ロゴ二次利用サービスの併用や、同時期に中国の@cosme SNSアカウントでもタイアップ記事を公開するなど、日本でのブランド知名度や評価の高さを@cosmeのオンラインとオフライン両方で発信して、受賞した新商品を有効的に紹介する場としました。
KANEBOのポップアップ展示と@cosme SNSでのタイアップ記事
また今回が中国における初めてのオフラインの場であり初参加の「ON&DO」はスターアイテムの「REFINING LOTION」や「FERMENT SERUM」など12SKUを展示しオンラインへ誘導。ブランド世界観を表現したブースデザインが来場者に好評だったことや、ブランドの公式REDアカウントのフォローまたは体験記事の投稿でサンプルを進呈する施策により、RED上の関連投稿記事が数百件増加、フォロワー数も美容感度が高く購買力も強い層を中心に約800人増え、中国市場参入の基盤づくりに繋がりました。
ブランド世界観を表現したデザインが好評だったON&DOのブース
多彩な仕掛けで中国生活者の心を掴むISCNのポップアップイベント
ISCNでは2017年から定期的にポップアップイベントを開催するなか、ポップアップを体験や顧客獲得への入り口として重要視し、いかに体験環境の構築を行い、来場者の心を掴むか工夫し続けてきました。会場に満開の桜の木を配し日本の春を演出した「桜祭り」(2020年、2021年3月)、回転寿司のレーンを会場内に設置した「ビューティ寿司HOUSE」(2021年6月)、浴衣無料レンタルやくじ引き、絵馬掛けコーナー、占いコーナーなど日本の夏祭りの雰囲気を演出した「夏祭りイベント」(2021年9月)など、フォトジェニックであったり話題性のある空間演出やミニゲームなどによっても来場者を引き込んでいます。
日本の春を演出した「桜祭り」
2021年6月の618セール期間にオンラインと連動して開催した
「ビューティ寿司HOUSE」
2020年から連続5回参加しているヘアケアブランド「ONSENSOU」は、毎回定番商品と新商品の組み合わせでポップアップに参加。ポップアップ出展を活用して、今では中国におけるオンオフ合わせたブランド累計露出が数千万人超、そのうちリアルでの体験人数は数千人となるなど、じわじわと確実に認知を拡大しています。
2021年の「夏祭りイベント」で初参加したカバーマークのCOVERMARK事業部 部長 斎藤太郎氏は「日本ブランドの強みである製品力と製品開発力を中国の生活者に知ってもらうにはやはり体験してもらうことが大事。今後もぜひ参加していきたい」と話します。
次回は2022年3月、ピンク色をテーマに開催
次回のISCNポップアップイベントは2022年3月25日〜27日の3日間、若者が多く集まる中国上海の人気スポット「安福路(アンフールー)」にて開催予定です。広さ 154平方メートルのスペースに、「@cosme PINK VIBES」と題したピンク色の会場を設営。商品展示エリアのほかにもフォトスポット、レクリエーションエリアなどを設け、来場者が楽しみながら日本のコスメと出会い、試し、発信できる場を提供します。また、@cosmeメディアやRED KOL、大手中国メディアによる情報拡散も行われます。
上海市内にある長さ約1キロメートルのモダンストリート安福路。
フランス租界(外国人居住地)時代のレトロな街並みが特徴で、
流行に敏感な20〜30代やKOL、日本のブランドや商品への関心層も多く集まる
商品のパッケージや外観がピンク色であったり、桜をイメージした商品など「ピンク色と関係する商品」「@cosmeベスコス受賞商品」「2020年11月以降に発売された新商品」の3つの条件のいずれかに該当する商品を対象に出展を募集中です。
>>イベント参加お申込みに関するお問い合わせやご興味がございましたらこちらからご連絡ください
ISCNポップアップイベント「@cosme PINK VIBES」開催概要
期間:2022年3月25日〜27日
場所:上海安福路322号
期間中の往来見込み数:1万5,000人
出展料: 1ブランド100万円から
<会場イメージ>
2023年には9兆円超規模となる中国化粧品市場
2022年1月18日、@cosmeの中国事業を紹介するウェビナーの第三部「最先端を走るゲストによる中国コスメビジネス未来予測」と題したパネルディスカッションに登壇した、中国市場向けデジタルマーケティング支援企業の株式会社Rainbow Arc代表取締役の湯怡婧氏は、「もし自身が化粧品ブランドの立場なら対中国マーケティングに何をするか?」との問いに、「認知」「興味」「検索」「購買」の「認知」の部分の話だとしながら、「“ブランドの世界観が伝わるコンテンツ”が今中国ではとても大事だと感じる。そのコンテンツをSNSで発信しつつ、私ならオフラインのポップアップをする。たとえばカフェ文化が根ざす上海でちょっとしたカフェとコラボをするなど、低予算でも可能なポップアップで徐々に露出を増やすだろう。オンラインとオフラインを連動させた露出の仕方を考える」と話しました。
第一部「変化する中国コスメ市場の現地レポートと@cosmeオフラインイベント最新速報」でISCNのポップアップイベントの有用性を紹介したistyle China Co.,Ltdの董事兼副総経理洪明蘭も「今、生活者が最も関心を寄せているのは、どの国で製造されたかではなく、商品が自分に合うかどうか、商品にどんな差別化ポイント(効果機能等)があるのかということ」と強調します。
これには中国における国別の化粧品輸入金額は2021年も日本が1位であり、日本製化粧品の人気は引き続き堅調でありながら、中国国内発のブランドも台頭著しく、ブランド間の競争が激化している、という状況があります。
アイリサーチのデータによると、中国化粧品の市場規模は2021年は約8.6兆円(4,781億元)、成長率は20.8%と、コロナの影響からV字回復をとげており、2023年には約9.2兆円に達する見込みです。
ますます成長する中国市場で、その差別化ポイントやブランドの魅力を生活者に直接体験してもらえる@cosmeのポップアップイベントは、中国進出の着実な一歩となるでしょう。
>>アイスタイルの中国オフラインイベントに関するお問い合わせはこちら
>>@cosme(中国)のサービメニュー概要についてはこちら
ウェビナー視聴者からの質問に洪が回答
上記ウェビナー申し込み時のアンケートや当日オンラインで寄せられた視聴者の問いに洪が回答します。
質問1 オフラインのイベントも有効とのことですが、規模が小さくてもオフライン施策は有効でしょうか?オンラインとの連携事例も教えてください。
回答
オフライン施策により商品体験機会を創出することは、商品を体験したKOLや一般来場者によりSNSでの情報拡散の機会を創出することでもあります。12月のイベントでは来場者数約1万人、オンラインも含めたイベントリーチ数は約500万人となりました。例えばリップクリームのA社は、オンラインでは差別化が難しく、目立たせにくい日常的に使用される商材ではありますが、こうしたリアル体験の場を活用することで、オンラインでの話題性づくりにつなげました。
質問2 中国の女性はエステや脱毛、美顔鍼などによく通いますか?コスメと同様に興味や関心は高いですか?
回答
一部の中国の女性はエステや脱毛、美顔鍼などに通うようになり、関心は高まっています。脱毛については、美容院に通う方もいれば、自宅で脱毛機器を使う方も増えてきています。「Ulike」というブランドの脱毛美容機器は日本円で4万円ほどですが、Tmall旗艦店の月間販売個数は1万個以上と、とても人気です。Z世代はスキンケアに関心が高く、ヒアルロン酸注射、ボトックス注射、ウォーターライトニードル、サーマッジ、ピコ秒レーザー等の医学美容の注目が高まっています。
質問3 中国市場での包装や原料など環境配慮やエコ、エシカル対応化粧品の需要はいかがでしょうか?メーカー、消費者の両者視点で情報がありましたら教えていただけますでしょうか
回答
エコを配慮するメーカーさんは増えております。プラスチックのパッケージを植物由来のPETで作成したり、再生資源からガラス容器を作るなど、SDGsを配慮するようになりました。個人的には、消費者はまだそこまで意識していないように思われます。今の消費者が商品を選定する際に、一番気にしているのは効果機能やコスパなどになります。同じ条件であればエコ商品を選びますが、エコ商品だけの付加価値は受け入れられにくい状況です。
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