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【タカミ】カスタマージャーニーを徹底的に見直し、さらなる成長を実現した戦略。ロングセラー製品成長の軌跡

【タカミ】カスタマージャーニーを徹底的に見直し、さらなる成長を実現した戦略。ロングセラー製品成長の軌跡 サムネイル画像

2023年2月7日に開催したウェビナー「ロングセラーブランドの成長戦略」では、日本ロレアル株式会社 ロレアル リュクス事業本部 タカミ事業部 事業部長 渡辺愛咲様にご登壇いただきました。発売から18年を迎えるロングセラー製品「タカミスキンピール」は、コロナ下でなお、販売本数、定期会員数を伸ばし、2022年は過去最高のさまざまなコスメ賞を受賞するなど躍進を遂げています。その成長要因のひとつでもある、アイスタイルグループサービスの横断的な活用方法などについて伺いました。

watanabe_aisaku_takami【今回お話をお伺いした方】
日本ロレアル株式会社 ロレアル リュクス事業本部
タカミ事業部 事業部長
渡辺愛咲(わたなべ あいさく)

タカミは、1999年に東京・表参道に開院した美容皮膚科クリニックの現場であらゆる肌と向き合ってきた経験をもとに、自宅用スキンケアの開発に携わってきたスキンケアブランドです。「生涯 美肌のかかりつけ」をミッションに掲げ、20万人※以上の肌と向き合ってきた経験から、美肌づくりの要である「角質を軸とした正しいスキンケアの習慣化」を1人でも多くの方に知ってほしいという思いでオンライン・ECを中心に拡大されてきました。発売から18年目を迎える主力商品「タカミスキンピール」は、2022年の@cosmeベストコスメアワード受賞をはじめ、同年だけでも23のコスメ賞を受賞されています。2021年には、「日本から世界のビューティをつき動かす」という戦略をもつ日本ロレアルグループの一員となり、美に関する科学的・国際的な研究実績を持つロレアルグループの知見を活かしながら、 より高い品質での製品・サービスを提供するための取組みを強化しています。

※2008年1月~2016年1月の延べ人数

オフライン以外の施策を強化するきっかけはクチコミだった

近年、オンラインを中心としたコミュニケーションだけでなく、@cosme TOKYOをはじめ、路面店やポップアップショップの出店といった新たな取り組みを強化されていますが、そのきっかけや背景はあったのでしょうか?

「『タカミ スキンピール』は、2005年の発売以来、累計販売は1,000万本を超え、愛用者数も173万人以上のロングセラー製品です。これまでは、主に自社ECでの通販事業をメインに、認知獲得のための広告出稿やイベント開催を行って、CRMを通じて成長させてきました。その一方で、@cosmeでも『タカミ スキンピールは、何をしてくれる化粧品なのかがわからない』『どこで買えるのかがわからない』といったクチコミが寄せられるようになりました。自社ECでの展開がメインだったのでおっしゃる通りなのですが、逆説的に考えると、商品についてきちんとご説明して、ここで購入できるということをしっかりお伝えし、一度手に取って試してさえいただければ、その後の購入につながるのではないかと考えました。そこで、『まずはお客様に触れていただく』『試していただく』という機会をつくるべく、自社EC以外での取組みの強化をスタートしました」

画像1_takamiタカミスキンピールは、これまで61のコスメ賞を受賞

年2回のリテールイベントを活用して、売上をベースアップ

コロナ下の2020年から2022年にかけて売上は例年150%前後と非常に大きく成長されていますが、なにが一番の要因だったのでしょうか。

「実はなにかを大きく変更したということはありません。製品の処方自体も、発売当初から一切変えていません。あえていうならば、注力ポイントをお客様とブランドの関係性づくりに今まで以上にフォーカスし、カスタマージャーニーを今一度徹底的に見直したことです。お客様がどういう導線でタカミというブランドや製品に出会い、どんな考えをもって行動されるのかを、「今」というニーズを踏まえて洗い出しました。その中で、アイスタイルグループサービスの横断的な活用を強化したり、広告の出し方を見直したり、インフルエンサー施策をしたりという、今の化粧品業界ではごく当たり前といわれていることに、必要なポイントに向けて改めて注力するようにしました」

ECおよび店舗のリテール売上推移では、@cosmeのECイベントを上手に活用されており、売上もベースアップしているのがわかります。毎年、@cosmeではリテールのお祭りとして、12月に@cosme BEAUTY DAY6月に@cosme SPECIAL WEEKを実施しています。こうしたイベント時に大きく売上を作ることができており、この2年間でオンラインだけでなく、オフラインでも売上が伸長されました

画像2_takamiアイスタイルで実施した施策と@cosmeリテール売上推移

2年連続で8月体験型コンテンツの制作を実施していただいているのですが、実はここがちょっとしたポイントになっています。8月に体験型コンテンツを実施して、約1カ月の掲載期間が終わり、プレゼントに当選されたお客様のお手元に製品が届くのがちょうど9月下旬から10月ぐらい、そしてお客様が実際に使用してみた感想をクチコミで投稿されるのがだいたい10月から11月ぐらい、スキンケアなので、メイクアイテムよりも少し長めに使って実感を持ってクチコミされる方が多いです。そのフレッシュなクチコミをご覧になった方が、12月の@cosme BEAUTY DAYで「私も体験してみたいとお買い求めになる流れを作ることができました。@cosmeで購入した方は、@cosme以外のチャネルで購入した方よりもクチコミ投稿率が高いということもわかっており、購入したユーザーがクチコミをして、それを見たユーザーがまた購入して・・・というよい循環が起こりやすいのも特徴です。

「その循環の効果はものすごく実感しています。@cosmeのユーザーはコスメ感度が非常に高く、かつ使ってみてよかったものをクチコミを通して誰かに教えたいという気持ちが強いと感じています。体験型コンテンツでは、『青い瓶の秘密』というキャッチーなタイトルを全面に出し、この青い小瓶は一体何なのか、何をしてくれる化粧品なのかというのを正確に伝えるという方針で、構成やデザインを何度も直し、満足のいくかたちでコンテンツを展開することができました。@cosmeを活用したリテール面でのさまざまな取組みは、売上を立てるという観点以外でも大変価値があると感じており、その部分を重要視しながらアイスタイルさんとの施策を展開しています」

image2-1タカミの体験型コンテンツ実施例

@cosme TOKYOでは、常設の壁面パネルのほか、@cosme TOKYOの最大の魅力の一つである「気軽に試せる」を実現するために、店内各所にテスターを置いてタッチポイントを設けていました。店頭に置くパネル一つとっても、伝え方一つひとつに本当に気を配っていらっしゃって、言葉を大事にされているのだなと感じました。

20230211_5@cosme TOKYOでの展示例。気軽に試せるタッチポイントを店内に複数設置

「お客様にどのように伝わるのかというのは、常に気をつけていますね。お客様にどう思っていただくかがとても大事だと考えているので。そこで興味持ってくださった方が、実際に手に取って試していただき、気に入ったら購入するというよいサイクルが生まれているのを感じます」

お客様目線でカスタマージャーニーを作っていくことが大事

クリニック発のブランドだからこそ、お客様一人ひとりに寄り添ってソリューションを提供し、関係性を構築されてきたタカミですが、御社が考える「理想のユーザー体験」や、アイスタイルに今後期待することについて教えてください。

「商品との出会い方、試し方は人それぞれだと思うので、商品との出会いから体験、購入、その後またリピートしていただくという一連のジャーニーをどれだけお客様目線で作っていけるかが大事だと思っています。それは、お客様をある型にはめこむということではなく、お客様一人ひとりに合わせて最もカスタマーサクセスが得られるかたちで提供していくことが大切なので、アイスタイルさんとの情報交換会などの取り組みも定期的に実施させていただいています。なぜなら、ほとんどのお客様が@cosmeのプラットフォームを何かしらのかたちで通過するというのがわかっているからです。@cosmeのプラットフォームで商品の情報に触れたときに、興味を持ってもらって、疑問があればブランドのページやブログ、メールマガジン、クチコミなどをみて『このブランドは信頼できるな』と思っていただけるようなよい状態を常に作っておきたいと考えています。そうした当たり前の積み重ねを徹底して行っていき、お客様との関係性をどれだけ質高く保ち続けていけるのかというところにつなげていきたいと思っています。

20230211_6ブランドページに掲載したブログ記事

今後アイスタイルさんにこれから期待することとしては、お客様との関係構築の部分で、1回購入してくださったお客様に対して、効果実感や使い方のアフターフォローなどを半年後、1年後、2年後に再度アプローチする仕組みをつくり、理想のユーザー体験につなげるきっかけづくりができるとよいなと思います」

貴重なお話、ご意見ありがとうございました。

Text:カレイドスタイル

 

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