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プレゼント需要はZ世代のブランドエントリーの機会にも│6,936名の@cosmeメンバーに聞いた「化粧品プレゼントに関するアンケート」調査結果

プレゼント需要はZ世代のブランドエントリーの機会にも│6,936名の@cosmeメンバーに聞いた「化粧品プレゼントに関するアンケート」調査結果 サムネイル画像

アイスタイルには、「@cosme(アットコスメ)」に蓄積された1,800万件を超える膨大なクチコミをはじめ、アクセスデータや意識調査・インタビューを通して、生活者に触れ続けているリサーチチームがあります。今回は「化粧品のプレゼント」 をテーマに行った調査をもとに、彼らの知見とデータをご紹介します。

>>本コラムの「データ集」はこちら ※コラムでは世代別の傾向がわかる非公開データ掲載!

はじめに

@cosmeに寄せられるクチコミには「出産祝いにプレゼントしました」「友達からプレゼントで貰った」といった化粧品を贈ったりもらったりする様子も書かれています。クチコミの中で使われる「プレゼント」または「ギフト」というワードは毎年12月に最大化し、クチコミにおいても年末は化粧品のギフトシーズンとなっています。

矢野経済研究所の調査結果(※)によると、2020年以降のコロナ禍においてのギフト市場は、フォーマルギフト贈呈機会が激減する一方、「誕生日」や「母の日」といったより近しい間柄で贈られるカジュアルギフトは好調に推移するなど、オケージョンごとに異なる様相を示し、ギフトを介したコミュニケーションは、コロナ禍においては人と気軽に会えなくなったことで、改めて気持ちを伝える手段として見直されるようになっているそうです。

※出典:(株)矢野経済研究所「ギフト市場に関する調査(2021年)」2022年1月28日発表注:2021年10月~12月にギフト卸・メーカー、小売等を対象に実施した市場調査結果、ギフト市場には個人・法人における贈り物や進物などを対象とし、中元・歳暮需要を含む。

このような中で、化粧品においてもプレゼントは増加しているのでしょうか。今回はアンケート対象者である15~59歳の女性@cosmeプロデュースメンバーを以下4つの世代に分類し、@cosmeにおけるコロナ禍での化粧品プレゼントの実態を世代別に調べました。

説明

Z世代を中心に コロナ禍での化粧品プレゼント機会が増加

全体の8割弱が化粧品プレゼントの経験あり。クチコミでの出現率もコロナ前の1.3倍に

「あなたはこの2〜3年家族や友人、知人、同僚などに、化粧品のプレゼントを贈った、もしくはもらった経験がありますか」と聴取したところ、全体の約79%がいずれかの経験があると回答。さらに約37%が「この2〜3年の間で化粧品のプレゼントを贈ったりもらったりする機会が増えたと思う」と回答しました。@cosmeのクチコミにおいても、「プレゼント」というワードの出現率はコロナ前の1.3倍に増加しています(※)。

(※)直近1年間 (2021年9月~2022年8月/購入品に限る)の出現率と、3年前(2018年9月~2019年8月)とを比較

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化粧品のプレゼントはZ世代が大きくリード。Z世代の6割弱が「この2〜3年で増えたと思う」

世代別に見ると、Z世代(ここでは2022年時点で15~25歳と定義)の約90%がこの2~3年で化粧品を贈ったりもらったりしており、約59%がその機会の増加を実感していることが分かりました。これは他世代と比べてそれぞれ+13ポイント、+26ポイントも高い結果です。

アンケート2-1

さらにこの2〜3年でプレゼント機会が増えたと思うかを、「化粧品」と「化粧品以外」の両方について聴取したところ、他世代では「化粧品以外」が化粧品を上回ったのに対し、Z世代でのみ「化粧品」の方が増えたという結果になりました。化粧品をプレゼントとして贈ったりもらったりという機会は、Z世代が牽引して増加傾向にあると言えそうです。

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Z世代がもらってうれしいコスメは「ディオールの口紅・リップ」

@cosmeのクチコミやQ&Aでは「化粧品は人によって好き嫌いがあるため、プレゼントするのは難しい」という声も見られます。実際、今回のアンケートでは、全体の約25%が「化粧品をプレゼントされて困った経験がある」と回答しています。
そこで、@cosmeメンバーの「プレゼントとしてもらってうれしかったコスメ、印象に残っているコスメ」を聞いてみました。

世代を問わず喜ばれるのはディオールやシャネルの口紅・リップ!Z世代ではジルスチュアートやイプサも人気

アンケート3-1

もっとも多く挙げられたものは、ディオールシャネルの口紅やリップアイテムで、どの世代でも上位5位以内に挙げられており世代を越えて喜ばれるようです。

アンケート4
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その一方で世代による違いも見られました。Z世代では ジルスチュアートの口紅・リップ、イプサのスキンケアが挙げられている点が特徴的で、いずれもクチコミではパッケージへの評価が高いブランドです。Z世代にとっては『見た目の映え』もプレゼントに欠かせない要素であるようです。

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Y世代/X世代/バブル世代(ここでは2022年時点で36‐59歳と定義)では、ロクシタンシャネルのハンドクリーム、ディオールの香水(ヘア・ボディケアアイテムも含む)、SK-IIのスキンケアなど、パーツケアアイテムが上位に挙げられました。

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お菓子以上、でも残るものより重くない。化粧品は相手への特別感が伝わるプレゼント

「もらってうれしかったコスメ」には世代の違いが見られましたが、化粧品プレゼントに込められた気持ちに世代の違いはないようです。「あなたが家族や友人、知人、同僚などに化粧品をプレゼントするのはなぜですか。お菓子や生活雑貨をプレゼントすることと、化粧品をプレゼントすることにどんな違いがありますか」と質問したところ、このような回答が寄せられました。

■ お菓子や生活雑貨をプレゼントすることもあるが、化粧品をあげるのは沢山考えることがあるから「ちゃんと私のことを見てくれているんだな」という印象を与えやすいから。 (19歳/Z世代/未婚)

■ お菓子や生活雑貨の贈り物は、相手とそれ程親しくなくても気軽にプレゼントしやすいですが、化粧品はより相手のパーソナリティを知っていなければ喜んでもらいにくいジャンルだと思います。その為、「あなたは特別!」という親愛の気持ちを表したい時に化粧品を送る事が多いです。 (37歳/Y世代/既婚)

■ 化粧品をプレゼントする方は自分にとって特別な方。関係性の違いだと思います。 (41歳/Y世代/既婚)

化粧品はお菓子や雑貨よりも、人によって似合うかどうかや好みがあり、選ぶのが難しいプレゼントだからこそ、もらった時に特別感が伝わるプレゼントだと思われているようです。

高価かどうかというだけでなく、選ぶのにかかる時間や相手のことをどれだけ思い描いたかといったプレゼントするまでの過程が、化粧品をもらってうれしいという気持ちに比例しているのだと推察されます。化粧品のプレゼントは、相手に対する特別な思いが込められているようです。 

アンケート11

リスクを恐れるZ世代にとってプレゼントは効率的なブランドエントリーになる?

コスメを贈る理由やもらってうれしかった理由として最も挙げられたのは、普段自分では買わない、買えないものとの『初めての出会い』でした。プレゼントをきっかけに、初めてのデパコスや使ったことのないブランドやアイテム、普段自分では選ばないカラー、香りなどと出会う様子がすべての世代で3割前後見られます。

アンケート12
普段買わない/買えないような高額な化粧品は、プレゼントとしてもらったときはうれしくても、その後自ら購入しないことも考えられますが、リピート購入に繋がるケースも見られました。特にZ世代においては、「プレゼントされたことがきっかけで、そのブランドや商品を好きになったことがある」という質問への回答が他世代よりも8ポイント上回っています。

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おわりに

自身の支出を伴わないプレゼントという形で「初めてのブランドや化粧品」を手にすることは、失敗を恐れリスクを回避する傾向が高いと言われるZ世代ならではの合理的な考えとも考えられます。
今後、若年層の行動変容を促す機会として、プレゼントの重要性はますます高まるかもしれません。

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■調査概要
調査地域 :全国
調査方法 :Web調査
調査タイトル :化粧品に関するアンケート
調査時期 :2022年8月25日(木)~28日(日)
調査対象者:@cosmeプロデュースメンバー 女性 15-59歳(@cosmeの年代構成比に合わせ割付)
調査対象者数:6,936

>>調査結果詳細はこちらをご覧ください

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