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リアルタイムな猛暑の気持ちと 秋の気配も入り混じった8月のクチコミトレンド

リアルタイムな猛暑の気持ちと 秋の気配も入り混じった8月のクチコミトレンド サムネイル画像

アイスタイルのリサーチチームが@cosmeに投稿されたクチコミトレンドについて考察する本コラム。コロナ禍後の夏ということもありユーザーの動きが活発となった今年の8月。そのユーザーの気持ちはクチコミにも現れていました。さて、例年にない暑さに翻弄されたユーザーの心理とは!?

※本コラムは、@cosmeトレンド情報便2023年10月版でお届けしている<2023年8月度 @cosme投稿クチコミからみる、最新トレンド>の内容をリサーチチームに解説いただいています。トレンド便はこちら


目次
1. 8月のクチコミトレンドまとめ
2. 8月のクチコミキーワード6選
 ①「ダスキーローズ」「フレンチフィグ」「メロウピンク」「400番」
 ②「リキッドアイシャドウ」
 ③「厚み/使い捨てタオル」
 ④「メンズ用」
 ⑤「ヘアフレグランス」
 ⑥「タッチアップ」

 

8月のクチコミトレンドまとめ

記録的な暑さがもたらした例年と違うユーザー心理

にしはらだ1012

アイスタイル リサーチチーム (左から)原田彩子、西原羽衣子

 

西原 今年8月のクチコミトレンドとして特徴的なものは大きく2つあると思います。ひとつは「生活を楽しむという外に向かう気持ち」、そして「高温多湿という気候による影響」。どちらも例年以上にユーザーに影響を与えたように感じます。

原田 単に暑いからスースーした冷感のものではなく、「雑菌が気になる」とか 「臭いが気になる」といった物理的な涼しさを求めるだけでなく、その先にある悩みというのがクチコミとして現れたのは新しい傾向だと思います。

西原 個人的には「多毛」というのが気になっていまして。本来、季節はあまり関係のないキーワードなんですが、この夏に出てきたというのは髪の毛が湿気で膨らんで、「もうまとまりがつかない!」というユーザーの切なるニーズなのかなと思っています。新たな髪悩みのジャンルとして『夏の多毛感』というのも出てくるのではないかと思います。ファッションと同じで気候の影響はコスメ選びにしても大きな要因のひとつだということだと思います。

原田 また「汗」関連のキーワードも多くなりました。「汗かぶれ」「滝汗」「脇ボトックス」などのクチコミが増加傾向で、体毛がないことで汗がかきやすくなっているとか、サウナブームで汗がかきやすくなっているとか、その辺の「汗需要」も今後より活性化するのかな?と注目しています。

西原 そうですね。ここ数年、ユーザーの汗との付き合い方が変わってきているなという印象はあります。とても季節に敏感になってきていますね。暑くなってきたとか寒くなってきたとか、ちゃんとその季節性がクチコミにも現れています。今年は特にその傾向が強い!

原田 「メンズ用」が上がってきているのもその影響かもしれません。脂とか汗とか臭いとか、メンズ用の方が強い効果が期待できるというイメージがあるからなのか、ユーザーが普段のケアにうまく取り入れているというのも面白いですね。

西原 また一般的に8月はコスメの購入意欲が高まる季節というわけではないのですが、秋コスメの新発売情報が出てくるタイミングでもあります。暑いなーという気持ちと早く出ないかなーという気持ちの時間軸のズレが広がってきているのではないでしょうか。コアなユーザーは秋コスメについて早く知りたがり、一般的なライトユーザーは10月の涼しくなってきてからようやく秋コスメを意識し始めると思いますので、誰向けの情報発信なのかをブランドは意識した方がよいかもしれません。

原田 「欲しい時にいつでも好きなところで買う」が大半のユーザーの購買意識だと思いますので、やはり季節が動かないとそこまでの気持ちにならないのではないでしょうか。ただコアなユーザーは美容意識が高いので、その辺のユーザーたちの気持ちが混在している季節だったと言えるかもしれません。

8月の注目クチコミキーワード6選

脱マスクで他人に見られる事を意識したピンクとキラキラ

クチコミトレンド1-2
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西原 コロナ禍はオレンジや赤といった色が人気だったので個人的にはピンクが戻ってきたな!って印象です。ピンクは人に見られてもカワイイ色だと思うので、、つまりはひと目を気にするようになってきたということの裏返しかなと思っています

原田 今回セレクトされたアイテムが多岐に渡っているのも面白いですね。目、口などパーツごとではなく、全体的にワントーンで揃えたいっていうのが今の気持ちかなとか

西原 もちろん、アイシャドウが人気のアイテムですが、アイブロウとかのチョイスも興味深い!

原田 リキッドアイシャドウでキラキラを足すっていうのは、ポイントメイクで盛るって事だと思うのでメイクのトレンドが落ち着いたということではなさそうだけど…

西原 キラキラをどこまで追求するかって感じかも。今季は高いところは高く、低いところは低くといった陰影を見せるメイクが流行っているので、いかに立体的に見せるかということなのかもしれない。ずっとマスクで覆っていた顔を久々に出すにあたり、その辺も気にしているんじゃないかな

原田 また冬とか花粉症の季節になったらマスクをする時間もまた増えそうなので、状況に応じての使い分けも増えていきそう

 

肌に優しくしたいというマスク生活での学び

クチコミトレンド3-4

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西原 『摩擦レス』ってキーワードが一時期よりも落ち着いてきているけど、こういうキーワードが出るってことはまだまだ関心が高いってことかなと。こすれると肌が荒れるという、肌に悪いことをコロナ禍のマスク生活の中で学んだと思う。肌状態がいつもと違うことを意識するようになったんじゃないかな。肌のいい時、悪い時が気になるようになったのかもしれないね。肌荒れの原因がタオルなんじゃないかっていう噂もあって、じゃあ、使い捨ての方が衛生的だし、いいこといっぱいじゃんって。無駄をしているようにも見えるし、環境を優先するよりもラクをしているっていう後ろめたい気持ちもあると思うんだけど、今年は暑かったから雑菌も怖いし...って言い訳がしやすかったんじゃないかな。今年っぽいキーワードですね

原田 以前からラクとか摩擦レスという内容からジワジワきていたキーワードですけど、今年の夏は雑菌対策というそのメリットが言われているのが特徴的ですね

 

迷惑をかけずにひとりで楽しみたい香りと新しい出会いの提案

クチコミトレンド5-6

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原田 コロナ禍になって唯一といっていいほど投稿がのびたのが『フレグランス』。お香のように香りを自分で楽しんだり、気分転換だったりとその楽しみ方に改めて気づいたのかもしれないなと思う。そして自分のための楽しみ方ということで、周りに迷惑をかけないというアイテムの選び方をしているのも非常に興味深いところ。今回紹介しているアイテムは、実はヘアフレグランスではなくって、ヘアトリートメントの香りが持続的にヘアフレグランスのように楽しめるというもの。つまりフレグランスというよりもヘアケアアイテムの香りを重視しているということだと思ってるのね。残り香として楽しむには周りに気づかれずに自分だけが楽しむという点においてちょうどいいのかもしれない

西原 日本人は人に迷惑をかけるということをとても気にすると思うので、これまでもフレグランスというのは取り入れるのが難しかった面があったのよね。香害(こうがい)なんて言われちゃうくらいなんで。なので、香りの楽しみ方に気づいた人達がフレグランスよりも手軽に楽しめるものとして支持しているのかもしれないな

原田 コロナ禍でお店に行ったとしても何も触れなかった、してもらえなかった、そうした経験を経てのタッチアップですね。そもそもタッチアップを経験したことがない人も多いと思うので、お客様との接点づくりという意味ではこれからも増えていくのではないかと思ってます

西原 このキーワードが出てきてほんと良かったなって思う。タッチアップという新しいコスメとの出会いに価値を感じているのではないかなー。ユーザーは新たなコスメの楽しみ方を提案して欲しいということなのかもしれませんね

 

おわりに

とにかく暑かった今年の8月。コロナ後の「外に出たい!」「人に会いたい!」と浮足立つ気持ちと暑さにげんなりする気持ちとがクチコミの中にもうかがえました。最近はすっかり涼しくなって、街ゆくみなさんもいよいよ本格的にファッションもメイクも秋仕様の装いになってきました。さて、来月の夏の終わりと秋の始まりのクチコミトレンドにも注目です!

 

Text:@cosme for BUSINESS編集部

 

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