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ユーザーにとって「良い」存在になるには?|連載:@cosme編集長の「いつもなにかを考えている」Vol.13

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@cosme編集長・篠田による定期連載。ユーザーの姿を通して気づいたこと、そしてちょっと先の未来のことなどについて独自の目線で語ります。Vol.13のテーマは@cosmeというプラットフォームの「存在意義」について。

コロナ禍に考えた、@cosmeの理想の姿

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なんとなくすっきりしない天気が続いています。例年よりも梅雨入りが早まりそうだ、とのニュースも見ました。気圧の変化や高い湿度などで、心や体調がゆらぎがちなこの季節、改めて@cosmeの5月・6月の特集「心も身体もヘルシーに」を読み返しているところです。

そして、コロナ禍はもう少し続きそうな気配。先の見えない状態は、自覚していなくても精神的な負担を及ぼしているように感じます。なんとなく停滞したムードのような感じ。

そんな毎日のなかで私が考えているのは、@cosmeの理想の姿。ユーザーにとって、ブランドにとってどういう状態が理想なのか。そう考えていくと、ユーザーであるひとりひとりの理想の状態を考えることに辿り着きました。

 

ユーザーにとって「良い」存在とは?

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ユーザーの数だけ人生があるので、正解はひとつではありません。@cosmeがサービスとしてこの社会に存在している以上、ユーザーにとって「良い」存在になりたいと思っています。ではユーザーにとって「良い」存在とは一体なんなんでしょうか。

現時点で考えたユーザーにとって「良い」存在とは、以下の3つを満たしているもの。

・プレッシャーを与えない
・個人個人のインスピレーション源になる
・信頼できる情報の提供

まずひとつめの「プレッシャーを与えない」。美容の世界にいると、なぜかベクトルが「美しくなること」への一方向であることが多い。まずは、ここを変えていきたい。「美しくなること」という一方向のメッセージは、無意識のプレッシャーを植え付けかねません。特に、コロナ禍や様々な社会問題が起きているいま、「美しくなろう」というメッセージはプレッシャーになると感じています。無意識だとしても、プレッシャーになるメッセージの発信は、ユーザーにとって「良い」存在とは言えません。

ふたつめは「個人個人のインスピレーション源になる」。インスピレーション源になる、というのは、情報の受け取り手が「あっ!これ好き」とか「やってみたい!」のように、何かしらのアクションの動機になるもの。@cosmeでいうと、「このメイクやってみたい!」や「こうやってスキンケアするといいのかぁ…」といった気持ちに作用する情報の発信です。これは、ユーザーの数だけ趣味嗜好が異なるので、なかなか大変な作業がともないます。が、「@cosmeを見ると自分のテンションがアガる」という認識が定着すれば、@cosmeはユーザーにとって「良い」存在と言えるようになります。

そして最後の「信頼できる情報の提供」。これは言わずもがなで、@cosmeを見ると、美容の信頼できる情報をたくさん知ることがでる、というのはユーザーにとって「良い」存在と言えるでしょう。

 

@cosmeがブランドへできること

ユーザーにとって「良い」存在になると同時に、@cosmeはブランドにとっても「良い」存在でありたいと考えています。

編集者としてでき得ることは、ユーザーの心理を捉えて、ブランドへ新たな価値観を伝えていくこと。いま、ユーザーはどういう気持ちで美容と向き合っているか。それをブランドへ伝え、どうユーザーに働きかけていこうか、を一緒に考えていく。それが、@cosmeの編集者としてブランドにできることだと考えています。

ユーザーの心理は、世界の情勢や経済状況などの影響を大いに受けています。だからこそ「いま」を常に見据え、あらゆる価値観のアップデートをしていくことが必要なのです。先ほどお伝えしたユーザーにとって「良い」存在であるために考えた3つの事柄も、状況が変われば変わるかもしれません。

これまで「美しくなること」だけの一方向で動いていたのなら、一旦歩みを止めて、美容を通じて自分はどんな価値をユーザーに提供したいのか、考えてみることをおすすめします。きっと正解はひとつではないし、私も日々考えています。衣食住とは違って、生きてくうえで必須ではないかもしれない美容をどう再構築していきますか?

 

この連載に対するご意見・ご感想などぜひお聞かせください。より良い美容業界のためにみなさまと対話していけたらと思っております。

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写真・文/篠田慶子

 

 

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profile

篠田慶子(しのだ けいこ)

@cosme編集長。東京都生まれ。大学卒業後、ファッション誌でスタイリスト・編集者を経験。その後、フリーペーパーの編集者を経て、株式会社メディアジーンにてcafeglobe編集長、GLITTY編集長を経て、2017年10月に独立し、現職に至る。Pinterestのフォロワー数は26万人を超える。

 

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