中国国家薬品監督管理局(NMPA)の2021年1月の発表によると、中国の化粧品市場は世界2位にまで成長しました。こうしたなかで中国市場開拓を考えるビューティブランド向けに、アイスタイルグループでは実効性の高い進出支援サービスを各種展開しています。
天猫国際と共同で1商品から直送できる越境EC出店プラン
日本企業の中国進出は企業側だけでなく、中国の消費者からも期待されています。中国国内では新型コロナ感染症を収束させた中国ですが、世界的なパンデミックの影響で海外への渡航制限が続いており、従来は日本への旅行の際に化粧品ショッピングを楽しんでいた消費者によるオンラインでの輸入品需要が高まっています。
旅行時のように、店頭で新しい商品と出会う機会がなくなったため、ECサイトでは未上陸の海外ブランドや製品を紹介することが求められており、プラットフォーム側は中小企業を含む新規ブランドの誘致を進めています。
2019年3月、Tmall Global(天猫国際)が開始した「Tmall Overseas Fulfillment(天猫海外フルフィルメント、以下TOF)」もこうした施策の1つで、海外企業の参入ハードルを下げるソリューションです。これは、日本や韓国、米国など複数の国と地域に設けられたTmall Globalの海外倉庫から中国の消費者に商品を直接発送するモデルで、企業が自国内に商品を置き、中国での在庫リスクを避けて、少量から越境ECに進出することを可能にするものです。
アイスタイルではTmall Globalと共同で、「Tmall Global×@cosme 中国直輸出プロジェクト」を2020年10月からスタートしました。
このプロジェクトはTOFをベースに、Tmall Global に開設した「天猫国際日本直送@cosmeモール」と越境EC大手のKaolaに商品を出品、日本国内の倉庫から中国の消費者に配送するというものです。直営店を設ける必要がなく1商品から出店できるうえ、中国で知名度が高く、WeiboやWeChatのフォロワー数も多い@cosmeの店舗に出店することで、認知がまだ低いブランドでも中国客の目にとまりやすくなります。
さらにブランド最大のメリットは、小ロットでの出品ができるところにあります。日本の倉庫利用料は90日間無料、輸入作業の代行料は商品ページの制作費の1万円からと、費用面での負担が少ないのも利点で、すでに150ブランドが参加を表明しています。
ブランドが直接、Tmall やTmall Globalで店舗を開くのはハードルが高く、各プラットフォームの審査を通過するためには、売れる見込みのあるブランドとして認知される必要があります。また、中国への本格進出となれば中国薬事当局への申請が必須で、時間や費用も膨大にかかります。このためカラーコスメなどSKU数が多いものでは参入障壁はより高くなります。
アイスタイルトレーディング 海外営業部 部長 多々昂求は「戦略を立てるにしても、まずは小規模で進出し、中国ではどの商品が、どのように、誰に売れるのかを知ることが重要だ。この中国直輸出プロジェクトに参加して売上につながれば、プラットフォームへのアピールにもなる」とプロジェクトの意義を説明。また、現地やプラットフォームに対する評判形成には、日本の@cosmeにおけるクチコミの点数や投稿件数が中国でも訴求ポイントになるとしています。
>>>越境EC出店プラン(中国初進出支援)のお問い合わせ・資料ダウンロードはこちら
日本からの越境ライブコマースOver The Border
さらにアイスタイルでは、2020年9月に、美容ブランドの中国進出をサポートする100%子会社のOver The Borderを設立し、日本からの越境ライブコマースを配信しています。
株式会社Over The Border代表取締役 倉島應介が「モノを売るという点では化粧品の販売員が一番スキルもナレッジもある」と話すように、原宿の旗艦店@cosme TOKYOや@cosme STOREなどの実店舗で働く在日中国人の販売スタッフをライバーとして育成し、越境MCN(マルチチャンネルネットワーク)をOver The Borderは運営しています。@cosmeの店舗では多数のブランドを取り扱うため、販売スタッフが1つのブランドに偏ることなく、幅広い知識を持っているのもアイスタイルの強みです。
>>>Over The Borderの越境MCNサービス(越境マーケティング支援)のお問い合わせ・資料ダウンロードはこちら
定期的に@cosme TOKYO内にあるスタジオから中国向けにライブコマースを配信するほか、日本在住の中国人KOL(キーオピニオンリーダー)に商品紹介の依頼も行います。倉島は「トップライバーだけでなく、日本の商品を売ることにたけた中堅KOLに依頼することも多い」とし、美容系KOLよりも、ファッション系や自身のブランドを持っているKOLが中国のユーザーに対して説得力があり、エンゲージメントも高い傾向にあると現状を明かします。
実際にOPERA LIPTINT(オペラ リップティント)のライブコマースでは、ROAS (投資した広告コスト回収率)500%以上を達成しています。
OPERA LIPTINTのライブ配信
イベント開催など中国現地でも活発なプロモーション活動が可能
アイスタイルでは、以前から中国現地で販売やプロモーションをしたいという声に応えてきました。Tmall GlobalやKaola、RED(小紅書)、JD.comに、それぞれ@cosme旗艦店をもち、上海に拠点を置くistyle Chinaでは、中国現地でKOLを活用したイベントや、@cosmeポップアップショップ、動画などのクリエイティブ制作、SNS運用などを担当しています。
直近では、2021年3月22日〜28日の期間、上海のショッピングモールMetro Cityにて桜をテーマにした「@cosme Popup Event」を開催しました。20ブランドが展示に参加し、3,000人以上が来場したほか、40名のRED KOLが取材に訪れ、主要メディア20社が同イベントを取り上げて配信し、オンライン・オフラインの露出は500万回超を記録しました。
上海での@cosme Popup Event
さらに今後は、2021年6月中旬に上半期ベストコスメアワードと618年中キャンペーンを兼ねたイベントの開催や、12月にはベストコスメ大賞イベントを中国主要都市で行う予定です。
このように、日本からの直送、中国での越境ECにおいて、SNSでの拡散から集客、販売まで知見を積み上げ、かつサポート体制が整っているのがアイスタイルグループです。
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