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受賞をきっかけに広がる中華圏マーケティング。台湾・香港の@cosmeベストコスメアワード2021

受賞をきっかけに広がる中華圏マーケティング。台湾・香港の@cosmeベストコスメアワード2021 サムネイル画像

2021年12月9日に発表となった「@cosmeべストコスメアワード2021」。同日、台湾と香港の@cosmeでもベストコスメアワードが発表されました。今回は台湾と香港の生活者のクチコミが反映された、それぞれの受賞アイテムの傾向を詳しくレポートします。また、それぞれのアワード関連イベントや、中華圏マーケティングにも活用できるベスコス受賞ブランド向けプロモーションについてもご紹介します。

台湾国内発ブランドが徐々に存在感を増す台湾のベストコスメアワード

20211221_top2台湾の@cosmeベストコスメアワード2021 特設ページ

台湾の@cosmeベストコスメアワードは2021年で18年目※。今年は4537件のクチコミと73,045件の対象アイテムから、「総合賞(13位)」はじめ、38カテゴリー別の「年度大賞」、3年連続で年度大賞1位を受賞したアイテムや、5年連続で年度大賞1〜3位のいずれかを受賞したアイテムが対象の「殿堂賞」、2021年下半期の新商品に贈られる「下半期新秀賞」、クチコミへのトレンドキーワード出現率などを選出基準とした「趨勢賞(トレンドアワード)」の5部門で、計103アイテムを選出しました。

2020年まではUrCosme網友評鑑美妝賞として実施

ここ数年で、台湾国内発のブランドが徐々に存在感を増している台湾の化粧品市場。今年のベストコスメアワードに選出された顔ぶれを見ても、クリーンビューティの「綠藤生機(Greenvines)」や、ドグターズコスメの「達爾膚(DR.WU)」、フェイスマスクの「提提研(Timeless Truth Mask)」など、台湾勢は約12%と2年前から約1.5倍に増えました。一方で日本ブランドが占める割合は約27%と、台湾ブランドに押され、年々微減してきている格好です。しかしながら、日本ブランドが占める割合は欧米ブランドの58%に次いで高く、親日家が多く日本ブランドのコスメを愛用する人も多い台湾市場の特徴を反映しているといえるでしょう。

今年、台湾の総合大賞(総合賞1位)を受賞したのは、ランコムの美容液「ジェニフィック アドバンスト N」でした。2020年には総合賞2位であった同アイテムが、今年は総合大賞となりました。総合賞2位は資生堂 アネッサの日焼け止め「パーフェクトUV スキンケアミルク a」、同3位はクラランスの目もと用美容液「トータル アイ インテンス」で、いずれもここ数年で各カテゴリの年度大賞などを受賞していたり、安定してランキング上位を推移していた商品でした。

20211221_6台湾の@cosmeべストコスメアワード2021 総合賞(1〜3位)

また、2021年最も関心を集めたトレンドキーワードとして「後疫情保養(WITHコロナ時代のスキンケア)」、「儀式感香氛(マスクによりメイクが制限される環境下において自己表現や癒しのため儀式的にフレグランスを使用すること)」、「不沾口罩妝(マスクにつかないメイク)」の3つが発表され、それぞれのキーワードとクチコミに高い相関が見られたアイテムなどがトレンドアワードに選出されました。 

台湾の@cosmeに蓄積されるデータをもとに、台湾コスメ市場のトレンド・消費者行動の分析や予測を行なうCMRI(Cosmetic Marketing Research Institution:コスメマーケティング総研)は、コロナ禍において長時間マスクをしていることによる肌荒れなどから、スキンケアに注目する生活者が増えていると2021年の傾向を分析しており、この辺りは日本の状況とも共通する部分です。

ほかにも、台湾の@cosme ベストコスメアワード2021特集ページでは、コアユーザー100人をフィーチャーして讃えるとともに、各ユーザーのプロフィール写真に、そのユーザーの書いたクチコミ一覧へのリンクを設置したコーナーも設けました。1月には、この100人に対し、"美と愛と話題に富んだメンバー"であることを賞する「紅唇賞」の授賞式や、ベストコスメ受賞商品のお試しなどのアクテビティを楽しんでもらうミートアップイベントを実施し、参加者と協賛ブランドの交流の場として、その様子をSNSでも拡散する予定です。

20211221_42020年の紅唇賞イベントより

また、オフラインでは1220日から116日まで、地下鉄、台北MRTの電車内広告も掲出し、クリスマスや年末年始をまたぎ、台北の街にベストコスメアワードのムードを醸成します。

20211221_10台北MRTの電車内広告

KOLが盛り上げ、香港内外からの注目度高い香港のベストコスメアワード

20211221_5香港の@cosmeベストコスメアワード2021特設ページ

一方、香港の@cosme べストコスメアワード2021は、15,000件のクチコミと約24,000件の対象アイテムから、「総合賞トップ10」と30カテゴリの「部門賞」で計85アイテムを選出しました。

香港の@cosmeでは2020年に初めてベストコスメを発表。前年と比較して2021年は、対象商品数、クチコミ数も増加し、香港の市場のトレンドや嗜好性をより反映したバランスの良い受賞商品のラインナップになりました。

香港の総合大賞(総合賞1位)は、日本と台湾ですでにベストコスメ殿堂入りを果たしている資生堂 フィーノ「プレミアムタッチ 浸透美容液 ヘアマスク」、2位も日本でベストコスメ殿堂入りしているオペラ「リップティント N」、3位はポイントメイク落としのビフェスタ「ミセラーアイメイクアップリムーバー」でした。

総合賞トップ10のうち6つがヘアケアやアイメイク・アイケア関連のアイテムであったことを、香港の@cosmeは「マスク生活が長くなる中で、マスクから露出している部分への注目度が高まったことが要因」と見ています。

20211221_7-3-4香港の@cosmeべストコスメアワード2021 総合賞(1〜3位)

また、ベストコスメアワードと同時発表した、香港の@cosme STOREの販売実績から選出する「香港 @cosme STORE ベストヒット賞」の1位は、こちらも日本ではベストコスメ殿堂入りしている、眉用ブラシ、パウダー、ペンシルが一体になったエクセルの「パウダー&ペンシル アイブロウEX」でした。ほかにもキャンメイク「クリーミータッチライナー」や花王ソフィーナ「Primavista Ange」などが入賞となりました。

香港の@cosmeでは、ベストコスメアワードの発表に先立ち、121日からInstagramでハッシュタグイベントを実施。17人のKOLらが、「#香港美妆大赏2021」「#香港用家严選択(香港のユーザーが選んだ)」「#全年最佳好用產品(今年の最高の製品)」などのハッシュタグをつけた、自身の2021年マイベストコスメの投稿に無償で応じ、今年のベストコスメアワードを盛り上げてくださいました。

香港のKOLによるマイベストコスメのInstagram投稿

結果発表後は、香港の約50メディアで受賞アイテムの情報をとりあげられた2020年に続き、2021年も同規模で報じられる見込みです。

20211221_9

香港版Yahoo!のトップ記事として報じられたベストコスメアワード2021
香港市場における@cosmeベストコスメアワードの注目度の高さが窺い知ることができます

中国大陸の@cosmeフォロワーにも拡散。中華圏マーケティングの開始地点としての台湾・香港

台湾・香港の@cosmeのベストコスメアワードの結果発表は、中国大陸の@cosme 公式Wechatのフォロワー約11.5万人にも拡散されました

台湾、香港は、同じ中国語繁体字の近しい書き言葉の使用地域であることから、両地域の生活者が互いにクチコミを参照しあい、同じアイテムが人気となったり、流行が相互に波及していくような関係性をもっています。また、どちらも親日の地であり、日本ブランドの化粧品にも好感を持つ生活者が多く存在しています。中国大陸の生活者が台湾・香港の情報をフォローしたりリサーチしている面もあり、日本ブランドの中国大陸への本格的なマーケティングの導入地点としても、台湾・香港は可能性を秘めた場所と言えるでしょう。

台湾・香港の@cosmeでは、同サイトの商品詳細ページをリッチ化できる「タイアップ記事」や、@cosmeベストコスメを受賞したアイテムだけが店頭販促物、Webページ、広告等に使用できる、「@cosmeベストコスメロゴ利用サービス」などを展開し、化粧品ブランドの販促サポートを行なっています。2021年のベストコスメアワードの関係では、台湾では「開架(KISSME」や台湾ブランドの「提提研(Timeless Truth Mask」などが、受賞アイテムをPRするため、タイアップ記事を制作、香港でも数多くのブランドが製作予定です。また、ベストコスメロゴ利用サービスも、台湾・香港で良い反響をいただいています。

香港・台湾でも日本と同様に@cosmeのデジタルマーケティング支援サービスや@cosme STOREの販促プロモーションを活用いただくことが可能です。また、現地生活者のクチコミが元となるベストコスメを受賞された際はそれを追い風として、現地売上拡大や中国大陸への進出にお役立てできることと思います。

>>@cosme(台湾)のサービメニュー概要についてはこちら
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