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「ザ・プロダクト」のKOKOBUYが、@cosme海外直送店から創り出すブランディングと売上拡大のシナリオ

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中国への化粧品輸出が1個からスタート可能で、倉庫費用も90日間無料など、低コスト・低リスクで中国進出を実現する@cosme海外直送店。202012月の開設から9カ月で約100ブランドにご参画いただくまでになりました。 2021913日にアイスタイルトレーディング(ISTD)が開催したウェビナーでは、@cosme海外直送店を利用して中国初進出を遂げた株式会社KOKOBUY 販売ディビジョン ジェネラルマネージャー 阿部聖樹様に、その経緯から今後の展望までを詳しくお話しいただきました。

すでに成長フェイズに戻っている中国化粧品市場で国別輸入額1位の日本

日本の化粧品市場がいまだコロナ禍から抜け出せない一方で、中国国内の化粧品市場は20205月頃には復調傾向を示しはじめています。同年6月の「618セール」等、売上総額が前年同期比20%超となる時期も見られ、2020年全体の市場規模は3,400億元(約5兆4,000億円)超、年成長率は9.5%とすでに成長フェイズに戻っています。さらにその中において、国別の化粧品輸入額は日本がトップシェアを占めます。日本国内におけるインバウンド需要が見込めない状況にあっても、中国国内においては日本製化粧品への根強い需要があることを、ウェビナー冒頭、アイスタイルトレーディングの寿賀本恵からご紹介しました。

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こうした状況のなか、アイスタイルは202012月、日本ブランドが低コスト・低リスク・低工数で中国進出の第一歩を踏み出せる場として「@cosme海外直送店」をアリババグループのTmall Global(天猫国際)とKaola(考拉海購)でスタートしました。Tmall GlobalKaolaの2チャネルで、中国越境ECのシェア6割を占めるアリババグループ全面協力のもと、日本ブランドはブランディングに重要な価格を適正にコントロールしながら、中国消費者に向けて商品を販売することができます。在庫管理は日本で行い、アリババが輸出者となるため、輸出や保税区通関作業がブランドでは不要です。

>>@cosme海外直送店舗についての詳しい情報はこちら

2021年9月現在、「まずは低リスクで中国進出してみたい」「テストマーケティングしてから本格進出を検討したい」といったご要望をお持ちだった約100ブランドにご参画いただいています。そのなかの1つが「ザ・プロダクト」であり、同ブランドを製造販売するKOKOBUYにとって、@cosme海外直送店は海外(中国)初進出の場となりました。

@cosme海外直送店で中国に初進出したKOKOBUY

「ザ・プロダクト」は、米LAの二人の美容師が2007年にスタートし、現在はKOKOBUYが製造販売を行うオーガニックのヘアケア&スキンケアブランドです。ヘアサロンのお客の髪や頭皮と、施術を行う美容師の手指、どちらもケアすることをコンセプトとし、これまで国内ヘアサロンを軸に展開、サロン向けアイテムですが、エンドユーザー向けにも販売し、安心してデイリーユースできる商品として支持を集めてきました。

代表商品の「ヘアワックス」はヘアスタイリングだけでなく、リップバームやハンドクリームとしても使用可能な、マルチバームのパイオニア的存在であり、年間100万個以上を販売。ヘアワックス以外にも、ボディミストやマスクスプレーとしても使える「ドライシャンプー」や、オーガニックキシリトール配合でスタイリングしながらヘアケアできる新商品「ボタニカルホールドジェル」など、20219月現在12SKUをラインナップしています。

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ザ・プロダクト ヘアワックス
出典:ザ・プロダクト公式オンラインストア

株式会社KOKOBUY 販売ディビジョン ジェネラルマネージャー 阿部聖樹様は、中国展開の理由について「これまでヘアサロンを軸に国内展開してきたが、今後の日本の人口動態から、さらに売上を伸ばしていくには、海外進出はマストと考えた」といいます。

しかしながら、「現地リサーチやマーケティング、社内における海外事業部の設置、人材の確保、現地代理店やディストリビューター等の選定、現地法人の設立、M&Aなど、海外進出のためにやらなくてはいけないことは多いものの、社内の既存リソースでは困難だった。時間とコストがかかるとともに、成果が出るか分からないというリスクもはらんでいる」(阿部様)。

そう考えていたときにアイスタイルグループで美容領域に特化した輸出事業、グローバルマーケティング事業を行なっているアイスタイルトレーディング(以下ISTD)のウェビナーを視聴し、中国市場に関する知見があまりなくても低コストで参画できる@cosme海外直送店に魅力を感じ、KOKOBUY 代表取締役 高木様とともにすぐに参画の検討を始めたと言います。

そして「まずはスモールスタートで海外に進出し、現地市場のことをリサーチしつつ少しずつ可能性を拡げ、機が熟したときに一気にアクセル(投資)を踏みたい」(阿部様)と考え、近い将来のブランド単体での越境ブランド旗艦店の出店や、一般貿易による中国市場全面展開を視野に入れながら、その足掛かりとして、@cosme海外直送店に参加されることとなりました。このとき「アイスタイルグループが中国現地でポップアップ等オフラインイベントも行っており、中国の消費者が実際に商品を手に取る機会があることも、参加を後押しした」(阿部様)といいます。

中国市場における価格乱れ、偽物・横流し品横行を防ぎブランドイメージを守る

KOKOBUYが中国進出を検討することになった要因の一つとして、ザ・プロダクトの商品が日本国内から横流しされ、中国での不正流通だけでなく偽物も出回っていたことが挙げられます。

「以前から『中国で買ったのですがこれは本物ですか?』と写真付きの問い合わせメール等があり、横流し品や偽物が出回っている認識はあった」という阿部様ですが、今回、ISTDが中国市場進出のサポートを開始するにあたり実施した調査で、その具体的な規模感が明らかになりました。阿部様は「中国で大量の不正品が横行していたことを知って、悲しさと同時にそれだけの需要があるのだというポテンシャルも感じた」とおっしゃいます。

正規販売していないにも関わらず中国での流通が広がってしまうのは、商品に人気があるからこそ起こり得えることですが、一度拡大してしまい、あとからのコントロールが難しくなった他事例はこれまでもありました。

そのような状況のなかでKOKOBUYでは、ISTDのサポートで、「まずは正規販路での売上実績を作り、中国で正規ブランドとして知名度を上げていくこと」を短期目標に、3カ年計画でじっくり中国市場での足場を固めていくことになりました。

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ISTDKOKOBUYへ提案した中国進出の3カ年戦略

ISTDKOKOBUYを担当する加藤彩夏は、「売り上げを作ること自体はやろうとすればすぐにできてしまう。しかし一気に拡大したが故にコントロールがきかなくなり価格が乱れるなどよくない状況に陥っている他ブランドをこれまでたくさんみてきた。3カ年計画はその上でのご提案」と強調します。これに阿部様も「正直いくつか他のサポート企業も検討した中で、しっかり3カ年の計画表を出してきたISTDに好印象を持った。いきなり売上を追うのではなく、まずはブランディングを大事にしなくてはそこから萎んでいく、ブランドのライフサイクルが短くなってしまうという指摘をうけて、一緒に成長していく姿が想像できた。また(アイスタイルトレーディング代表取締役社長 金子芳久からの)「『ISTDKOKOBUYの海外事業部だと思ってほしい』という言葉も心強く感じた」とISTDへの信頼感を示してくださいました。

こうしてKOKOBUY202012月の@cosme海外直送店スタート当初から同店舗に参画されています。今後は、150万超のフォロワー数(20219月現在)を有し、Tmall Globalの中でも日本のコスメファン集まる店舗として屈指の人気の@cosme海外旗艦店での販売サービスや、他の小売店への越境卸売りサービスを利用しながらスケールアップをはかり、2030年には海外での売上構成比をブランド全体の50%まで引き上げることを大目標に掲げられています。

プロモーション・販促サービスでスケールアップに弾み

また、KOKOBUYはこれまでのところ@cosme海外直送店主導による次の2つの販促イベントにも参加し、中国市場における認知度とブランディングの強化に取り組まれているところです。ISTDを含むアイスタイルグループでは中国において、日本ブランド商品の正規販売ルートの整備とともに、日本国内と同様にSNSでの情報発信や、現地SNSでのクチコミ形成がブランドの価値を最大限高めるために有効と考え、オプションで様々なプロモーション施策を企画しながら、ブランドに参加を呼びかけています。

1. クリスマスに@cosmeTOKYOで在日KOLを招いた商品展示会×ライブコマース

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202012月24日、@cosme最大のオフライン店舗である東京・原宿の@cosmeTOKYOに在日KOL45名を招致し、同KOLらによるSNS投稿確約付きで、@cosme海外直送店参加ブランドによる商品展示会を開催しました。また同時進行で、@cosme海外直送店で展開する全商品(当時)を紹介するライブコマースを実施し、フォロワー数最大300万強のアカウントで配信。日本のコスメに興味のある中国の生活者へ的確にアプローチしました。

2. 女王節の日に、Kaola内の@cosme海外直送店でライブコマース

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202138日の女王節の日に、Kaola内の@cosme海外直送店でライブコマースを実施しました。KOKOBUYなど参加ブランドは@cosmeTOKYOのスタジオから中国本土へ向けてライブ配信。Kaolaのトップページからの誘導やKaolaWeibo公式アカウントでの事前告知からの流入で数十万人の視聴があり、Kaola@cosme海外直送店の売上は前月比数倍の規模となりました。

そのほかにもアイスタイルグループは、中国の生活者が日本ブランドの商品を実際に手に取る機会を創出する「@cosmeポップアップイベント」など、様々なサービスを実施しています。2021年9月にはDouyin(抖音、中国版TikTok)にも@cosme旗艦店を出店し、@cosmeならではのコンテンツ作成、商品販売を始めています。今後、実例を交え詳しくご紹介するウェビナーも計画中です。ぜひご視聴ください。

>>@cosme海外直送店舗についての詳しい情報はこちら
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