【DERMED/IROIKU】@cosme OSAKAのco-storeサービスで実践したデジタル⇔リアルのアプローチで新規顧客を獲得
創業より130年、福岡県大野城市の本社にて130種類以上にも及ぶ独自美容成分の自社開発、OEM事業、そして自社3ブランドの運営を行なっている三省製薬様。スキンケア・ヘアケアをメインとした今年30周年を迎えた「DERMED(デルメッド)」、昨年7月に色づき美容液のブランドとしてローンチした「IROIKU(イロイク)」の2ブランドにて実施いただきました@cosme OSAKAのco-storeサービスについてお話を伺いました。
【今回お話をお伺いした方】
三省製薬株式会社
取締役 マーケティング部部長
藤井章夫 様
まずは知っていただくこと、そして試していただくことで伝えたい商品・ブランドの価値
――今回、@cosme OSAKAでco-storeサービス Place Aを実施いただいたDERMEDとIROIKUについてお教えください
両ブランド共、これまで通信販売を中心に販路を拡大してきました。
DERMEDはスキンケア・ヘアケアカテゴリを中心とした今年30周年を迎えるブランドです。IROIKUは、サステナビリティ、エコ、エシカル、ダイバーシティに配慮したものづくりで、女性だけではなく男性をも美しくしていく「世界のどんな人種の人の肌も美しくする」「健やかな肌の色を育てる」をコンセプトに誕生したブランドです。
――両ブランドの課題やco-storeサービスの利用を検討された背景を教えてください
DERMED、IROIKU共にまだまだ認知が足りないと考えています。その中で、より幅広い年代層、特に若いお客様にも知っていただくこと、通信販売を中心にしていたことで実際にお客様が商品を試し、その良さを理解いただく場が限られていたことに課題感を感じていました。
DERMEDの主力アイテムである「プレミアム シリーズのミニセット」と人気の「ヘアオイル」「ヘアエッセンス」。「ブランドオフィシャルでのブログ発信をはじめとするデジタルを用いたユーザーとのコミュニケーションを積極的に行っているが、商品をリアルにお試しいただく機会がなかなかない」(藤井様)
IROIKUの色づき美容液「スキンチューンナップ セラム」は基本6色に加え、限定色2色の計8色で展開中。「ジェンダーフリーブランドであり、色づき美容液という商品特性のため、なかなかお客様に理解いただけず、どういう場面で使ったらいいのかというシーンをイメージしてもらい、お客様に自分事化していただくということが必要」(藤井様)
そんな中で、@cosme OSAKAという西の旗艦店が大阪にできるということを知りました。西日本で最大規模の売り場面積、駅に直結という立地でこの場所なら年代を問わず数多くの方と接点を持つことができるのではと感じました。オープン直後ということで大きく盛り上がることが期待できたこともあり、実際にオープン後の来店客数はすさまじいものがあったと思います。数多くの方に知っていただく、試していただくには@cosme OSAKAで行うco-storeは最適なサービスだと判断したのです。
2023年9月の店舗オープンと同時にco-storeサービス Place Aを実施
――Place Aを実際に利用するにあたって苦労した点や工夫された点があれば教えてください
事前に苦労した点としてはやはり限られた600㎜×600㎜というスペースをどのように使うかを考え抜いたことですね。DERMEDではヘアケアの主力2品を手に取ってもらうためにどのような配置にすべきか、IROIKUは容器のビジュアルの良さに支持があるブランドなので、それを活かしたディスプレイの設計を意識しました。商品の配置、POPで伝える情報のまとめ方、メッセージについては本当に何度も考え直しました。
実際のディスプレイサイズに合わせ、商品を並べ、POPの配置、棚の下はどういう色が良いのか、モニターのサイズはどれくらいか、商品を手に取る場所・導線はどうなっているのか、せっかく買う気になっていただいたお客様が間違った商品を手に取られたらいけないなど、そこはメンバーみんなが「売り場であること」を意識して何度も何度も事前にシミュレーションをして配置を決定しました。
社内で様々な意見を出し合いディスプレイを検討したシミュレーションの様子
――実際に出店された後の棚の様子はいかがでしたか?
@cosme OSAKAを視察した際、IROIKUを試していただいているお客様の近くに立って様子を観察していたところ、「試してみたけど、結局どんなブランドなのかわからない」と言って帰られた方もいらっしゃいました。やはり出店して終わり、ではないので店舗からいただけるレポートも含め、お客様の声をどんどん反映し、より良い店頭体験をいただけるように改善を繰り返していきました。結果、9月から実施しているIROIKUの棚は大きく進化したと思います。それと同時に棚のディスプレイを日々改善するメンバーたちの進化も感じられて頼もしく思いましたね。
9月実施(左)と10月実施(右)では、お客様の声や反応を参考にPOPの内容やディスプレイの修正を行い、常にお客様にわかりやすいように工夫
お客さまの声で気づいたヒントはすぐにPOPに反映
シミュレーションを繰り返し進化したIROIKUのディスプレイ
また、これはリアルならではだなと感じたのは、テスターの減り具合とか、使われた後の汚れなどからお客様に実際に使っていただけているという実感を強く持つことができたことです。後ろの列まである全てのテスターを使っていただいたのを見ると、当初の知っていただく、試していただくという目的やそのために棚や配置を徹底的に考え、改善してきた成果がしっかりと現れているな、と実感することができました。
棚を訪れたお客様の8割が20代。男女で商品を手に取り、東京のバイヤーも視察に来店
――今回の@cosme OSAKAでの実施の感想をお聞かせください
当初の目的である「知ってもらう、試してもらう」という点では大満足です。いただいたレポートデータから若い世代に対してアプローチしたい、という点では両ブランド共に棚にお越しいただいたお客様の約8割が20歳から29歳までとまさに狙い通りの成果が得られました。中でも、ジェンダーフリーコスメであるIROIKUについては、男性のお客様やカップルでこられたお客様が実際に商品のサンプルに触れていただけていることもデータからもわかり、その点でも満足ですね。
また、同じ業界の方に対しても両ブランドを知っていただくいい機会にもなりました。東京からお越しいただいた百貨店のバイヤーの方々に「すごくいいディスプレイでしたね」と褒めていただけて次の商談の参考になったり、新規のお取引先様にもブランドや商品を知っていただき理解を深めていただけたのではないでしょうか。出店期間は終了しましたが、今後も@cosme OSAKAでの売り場写真や実績は営業活動でも使わせていただきたいと思っています。
――その他出店いただき、良かったと感じる点などありますか?
社員に対しても新たな成長のきっかけを与えられたな、と思っています。普段オンライン上でのコミュニケーション施策を担当するメンバーたちに実際に@cosme OSAKAで店頭でのお客様の様子を見てもらうことで、デジタルとリアルの施策のつながりやその重要性を感じてもらえたことや、お客様の反応を見ながら新たなPOPを作成し、工夫するなど、これまであまりできなかった「成果を出すための売り場作り」という新しい課題に取り組む機会になりました。社員育成という観点でも大きな効果を感じています。
以前お越しいただいたお客様も飽きないよう毎月少しずつ何かを進化させている」と藤井様が語るIROIKUは11月末までサービス展開を延長
@cosmeでのブランドブログにて@cosme OSAKAでの展開を多くのユーザーにアピール
出典:IROIKUアットコスメブログより
――最後に、今後のブランドの展望をお聞かせください。
今回@cosme OSAKAに出店したことで、お客様がオンラインで情報をキャッチし、実際に店舗にきて、商品を試し、それが購入に繋がる――というプロセスとその重要性を社員皆が実感として持つことができました。今後も認知を広げることをまずベースにしながら、今回のようなデジタル・リアルをつなげる施策を通して、コツコツとブランドを育てていきたいと思っております。
また、既に次回の出店も考えているのですが、その際はインバウンドの方々にも狙いを絞ったキャンペーンで、@cosme OSAKAだけでなく@cosme TOKYOでの出店も検討したいと思っています。
今回のco-storeサービス実施にはマーケティング部の皆さんのチームワークがとても重要だったと話す藤井様(後列中央)より左回りに、加藤様、江良様、下田様、高山様、宮本様
photo提供:三省製薬
Text:西場貴之(@cosme for BUSINESS編集部)
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