2025年末、アジア屈指のトレンド発信地である香港に、アイスタイルグループの海外旗艦店となる「@cosme香港旗艦店」がオープンしました。その魅力は、さまざまな媒体でも紹介されていますが、大手から新興ブランドにとっては、最もハードルの低い海外進出であり、かつデータに基づいた確かな仮説検証ができる、世界へのゲートウェイ(入り口)となる場所でもあるのです。現地で指揮を執る山本佑樹と、日系企業の海外進出支援サービスを統括する大浅聡也が、その具体的かつ戦略的な活用術について語ります。
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「美容のテーマパーク」としての魅力
香港の繁華街・銅鑼湾(コーズウェイベイ)の真ん中に位置する香港旗艦店。3階建て(4階は倉庫)のビルがまるごと@cosme HONG KONGとなっており、広大なフロアには、2026年1月現在、約500ブランド、1万2,000を超えるSKUが並び、圧倒的な世界観です。
日本ブランドが全体の約75%を占める一方で、注目の韓国ブランドが15%、欧米・その他が10%と、ラグジュアリーからマス・プチプラまでが共存しています。@cosme TOKYOやOSAKAなどの旗艦店と同じく、ブランドカテゴリーの垣根を超えた品揃えは、香港の既存の百貨店やドラッグストアにはない、@cosmeならではの強みです。

しかし、この店の真の価値は規模だけではありません。@cosme香港旗艦店の総指揮をとったistyle Retail (Hong Kong) Co., Limited 代表取締役社長 山本佑樹は、店舗のコンセプトをこう語ります。
「今回の旗艦店でベンチマークに設定したのは、既存の化粧品店ではなく『香港ディズニーランド』です。単にモノを売る小売店を作るのではなく、それぞれテーマのあるエリアでたくさんのブランドとユーザーが遭遇できることを大事にしています。そこでアトラクションに乗るようなワクワクする『体験』をしてもらい、その結果として出会いがあり買い物がひも付くような、ビューティのテーマパークを目指しました」
istyle Retail (Hong Kong) Co., Limited
代表取締役社長 山本佑樹
店内には、その言葉通り体験型の仕掛けが随所に散りばめられています。たとえば肌診断では、診断結果は多言語対応の@cosmeアプリに記録され、退店後も自分の肌状態を確認できたり、KAORIUM導入で香りのAI診断をしフレグランス選びに活用していただき、その結果をアプリに読み込めるほか、サンプルガチャやUFOキャッチャーも「偶然の出会い」を演出するエンターテインメントとしてブランドと生活者の出会いを創出しています。
「買い物」を目的とする場所から、「美容を楽しむ」場所へ。このコンセプトの転換が、感度の高い香港の若者や世界中からの観光客を惹きつけています。
AIも導入し世界中のお客様とつながりCX向上へ
香港は、観光という意味でもビジネスという点でも、世界中からヒト、モノ、情報が集まるハブとなっています。そのため、旗艦店のインフラもグローバル仕様にアップデートされています。最大の武器は、英語と中国語に完全対応した@cosmeアプリといえるでしょう。
多言語対応の@cosmeアプリ
「日本国内の@cosmeアプリは日本語ベースですが、香港では英文・中文(繁体字・簡体字)が必須です。アプリにはAIを取り込んでおり、香港メディアに蓄積された膨大なクチコミをAIが要約して表示します。さらに、美術館の音声ガイドのように、耳でクチコミを聞ける機能も実装しました。これは香港独自のインクルーシブな設計です」(山本)
こういった多言語インフラやインクルーシブ設計があることで、香港ローカルのお客様だけでなく、年間5,000万人にものぼる訪港観光客(その大半を占めるのが大陸系中国人)全員が、自分の使い慣れた言語で@cosmeのコンテンツを楽しみ、商品と出会うことができます。
さらに、この@cosmeアプリは店外でも機能します。「一度ダウンロードして肌診断やサンプル体験をすれば、自国に戻った後も、自分のデータや新しい商品情報にアクセスし続けられる。店舗を離れても@cosmeとつながり続ける世界を作れるのが、このアプリの強みであり、顧客体験(CX)を最大限にあげていけると考えています」と山本は説明します。
海外進出の「検証の場」としての可能性
日本ブランドがグローバル展開を考える際に「香港を最初の拠点に選ぶのは理にかなっている」と山本と、istyleRetail (Hong Kong) Co.,Limited ビジネス ディベロプメント マネージャー 大浅聡也は口を揃えます。とくに、現場でブランドのサポートにあたる大浅は、その理由を3つのポイントで解説します。
istyle Retail(Hong Kong) Co.,Limited
ビジネス ディベロプメント マネージャー 大浅聡也
① 圧倒的な親日性と受容性
「まず大前提として香港や台湾は、日本文化へのリスペクトが非常に強い。最近初上陸した3COINS(スリーコインズ)の行列が香港記録を更新するほどで、スシローなどもカタカナ名のまま大人気です。自分もいろいろな市場を見てきましたが、日本ブランドに対する心理的ハードルがこれほど低い市場は、他にないのではと思います」(大浅)
② 「英語」と「中国語」を同時に検証可能
「香港では、英語と中国語(繁体字)の両方が公用語として機能しています。これまで日本のみで展開してきたブランドが海外に出る際、英語と中国語の両方の表現を一つの場所で調整・チャレンジできるのは、非常にコストパフォーマンスのよい取り組みといえます。ここで成功した表現やコミュニケーションを、そのまま台湾や中国大陸、あるいは欧米への展開にスライドさせることができます」(大浅)
③ 日本ブランドへの高い信頼(J-Beautyの優位性)
世界のトレンドとしてK-Beauty(韓国コスメ)の勢いがありますが、香港市場においては、少し様相が異なります。「韓国コスメはSNS等でグローバルで注目されていますが、実は香港ではまだ正規ルートでは購入しにくいという課題があります。そのせいもあり、歴史的にもJ-Beautyへの信頼感は非常に大きいものがあります。『@cosmeに来れば、信頼できる日本の、そして韓国ブランドも正規品が手に入る』という期待感は、非常に大きいものがあります」(大浅)
フロア別使い分け、ポップアップの成功法則
@cosme HONG KONGでは、@cosme TOKYOやOSAKAのように、ブランドがさまざまに利用できる棚やサービスを用意しています。そのひとつが、日本でもおなじみの「ポップアップストア」です。日本でいう1階と2階(香港では、1階がグランドフロア、2階がファーストフロア)のそれぞれの特徴や役割を生かした成功法則が見えてきています。
Ground Floor(1階):爆発的な「認知」の場
道路に面した1階のポップアップエリアは、圧倒的な通行量を武器にします。メディキューブ(Medicube)の事例では、K-POPアイドルを起用した巨大なビジュアルと美顔器の什器で、お店に入ったお客様の視線を一気に集めました。ガチャガチャなどのライトな体験を通じて、ブランドを知らない層とも多数の接触を持ち、期間中のブランド売上で全店1位を記録しています。
メディキューブ(Medicube)のポップアップストア
1st Floor(2階):深い「エンゲージメント」の場
エスカレーターを上がった2階エリアは、購買意欲の高い層が集まる場所です。クレンジングバームで知られるデュオ(DUO)の事例では、2階のポップアップエリアが選択されました。 「@cosme 香港旗艦店では、レジは2階にあります。そのため、実際に買う気のあるお客様が滞在するフロアになっています。エスカレーターであがってすぐ目にするこの場所で、じっくり時間をかけてカウンセリングや水場で試していただくなど体験を重視した結果、2025年12月の月間売上で、世界中にあるDUO販売店の中で1位の売上を達成しました」(大浅)
デュオ(DUO)のポップアップストア
「認知」を最大化したいのか、「深いファン」を作りたいのか。目的によって場所を選び分けられるのが、香港旗艦店のポップアップの醍醐味です。
データ取得で仮説検証が行えるCo-Store(コストア)
もう少し小さめのスペースで「体験」を提供したい場合は、ディスプレイと棚の組合せで1カ月出店でき、データも取得できる「Co-Store(コストア)」がおすすめです。Co-StoreエリアにはAIカメラが設置されており、「何人通ったか」「何人立ち止まったか」というトラフィックデータがデイリーで可視化されます。これにより「動画の内容を変えて立ち止まり率がどう変わったか」といった、デジタルマーケティングのようなPDCAを店舗の棚で回すことが可能になっています。
特に注目されているのが、今回@cosme HONG KONGで初めて導入された「縦型サイネージ付きスポットライトディスプレイ」というサービスです。
メイクアップアーティストのかじえりさんがプロデュースするEnamor(エナモル)の事例では、縦型のディスプレイにInstagramのリール動画を日本語のままサイネージに流し続けました。かじえりさんが、Enamorをどう使うかなどのノウハウを紹介するリールです。
「スマホで見慣れたリール動画が大きな画面で流れて、その下に商品がある。現場に立つとわかるのですが、この没入感が凄まじいんです。スマホネイティブな視聴体験を物理空間に持ち込んだことで、言葉は日本語でもリール動画がわかりやすく直感的に手が伸びる。中国語や英語に訳す選択肢もありましたが、今回はあえて日本語のままにしました。Enamorは、店内のそのほかの棚でも取扱いがあり、再度目にするお客様が手にとりやすくなり、2025年12月のブランド別売上ランキングで20位前後に入るという大健闘を見せました」(大浅)
縦型サイネージ付きスポットライトディスプレイを利用したEnamor
250名のネットワークを活用するKOL施策
香港でのプロモーションに欠かせないのが、KOL(KeyOpinion Leader)の存在です。これまでにあげた、ポップアップやCo-Storeのブーストプランとして活用いただいています。
@cosme 香港旗艦店では、プレオープン時に約250名の現地KOLを招待し、強固なネットワークを構築しました。「ポップアップにKOLをアサインして、店頭からライブ配信やSNS投稿を行ってもらうのが非常に効果的です。我々のネットワークから、ブランドの世界観に合うKOLをアサインし、来店客数やSNSでの拡散を最大化するパッケージを用意しています」(大浅)
日本の倉庫に納品、低コストでスタート可能
海外進出最大の懸念点である「物流」と「法規制」。ここに対してもアイスタイルは強力なソリューションを提供しています。
物流・貿易の代行
ブランドは、日本の指定倉庫に商品を送るだけで輸出入、通関、現地での在庫管理はすべてアイスタイルのトレーディングチームが代行します。実質的に、日本の店舗へ商品を納品するのと変わらない手間で、香港を通してグローバル進出ができることになります。
圧倒的な低コスト
最も手軽なCo-Storeサービスの「FeaturedDisplay(フィーチャードディスプレイ)」プランなら、月額40万円から展開可能です。 「輸送費や諸経費を合わせても、50万円程度の予算から始められます。この金額で、香港のど真ん中の店舗に棚を持ち、通行・滞在データを取りながら海外のユーザーの反応を見られる。『まずはやってみる』というテストマーケティングの場として、これ以上の環境はないと自負しています」(大浅)
準備期間も短く、特急であれば1カ月、余裕を持てる場合は2〜3カ月あれば、どのような方針で香港のお客様に訴求したいのかを我々とつめながら、@cosme香港旗艦店の店頭に並べることができます。
「私自身も、香港に赴任してから、ここであれば海外進出が思ったよりも『ゆるっと』できてしまうとつくづく感じており、それが僕たちの提供する価値でもあります。ぜひ、この唯一無二の場所を使い倒して、ブランドの新しい可能性を見つけていただけたらと思っています」(大浅)
具体的なプランや費用感、成功事例のビジュアルなど、詳細な資料を公開しています。ぜひブランド様のグローバル戦略の検討にお役立てください。
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