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クチコミを生成AIで分析「@cosme Copilot」が変える化粧品マーケティングのPDCAサイクル

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2026年1月15日にリリースした「@cosme Copilot」は、@cosmeが持つ膨大なクチコミと製品データをもとに、ブランドが自然言語でユーザー属性の抽出やユーザー理解を深掘りできるSaaSサービスです。@cosme Copilotで抽出した仮説をもとに戦略立案、仮説検証を@cosmeプラットフォーム上で実行したのち、マーケット全体への実行というサイクルが可能。@cosme Cpilotが化粧品マーケティングをどう変えるのか、そのビジョンについて関係者に話を聞きました。

@cosme Copilot、純度100%のクチコミを分析可能に

「@cosme Copilotは、一言でいえば『@cosmeのクチコミデータ純度100%のChatGPT』のような存在だ」と、開発プロジェクトを率いるアイスタイルデータコンサルティング株式会社(以下ISDC) 取締役 副社長 押野は話します。

昨今、ChatGPTやGeminiなどの汎用LLM(大規模言語モデル)や、XやInstagramなどを対象としたソーシャルリスニングツールは数多く存在する。しかし、これらには「美容に関心のない層のノイズ」や「ステマ(ステルスマーケティング)」「美容文脈ではない会話」が混在しやすいという課題があります。
対して@cosme Copilotは、Microsoft Azure OpenAI Serviceをベースに、美容感度の高いユーザーが集まる@cosmeのクチコミデータ(2014年以降のもの)のみを学習・参照ソースとしています。クチコミは登録された商品データと連携しているため、ブランド名や製品名、大/中/小の3段階製品カテゴリー(例:メイクアップ/アイシャドウ/パウダーアイシャドウ)などでの正確な絞り込みが可能。あわせて、AIが検索したクチコミの要約をしたり、自然言語でAIと対話することもできます。

ISDCが設立された当初から開発を続けてきた@cosme Copilotは数多くのPoCを重ね、企業ユーザーが自由に使えるツールとしてリリース。導入ブランドは、市場分析からマーケティング戦略の立案、新商品開発・リニューアル、競合分析といった多様な場面で@cosme Copilotの活用が可能だと押野は説明します。

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アイスタイルデータコンサルティング株式会社 取締役 副社長
押野卓也

3つの柱「クチコミ検索」「ペルソナ作成・チャット」「クチコミ分析」

@cosme Copilotにはクチコミを検索・分析しユーザーの関心を深掘りする3つの主要機能「クチコミ検索」「ペルソナ作成・チャット」「クチコミ分析」が搭載。

高度なクチコミ検索と要約で感情分析のフィルタリングも

内容や評価点を加味して条件に合致したクチコミを抽出するクチコミ検索機能は、単なるキーワード検索だけではなく、「使用感」「保湿力」「コスパ」といった@cosme独自の評価軸や、ポジティブ/ネガティブの感情分析でのフィルタリングが可能。押野は「高評価のクチコミでも、たとえば『このセラム、伸びがよければもっといいのに』といった不満点が埋もれているケースがある」として、ユーザーのネガティブポイントを見つけ出すことは製品の改善に直結し極めて有用とする。数千件のクチコミを「効果」「デメリット」などの観点で瞬時に要約できるため、担当者が1件ずつ目視する時間を大幅に削減できます。

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開発チームとして携わったISDC データアナリティクス部 マネジャー 秋廣は、このクチコミ検索においては「曖昧検索」にこだわったと語ります。

画像アイスタイルデータコンサルティング株式会社 データアナリティクス部 マネージャー
秋廣

「たとえば『リピートについて書かれたクチコミが見たい』と思っても、該当するクチコミには必ずしも『リピート』という単語が入っているとは限らない。“リピ買い”あるいは“2回目の購入”といった言葉や文脈から『これはリピート購入だな』とAIが判断したものを抽出することにより、表記揺れや言葉選びに左右されず、ブランドが欲しい情報にたどり着けるようにした」(秋廣)

クチコミを根拠にペルソナを生成し、チャットインタビューが可能に

@cosme Copilotの最大の特徴といえるのがペルソナ作成機能です。特定製品に対するクチコミデータをもとに、AIが「その製品を使っている仮想の顧客(ユーザー)像=ペルソナ」を生成。会員データベースから属性をひいてくるのではなく、クチコミから浮かび上がる年代や肌質、その製品のどこに価値を感じ、どんな悩みを抱えているかというインサイトまでを可視化するペルソナです。

さらに、生成されたペルソナに対してチャット形式でインタビューも可能。
「なぜこの製品を買ったの?」「以前は何を使っていた?」といった質問を投げかけると、出典として画面下部に表示される実際のクチコミデータを根拠にペルソナが回答。つまり、膨大なクチコミをひとりのペルソナと仮定して会話し、ユーザーインサイトが得られる仕組みがあります。これにより「“こういうタイプの人が自社製品を購入しているのではないか”という仮説に対し、従来なら数カ月と数百万円を要した定性調査(グループインタビュー等)に近い検証が、数十分で行えるようになる」(押野)

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競合製品におけるクチコミを時系列や頻出ワードでスコア化

押野によれば、PoCを行った企業からは競合する製品を使用する人がどんな点を評価し、あるいは不満に思っているかを知りたいという声が多かったといい、ブランド側のニーズの高さから実装されたのが、競合ブランドのクチコミ分析機能です

時系列でのワード推移や、製品ごとの「特徴語」「共起ワード」をスコア化して自社と他社を比較することで、市場における自社の立ち位置のほか、競合の強み・弱みを客観的に把握できます。秋廣は、出現回数ではなくこれらのワードを見ることが重要といいます。

「単にほかの製品でもたくさん出てくる言葉、つまり頻出語よりも、その製品にかぎって出現率の多い言葉は何か、という『特徴語』や、ある単語や文字列が同時に出現しセットで使われる『共起ワード』を可視化することに注力した。特徴語では、たとえばある商品で『香り』のスコアが突出して高ければ、出現回数は少なくても、ユーザーはその『香り』に独自の価値を感じていることが一目でわかる」(秋廣)

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マーケ以外にも商品開発やR&D、PR・コミュニケーション領域で活用

@cosme Copilotは、これまでのPoCから、マーケティング部門のみならず、さまざまな部署や担当者における活用例があります。

①商品開発・R&D
自社や他社製品のネガティブなクチコミ(不満点)を抽出することで、次の商品開発のヒントや「ブルーオーシャン」となりうる未充足ニーズの発見
②PR・コミュニケーション
ユーザーがクチコミで実際に使っている「表現(語彙)」を分析し、キャッチコピーやプロモーションのストーリー設計に活かしたり、実際に行ったキャンペーン施策によりクチコミが増加したかといった効果の確認にも利用が可能。また、自社の強みを最も理解してくれるインフルエンサーの選定基準の作成にも役立つ。
③営業・販促担当
「ケアルーティンでこの化粧水を使っている人は、次のステップでどのクリームを使っているか」といった併用パターンを分析し、店頭POPでのクロスセル提案(あわせ買い推奨)への活用などが考えられます。

「ブランドオフィシャル」やコンサルティングと併用してPDCAを回す

ブランド向けのマーケティングプラットフォーム「ブランドオフィシャル(Brand Official、以下BO)」との相性も良いといいます。

BOはロイヤルカスタマーから見込み顧客まで、それぞれの顧客層をブランドエンゲージメントランクとして表示することで、ブランドに関わるすべての@cosmeユーザーの把握・分析ができ、それにもとづいたメール配信などユーザーに向けて情報を発信し、関係構築に必要なコミュニケーションが可能です。

BOがユーザーランクの把握と分析とユーザーコミュニケーションの発信ツールであるのに対し、@cosme Copilot はユーザーの声、つまりクチコミを読み解く分析ツールで、購買データとひも付けたり、ユーザーに直接コミュニケーションはできない。だからこそ併用することでより強固なPDCAが回せます。
たとえば、@cosme Copilotで「このクレンジング製品は洗浄力を売りにしているが、実は“毛穴ケア”文脈でユーザーから評価されている」というインサイトを発見し、その文脈に合わせたメッセージをBOを使って@cosmeのブランドページで配信。その結果、ユーザーのエンゲージメントランク(読むだけ〜購買層までのランク)がどう変化したかを再び@cosme Copilot のクチコミデータで確認するというループを回すことが可能になります。

さらに深い戦略立案・行動解析を伴走するコンサルティング

「@cosme CopilotやBOがユーザー企業側でPDCAを回せる使えるツールであるのに対し、ISDCではさらに行動データ起点で戦略設計のコンサルティングを行っている」と、株式会社アイスタイル 執行役員 兼 ISDC代表取締役社長の天野はいいます。

画像株式会社アイスタイル 執行役員 兼 ISDC代表取締役社長
天野

@cosme Copilotでクチコミ分析を行い、BOではユーザーランクの変化が可視化されるが、コンサルティングでは、それらに加え、「購買データ」「閲覧行動」「ブランドスイッチ(競合への移動)」などの行動データ全体を対象とすることで、線としてつながった分析と戦略提案を行います。

「たとえば、製品Aを見て、Bと迷い、最終的にEを購入してクチコミを書いたが、次はFという製品に乗り換えてまたクチコミを投稿した、といったユーザーの心の移ろい、つまりカスタマージャーニーを可視化できる」(天野)

このケースでは、製品Eに「保湿力が高い」というクチコミが書かれ、その前に敏感肌向けのAとBを見比べて迷ったという事実から、製品EのブランドはAやBを検討している人に対して、Eの優位性をぶつける広告を出す、という勝ちパターンが見えてくる。また、乗り換えた先の製品Fに対して「保湿力もあり、肌のハリが出た」と書かれていれば、製品Eの改善点は「肌のハリ」かもしれないという仮説がなりたつ。

「こうしたジャーニーはもちろん何万、あるいは何億とあるわけで、その膨大なデータを統計処理することで太い導線、つまり『勝ちパターン』あるいは『負けている理由』をあぶり出し、戦略を組み立てる伴走をするのがコンサルティングの領域だ。ある高価格帯製品の事例では、ブランドGが競合Hと比較して伸び悩んでいる背景を探るべく、ブランドを支持するユーザーを『イノベーター層』と『マス層』に分けてジャーニーを分析したところ、Hのほうがよりマス層に浸透しているという結果が出た。そこで、それまで製品Gが特定の層向けに行っていたコミュニケーションをマス向けに戦略転換した結果、成長が見え始めている」(天野氏)

このようなジャーニー分析も含めて、ブランド側のマーケティングのPDCAを組み立てるとすると、まず@cosme Copilotでクチコミのトレンドや不満のインサイトを発見し、仮説を出す。ここに実際の購買データやブランドスイッチ分析をかけあわせて「誰をターゲットに、どう攻めるべきか」という戦略に落とし込み、その設定した戦略にもとづいて、BOを使って@cosmeユーザーにメッセージを発信する。
そのメッセージがユーザーに響いたかどうかを、BOで可視化されるユーザーエンゲージメントの変化と@cosme Copilotによるクチコミの時系列分析を組み合わせて検証することで、効果を計測しながらPDCAを回すことができる。

「我々のコンサルティングサービスは戦略立案だけでなく、その戦略をマーケット全体で実行する前に、@cosmeプラットフォーム内での実証実験とPDCAサイクルを伴走させていただくことで、数字として結果を残している」(天野)

フィードバック反映の速さを武器に進化し続けるサービスへ

正式リリースされたのちの@cosme Copilotの今後について、押野は「これが完成形だとは思っていない。利用者が増えれば、その声を随時フィードバックしてどんどん改修していく」と語る。実際、@cosme CopilotをPoCとして導入した企業からは「先日話したばかりの改善ポイントの提案がもう反映されている」とそのスピード感に驚かれるという。

また秋廣は、競合比較などブランドからの要望の高いものから実装していくと話します。

「ブランド担当者が知りたいのは、自社のユーザーが他社をどう見ているかということ。自社の化粧水を使っている人が、競合ブランドに対して何を語っているかといった、クロスオーバーな視点での分析も強化していく予定で、これにより単なる機能比較にとどまらない、ユーザーの頭の中にある競合関係が見えてくる」(秋廣)

今後のアップデートも見逃せません。サービスが気になるご担当者さまは、以下サービス詳細ページより資料ダウンロード・お問い合わせください。

 

Text: Beauty tech.jp、@cosme for business


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@cosme Copilotサービス詳細

@cosmeに蓄積されたクチコミ情報をAIで分析し、自ブランドの現状分析やマーケティング施策の振り返り、商品開発などに活用できるSaaS型ツールです

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