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@cosmeベストコスメアワード2024表彰式、総合トップ10からみえるトレンドや生活者のインサイト、2025年トレンド予測を発表

@cosmeベストコスメアワード2024表彰式、総合トップ10からみえるトレンドや生活者のインサイト、2025年トレンド予測を発表 サムネイル画像

2024年12月5日、アイスタイルでは「@cosmeベストコスメアワード2024」表彰式を開催。総合大賞に輝いたアテニア(Attenir)に記念のトロフィーを贈呈したほか、「殿堂入り」を果たしたアイテムや「下半期新人賞」、「総合トップ10」の発表、2024年のトレンドを振り返るとともに2025年を予測するセミナーなどを実施しました。あわせて、会場にはアワード受賞ブランドや商品を紹介する特設ブースを設置し、インフルエンサーや@cosmeプレミアム会員180名以上を対象にしたミニセミナーイベントも行いました。

総合大賞は上半期とのW受賞に輝いたアテニア「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」

東京港区の「アニヴェルセル表参道」を会場に、各賞を受賞した企業・ブランドの担当者を招待するリアル開催としては、パンデミックを挟んで5年ぶりとなった「@cosmeベストコスメアワード2024(以下、ベストコスメアワード)」表彰式。冒頭、開会の挨拶に立ったアイスタイル代表取締役社長 遠藤宗は、2024年が日本の化粧品業界にとって活気のある一年だったと振り返り、2024年12月1日〜3日に開かれた恒例の「@cosme BEAUTY DAY」(以下、BEAUTY DAY)ではDay 1の売上がEコマースだけで10億円を突破し、実店舗も合わせた3日間の全体売上も30億円超を記録する盛況だったことを明かしました。 

そして、物価高騰が続くなか、生活者はよりシリアスな眼でモノを選ぶようになっているとします。そのような環境下で、実際に商品を使用した@cosmeメンバー(ユーザー会員)から寄せられたクチコミ投稿144万3,189件をベースに、約5万3,600点の商品のなかから選ばれたベストコスメアワード受賞アイテムは、いわば「生活者の本音の声」の反映であり、商品開発やマーケティングなどブランドのたゆまぬ努力が生活者に届いた結果であると、遠藤は受賞した製品に関わった方々を賞賛しました。 

続く表彰式では、ベストコスメアワードにおいて複数回1位に輝き、@cosmeメンバーからの支持を不動にしたアイテムに贈られる「殿堂入り」を今回果たした9アイテムや、2024年下半期に発売されたアイテムが対象の「下半期新人賞」、そして、スキンケアやベースメイクから生活用品まで全58カテゴリーの各アイテム賞を発表。さらに、総合トップ10ランキングを発表しました。

総合第3位rom&nd「ハンオールブロウカラ」、第2位のコスメデコルテ「ルース パウダー」をおさえて、2024年の総合大賞に輝いたのはアテニア「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」でした。同製品は2024年上半期に続く総合大賞W受賞で、これはスキンケアアイテムとしてはベストコスメアワード史上初の快挙です。

20250109_03出典:@cosme公式サイト

ステージ上で遠藤よりトロフィーを受け取った株式会社アテニア ブランド推進部部長 岩本浩昭氏は、物価高に伴い生活者の商品価格への目が厳しくなっているなか、アテニアは同じカテゴリーの一流ブランド商品の1/3の価格で製品を提供することをブランドコンセプトにしており、同クレンジングもこの観点から商品開発していると話します。そして「生活者の皆様からは、価格と機能・品質のバランスの良さというところが評価をしていただいたポイントかなと思う。また、こちらの商品は香りであったり、テクスチャーにもこだわって、お客様の情緒にも働きかけるような製品設計をしている。そのあたりも共感いただけたのではないか」と受賞の喜びを語りました。

20250109_02表彰式の模様。左から、アイスタイル代表取締役社長 遠藤宗、
株式会社
アテニア 代表取締役社長 保坂嘉久氏

BEAUTY DAYは30億の過去最高売上、実店舗は出店ラッシュ、2025年夏にはクチコミ分析ツールをリリース

表彰式のあと、@cosmeに蓄積された2,100万件を超えるクチコミをはじめ、アクセスデータや意識調査・インタビューを通して、生活者に触れ続けているアイスタイル・リサーチチームによる、ベストコスメアワード2024の受賞商品から浮かび上がるユーザーインサイトを紹介するセミナーを開催しました。新作コスメや韓国コスメが躍進した状況を解説する総評に加え、「打倒 暑さ消費」がキーワードとなった総合10位や総合大賞製品からみえるトレンド分析および消費者インサイト、各カテゴリーごとの注目トピックスなどが語られました。

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20250109_04アイスタイル @cosmeリサーチプランナー。 左から、原田彩子、西原羽衣子

続いて、BEAUTY DAYの速報をはじめとし、@cosmeに関する新着情報や、アイスタイルグループがこれから何をしようとしているのかを紹介するセッションを行いました。 

登壇した株式会社アイスタイルリテール 取締役 店舗カンパニー カンパニー長 北尾悠樹と、株式会社アイスタイルリテール ECカンパニー カンパニー長 浦田望は、10回目となったBEAUTY DAYが過去最高の30億円の売上を記録できたことは、多くの企業・ブランドの協力があり、商品とお客様の出会いを最大化できたことの結果であるとして感謝の思いを述べました。

20250109_07左から、アイスタイルリテール 取締役 店舗カンパニー カンパニー長北尾悠樹、ECカンパニー カンパニー長 浦田望 

また、当初はECのイベントとして始まったBEAUTY DAYが、2024年の今回は、前年にも増して実店舗で多大な盛り上がりをみせたことが特徴だとします。北尾は「店舗事業に関しては、お客様の行動を変えることができたのが、ひとつの大きなポイントだ。今回は12月1〜3日が日・月・火という並びになり、生活者の方が2日目、3日目に実店舗に足を運ぶのが難しいのではないかという懸念があった。だが、結果としては(実店舗は)前年比30%増の売上となり、それは、お客様がこのBEAUTY DAYを本当に楽しみにしてくれて、自分のスケジュールのなかで時間を割いてくれた結果だと思う」と話しました。実際、11の実店舗がBEAUTY DAY期間中に最高売上日を記録しています。 

北尾はさらに、既存の@cosme店舗の高い来店者数をまのあたりにした日本各地の商業施設から出店に関する引き合いが多く寄せられ、2024年下半期の約半年で札幌や金沢などを含む実店舗5店を新規オープンし、これまでにないスピード感で拡大している状況を説明します。あわせて、東京・原宿駅前の旗艦店@cosme TOKYOが2025年3月に初のリニューアルを予定していることを明かしました。通路の狭さやレジ列の影響を改善し、フレグランスやボディケアなどカテゴリーの拡張を進め、“リアルな場所の体験価値“をさらに強化していく計画です。

またこのセッションでは、株式会社アイスタイル ブランド体験ユニット 副ユニット長 田中大介が、2025年夏頃のリリースを目指す「統合データビジネス」の展開について説明しました。これは、メディア、EC、店舗にまたがる@cosmeの膨大なデータをフル活用し、ビューティブランド向けのより包括的なマーケティング支援サービスを提供する試みです。

20250109_06出典:アイスタイルプレスリリース 

具体的には、クチコミデータをはじめとする総合データ基盤を掛け合わせて深く分析・活用することで、ブランド各社は、自社商品をどんな人が使っているのか、自社ブランドにおけるユーザーペルソナを導きだしたり、他社商品との比較が管理画面上で簡単にできる次世代分析ツールであると田中は説明します。

生成AIを活用した自然言語によるチャット機能を備え、たとえば、導き出されたユーザーペルソナに、特定の商品を選んだ理由を聞いたりできるほか、あるユーザーが複数のカテゴリーでどのブランドの何を使っているのか、たとえば、洗顔と化粧水は自社製品を使ってくれているが、その後の乳液では競合ブランドの〇〇という商品を使っているなどを知ることができます。より正確で詳細なユーザー行動とインサイトの可視化が可能で、ブランド側にとっては、マーケティングのみならず、商品開発の大きなヒントになることが期待されています。

20250109_09登壇したアイスタイル ブランド体験ユニット 副ユニット長 田中大介

同日開催インフルエンサー向けイベントで2025トレンド予測も発表

12月5日当日、表彰式の終了後には、インフルエンサーと@cosmeプレミアム会員を含め180名以上を招待し、アイスタイル・リサーチチームがベストコスメアワード2024の特色を解説するとともに、2025年ビューティトレンドを予測するミニセミナーイベントも開催しました。 

20250109_081回の参加人数を調整するため6回制で開かれたミニセミナーイベント

同イベントではまず、ベストコスメアワード2024の前年との大きな違いとして、総合トップ10のうち5商品が新作であること、韓国ブランド製品が初めてランクインしたこと、さらに、物価高の影響からプチプラ商品のランクインが増えたことなどが挙げられました。

また、ファンデーションやパウダー、BB/CCクリームなどのベースメイク関連アイテムが5つランクインしたのも特徴で、各アイテム賞の1位はほぼデパコス商品で占められたことを考え合わせると、「ベースメイクにはお金をかける意思がある」生活者像がみえてくるとします。そして、その裏側には、年々厳しくなる夏の猛暑に対応する「打倒 暑さ消費」の購買行動が潜んでいるとリサーチチームは分析しました。

また、これから来そうな2025年トレンドキーワードとして以下の6つのワードを発表しました

#気まぐれ天気プチ直し

急な雨など変わりやすい天気に振り回され、ちょっとくずれたメイクを簡単かつすぐに直せるアイテム。

#じゃら×2チャームコスメ

推しもぬいぐるみもコスメもバッグにじゃらじゃらぶら下げる流行に応える、キーリング付きのチャームコスメ。 

#貼るコスメ

顔だってデコりたい。そんな意識を反映して、アクセサリータイプやステッカーコスメ、貼るまつ毛&アイブロウも登場。

#ぷるんリップ界隈

リップカテゴリーが堅調。ふっくらぷるんとしたリップをつくるリッププランパーの愛用者が増加中。

#血色感リンクメイク

ナチュラルな血色の良さを演出。ミュートメイクの次は、リップとチークに同じアイテムを使用するリンクメイク。

#おうちで韓流肌管理

韓国でビューティ関連の施術を受ける人が増えているのにあわせ、自宅でも韓国で話題のダーマコスメや原料を配合した製品の使用が盛んに。 

さらに@cosme編集部からは、ベストコスメアワード25周年を記念し作成した、2024年のベストコスメアワード受賞アイテムをフィーチャーした全96枚の図柄のトレーディングカードとX投稿キャンペーンが発表されました。2024年12月12日〜31日の期間中に好きな商品のカードを並べたコスメデッキを作ってXで投稿すると、抽選でコスメデッキに掲載アイテムの現品商品が当たる企画です。トレーディングカードは来場したミニセミナーに参加したインフルエンサーや@cosmeプレミアム会員の参加者にお土産として配布しました。

20250109_010特設ブースでブランド担当者と話す参加者

また会場のホワイエには、総合大賞のアテニアをはじめとする受賞ブランドの特設ブースが並び、ミニセミナー参加者が商品を自由に手に取り体験したり、説明を受けたりする機会を設けました。絶好の撮影ポイントとして、多くの参加者がいち早くゲットしたベストコスメアワード情報をその場で投稿する姿が見受けられました。

インフルエンサー写真参加者の投稿

Text: そごうあやこ
Top image: 著者撮影
Photo: ©︎アイスタイル

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