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コスメバンクプロジェクト本格始動、経済的困難下の女性世帯にコスメギフトを配布

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一般社団法人バンクフォースマイルズは、全国のシングルマザーら経済的困難を抱える世帯に、化粧品メーカーが持つ余剰在庫のコスメを詰め合わせ、支援団体などを通じてギフトとして無償提供する「コスメバンクプロジェクト」を20223月より本格始動しました。同プロジェクトの設立の背景と活動内容について紹介します。

17社約15万点の寄贈をもとに80団体38施設と連携しパイロット運用

「子どもの卒業式なのに口紅一本なく、マスクで顔を隠して参列した」というシングルマザーの声にショックを受けたのが、「コスメバンクプロジェクト」を立ち上げようと思ったきっかけだったと、アイスタイルの共同創業者であり、同プロジェクトの運営団体 一般社団法人バンクフォースマイルズ 代表理事の山田メユミは語ります。

「化粧品は人々の暮らしの質を高め、幸せをもたらすものという自負を持って業界に携わってきたが、化粧品がないために悲しい気持ちになる人がいることに全く気がついていなかった自分が恥ずかしかった。一方で、化粧品業界は余剰品という問題を恒常的に抱えている。品質にはなんら問題がないにも関わらず、外装パッケージや仕様の変更などで再販が難しく行き場のない商品を、欲しいのに入手できない人にマッチングして届けられれば、笑顔になれる人が増え、さらには企業にも地球にも貢献できるのではないかと考えた」(山田)

こうして、リニューアルに伴い旧仕様品となった製品や未開封の店頭返品など再販売が難しくなった良品の寄付を企業から募り、「コスメ詰め合わせギフト」として、ひとり親支援団体や母子生活支援施設/シェルターなど80団体38施設を通じて無償提供するコスメバンクプロジェクトのパイロットテストがスタート。202112月には、初回のギフトをシングルマザーの家庭を中心に約22,000世帯に届けることができました。趣旨に賛同した参画企業は17社にのぼり、スキンケアからベース&カラーメイク、ヘアケア、入浴剤まで、幅広い商材の15万点が集まりました。 

化粧品が持つポジティブな力で関わる人々が笑顔になるエコサイクル

アイスタイルグループの株式会社ISパートナーズ代表取締役社長で、プロボノ(職業上の知識やスキルを無償提供して社会貢献するボランティア活動)としてプロジェクトに関わり、バンクフォースマイルズの事務局長も務める藤田恭子は、「人々にとって化粧品がいかに大切で特別な存在であるかということを改めて実感した」といいます。そして、「『化粧品は私たちに自信を与え、表情や行動まで変えていくもの』と信じる気持ちが、コスメバンクプロジェクトの根底にある。行き先が決まっていない化粧品を、必要とする人のもとへ届けることで、贈られた人々のみならず、参画する企業やボランティア有志も含めたそれぞれが誇りと自信を持ち、前に向いて進んでいくポジティブなサイクルをつくっていくことを目指している」とします。

image002-3バンクフォースマイルズ 代表理事 山田メユミ (右)と、同事務局長 藤田恭子

それゆえに、コスメバンクプロジェクトでは、スキンケアやベースメイク、メイクアップ、ヘア/ボディケアなど、異なるカテゴリーの商品を数点ずつバランスよくセットしたギフトを、受け取る側が、いわゆる施しではなく「自分に向けたプレゼントだ」と感じられる状態で届けることに重きを置いています。

image003-4パイロットテストで配布されたコスメ詰め合わせギフトの一例

受け取った人からのメッセージでは、「子どもの学費や食費を優先しており、自分の化粧品は後回しなので嬉しい」「まさか自分にもクリスマスプレゼントがあるとは」「気分が上がる」といった、自身へのギフトを喜ぶ姿が目立ったほか、「コスメを使うときめきを思い出した」「久しぶりにメイクをしたら、子どもにママ可愛いと言われた」と、化粧品の持つポジティブな力を感じさせるコメントも多く寄せられました。

コスメバンクプロジェクト運営コミッティを立ち上げ

パイロットテストが一定の成果を上げたことを受け、バンクフォースマイルズはコスメバンクプロジェクトの活動を継続していくための体制づくりに着手。2022年度は5月上旬の「母の日」と「クリスマス」の時期を想定した年2回、おもに、ひとり親世帯で経済的困難下にある女性の約3万世帯をターゲットに、コスメ/日用品詰め合わせギフトを届けることを計画し、コスメバンク運営コミッティを立ち上げました。

あわせて、202238日には、HAPPY WOMAN実行委員会が開催した「国際女性デー|HAPPY WOMAN FESTA」において、個人からの協力を募るクラウドファンディングの開始と、「化粧品の力で“女性と地球にスマイルを”」とのメッセージを込めたプロジェクトロゴを発表。イベント当日には、コスメバンクプロジェクトに賛同した「マイメロディ(愛称:マイメロちゃん)」も応援に駆けつけました。

image004-2  プロジェクトロゴ

運営コミッティのメンバーは、企業やブランド単位で募集しており、年2回(春、秋)の商品提供と一口50万円/年のプロジェクト運営のためのメンバーシップ費により、年間を通じて支援する「ボードメンバー企業」、あるいは、一口1,000個までの商品提供とプロジェクト運営のための寄付金5万円でそのつど支援する「協力企業」の2種類で参画を呼びかけています

あわせて、パイロットテストでは80団体38施設だった連携先の支援団体や支援施設の数も増やしていく考えです。

また、今後の活動として、コスメバンクの恒常的な運営に加え、地方自治体と連携し、当事者自身や子どもの晴れの日や就業/就学に際し、化粧品で装い自信を持って臨めるよう「晴れの日のメイク応援プロジェクト」「就業/就学応援プロジェクト」といった個別支援も検討しています。その第1弾として、千葉県柏市との提携が決まりました。

同時にプロジェクトの運営方法についても、サステナビリティの視点からさらに改善を重ねたいとして、「現在は寄贈された商品を一旦東京に集めて仕分けをし、また日本全国に配送している。それを各地域に分散させることができれば、コストも下げられ、輸送に伴うCO2排出の抑制にもつながる」と山田は話します。さらに、ギフトのセット組みなど、現在マンパワーに頼らざるを得ない部分を少しずつでもシステム化していくなど、デジタライゼーションを進めることで、効率的により多くの人に化粧品が届けられるようにすることも考えています。

Top image & photo一般社団法人バンクフォースマイルズ

 

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