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国際女性デー。新しい時代は反省することから始まる|連載:@cosme編集長の「いつもなにかを考えている」Vol.5

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@cosme編集長・篠田による定期連載。ユーザーの姿を通して気づいたこと、そしてちょっと先の未来のことなどについて独自の目線で語ります。Vol.5のテーマは国際女性デーに考える「反省のムーヴメント」について。

エリエールやユニリーバの反省からのネクストアクション

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国際女性デーである3月8日、世界中で女性にまつわるアクションがニュースをにぎわせた。

そんななか、エリエールは「生理用品に関するご意見を聞かせてください」というアンケートを開始。そこに記載されていた文章にはこうあった。

「生理用品を使うみなさまの状況や想いは、まだまだ勉強不足です。 みなさまの生理用品に関する想いや、不便に感じていること、どうしたらもっと女性が前を向くサポートができるのか、ぜひご意見をいただけないでしょうか」

また3月9日、ユニリーバが2022年までに「ノーマル肌」「ノーマルヘア」といった表現をなくすと発表

エリエールとユニリーバのどちらにも共通しているのが、これまでの自らの成してきたことを省みているのが伝わってくることだ。「いまの自分たちはパーフェクトではない。だから、こう変えていきたいのです」という意思表明のように受け取った。まさに反省をして次のアクションへ進む、というった具合に。

ブリトニー・スピアーズに対する大規模な反省

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さらに、最近大規模な「反省」のムーヴメントが起きているのを知った。1990年代末から2000年代にポップカルチャーのアイコンとして活躍したブリトニー・スピアーズに対する大勢のひとの「反省」だ。

CINRA.NETの記事によると、アメリカでは「ブリトニー・スピアーズが実の父親に財産と生活を支配されている、という疑惑にもとづく解放運動『#FreeBritney』が大きく報道されている」というものだ。

女性蔑視発言が当然になされていた2000年代。その標的にされていたブリトニー。世間が勝手にブリトニーに「処女性」を植え付け、母親になると勝手に「母親像」を植え付け、それに対しての激しいバッシングがなされていた。それらのバッシング報道はパパラッチの格好の標的にもなり、メディアの儲かる仕組みにもつながっていたという。

そんな過去のブリトニーへ世間が成してきたことに対して、著名人が謝罪のメッセージを発信したり、SNSでもリアルでも「#FreeBritney」というタグを使ったりした「反省」のムーヴメントが起きているのだ。

詳細はこちらの記事やThe New York Times制作のドキュメンタリー『Framing Britney Spears』を見てほしい。

まずは、反省から始めよう

この連載で以前書いた、「勉強」がじわじわきている、とつながっているように思えてならない。いま、女性差別に対するアクションは日に日に増えているように感じている(女性差別に限らずその他マイノリティに対する差別も)。

SNSができてこれまで表に出てこなかった意見が可視化されたこと、社会で働く女性が増えたことなど要因は他にもいろいろ考えられる。それらにプラスして、私自身の感覚としては、これまで女性差別を受けてきた経験が、体の中に溜まりに溜まって、それが溢れ出してしまったイメージだ。一度溢れ出してしまったら、もう止まらない。だからこそ、これまでの自分が無自覚に成してきたことへの反省として、勉強をしたくなっているのだと、自分のなかで点と点がつながりとても腑に落ちたのである。

エリエールもユニリーバも、どちらもイチ企業ではありながら、反省をしたうえでの今後の意思表明のように受け取った。ついつい自分は / 自分たちは正しいと思ってしまいたくなるが、いまは、まず反省からスタートすることが必要なのでは…?と考えている。

もし、なにかを目にしたり耳にしたりして「うるさいな」「めんどくさいな」と思ってしまうのなら、なぜ自分がそう感じたのか、というところに反省への糸口がある。私もこれまでの自分を反省している真っ最中だ。

 

この連載に対するご意見・ご感想などぜひお聞かせください。より良い美容業界のためにみなさまと対話していけたらと思っております。

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参照元
エリエール
Unilever
米で起こる「反省」の潮流 今、なぜ人々はブリトニーに謝罪を?|CINRA.NET

 

写真・文/篠田慶子

 

 

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profile

篠田慶子(しのだ けいこ)

@cosme編集長。東京都生まれ。大学卒業後、ファッション誌でスタイリスト・編集者を経験。その後、フリーペーパーの編集者を経て、株式会社メディアジーンにてcafeglobe編集長、GLITTY編集長を経て、2017年10月に独立し、現職に至る。Pinterestのフォロワー数は26万人を超える。

 

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