OMO強化と台湾初出展ブランドの好事例で物販売上は前回比約5倍に。台湾の@cosme4回目のポップアップイベント
台湾の@cosmeが2025年7月に開催した4回目となるポップアップイベント「@cosme Beauty Ranking Tour美妝遊樂園 all you can try」では、オンラインの@cosme と会場をつなぐさまざまなOMO施策が奏功しただけでなく、韓国ブランドのMEDICUBEが同ブランド美顔器の台湾初の実機お試し・販売の場として出展し、ミニイベントを複数回開催するなど場を大いに活用した好事例も生まれ、会期中の来場者は前回比1.3倍の2万1,000人に、物販の売上高も前回の約5倍と大きく伸長しました。
20年以上の歴史を持つ台湾最大規模の美容クチコミサイト台湾の@cosme
台湾の@cosmeは、2003年創業のアイスタイルグループの台湾子会社 i-TRUE Communications Inc. によって、2004年に @cosme の台湾版にあたる化粧品クチコミサイト「UrCosme(ユアコスメ)」として誕生。2021年5月のリブランディングで、サイト呼称を日本と同じ「@cosme」に変更した20年以上の歴史を持つサイトです。
台湾の@cosme
サイト規模は拡大を続けており、2024年12月には、登録商品数11万8,600点、会員数63万3,700人、クチコミ数は145万件を突破。月間ページビューは600万超、月間訪問者数は150万人超と台湾最大規模であり、高水準の利用が続いています。検索経由の流入も多く、台湾における美容関連ワードの検索結果で高頻度に表示されるプラットフォームとして知られています。
会員は9割以上が20〜44歳の女性で、台北市とその周辺に住む人が6割超を占めます。主体的に情報を探して検討する層が多い点が特徴で、とくに全体の15%ほどはコスメ好きのヘビーユーザーです。この「検索で見つけてもらいやすいこと」と「能動的に情報を探すユーザーの多さ」そしてSNSでの波及により、台湾の@cosmeは台湾市場にとどまらず、同じ繁体字圏の香港、中国大陸の生活者の間でも認知が広がっています。
ブランド向けサービスも日本の@cosmeと同じように多数用意されており、台湾の@cosmeサイト上にブランドのオフィシャルページを持つことができる品牌館(Brand Fan Club, BFC) をはじめ、ベストコスメロゴやランキングの二次利用、クチコミAPI、タイアップページ制作などを展開。プロモーションから販売までブランドをワンストップで支援しています。
2025年4月にはLINEログイン機能を導入し、LINEを通じて新規会員登録プロセスを簡素化したことで会員数の増加率が上昇。今後LINE公式アカウントを活用したキャンペーン施策などでも、生活者との接点を強化していく方針です。
台湾の@cosmeの4回目のポップアップイベントはオンオフ回遊を強化

台湾の@cosmeが2025年7月8日から20日までの2週間、SOGO百貨忠孝館で実施した4回目のポップアップイベント「@cosme Beauty Ranking Tour美妝遊樂園 all you can try」は、オンラインの@cosmeから会場へと会員を誘導し、会場からは新規会員登録やコンテンツ利用へと循環させるオムニチャネル設計でした。集客と体験の起点づくりとして、初日に約100人のKOLを招待して会場体験を発信してもらい、Instagramを中心に情報拡散しました。
その中核となったのがパーソナルカラー診断です。@cosmeの特設ページには、数問に回答すると自分のタイプが分かるオンライン診断を用意し、会場では4タイプ別におすすめ商品とカラー診断用ケープを設置したコーナーで実際に試せるようにしました。来場者は会場のQRコードからオンライン診断にアクセスして自分のカラータイプを確かめ、商品を試しながらケープで顔色を確認。会期を通じて最もにぎわったエリアの一つとなりました。

あわせて@cosmeの特設ページは、パーソナルカラー診断結果のSNSシェアで抽選プレゼントが当たる企画や、会場使えるプレゼント進呈クーポンや割引クーポンの配布、後述の肌診断の事前予約受付までを一元化して実施。
ほかにも、約100平方メートルの会場には、象徴的な@cosmeベスコスウォールをはじめ、@cosmeTOKYOのベストセラーや台湾でも人気のK-beautyを紹介するコーナー、協賛ブランドのブースなどを配置し、来場者がすべての商品を実際に手に取って試せる“出会いの場”としました。物販はブランド数は前回比約1.6倍の114ブランド、SKUは2倍超の1,638SKUを展開し、イベント全体の物販売上金額は前回比約5倍に伸長しました。

成果を下支えしたのが、情報取得の体験刷新です。日本の@cosme実店舗でもおなじみの手書きPOPで要点を分かりやすく提示したうえで、台湾の@cosme独自の施策としてQRコードをスマホで読み取ると、@cosmeの商品ページ内情報をAIが要約して数行で特徴や使用感の要点を提示するシステムを今回から実装。レビュー数が多い商品でも短時間で理解が進み、店頭で美容部員の説明を受けるような納得感をセルフで再現できる設計とし、来場者から高い評価を得ました。
また、協賛ブランドのブースでにおいて、台湾ではD2Cとして展開している韓国ブランドの「MEDICUBE」が、本イベントを台湾において初めての同ブランド美顔器の実機おためし販売の場として活用し話題をさらいました。高価格帯商品でありながら、同美顔器を使ったおすすめのスキンケア方法をレクチャーするミニイベントも会期中に6回実施し、購入の心理的ハードルを下げ、好調に売り上げを伸ばしました。


また会場では、韓国PIE社のAI肌分析器「Focuskin」による肌診断コーナーも話題に。高解像度の肌画像をもとに詳細レポートを提示し、肌状態に合わせた商品のレコメンドとサンプル配布までをおこない、来場者の比較検討の精度と満足度を高めました。

中国、香港、日本でも。中華圏の生活者に向けたポップアップイベント
@cosmeは、台湾のほか中国、香港、そして日本でも中華圏の生活者に向けたポップアップイベントを実施しており、@cosmeベスコス受賞商品の展示・体験スペースをはじめとした様々なアトラクションや、ブランドのブース出展など有料プロモーションメニューを通じ、ブランドのプロモーションと販売を支援しています。
中国・上海では2024年12月、アダストリアと共催で同社旗艦店「and STORE」において9日間のイベントを開催。約4万6,000人が来場、1万3,292人が@cosmeベスコス受賞商品のテスターに触れたり、協賛ブランドのブースで接客を受けるなど何らかの体験をしました。オンライン露出は累計1億6,000万インプレッションと大きな波及を生み、協賛した6ブランドのなかには同イベントで紹介した商品がTmallやDouyinの越境ECで売り切れとなるなど、これまでになく大きな成果をあげたブランドもありました。
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香港では2025年2月、香港の@cosmeとしては2回目となるポップアップイベントを香港の繁華街 銅鑼湾の大型ショッピングモール「ハイサンプレイス」で14日間に渡り開催。約3万4,000人が来場しました。1回目の3倍となる約300平方メートルの会場に、6社の協賛ブランドが出展したほか、この6ブランドを含む13ブランドが、会場近くの@cosme STORE 利舞臺(Lee Theatre Plaza)店や自社店舗で割引が受けられたりプレゼントがもらえるバウンズバックカードを配布。カードを受け取った人のうち66%が特典を利用するために利舞臺店を訪れる結果となりました。
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日本の@cosme OSAKAのポップアップも中華圏からの旅行者のお客様に、日本で触れて帰国してからも購買するという導線をつくれています。
2025年6月には日本語を読めない、日本の@cosmeアプリをもっていない海外からのお客様も日本のお客様と一緒に楽しめるインバウンドフレンドリーなブランド連合型のポップアップイベント「COSME EXPO in @cosme OSAKA」を7日間にわたり開催。SNSでの事前告知により、期間中、来場者6万8,000人、体験者1万5,000人の規模となり、その約4割が中華圏をはじめとするインバウンドのお客様でした。
また5ブランドが、国内・免税あわせた月間売上の過去最高額を記録しました。イベントでの体験をRED等SNSで拡散することで日本に旅行前の生活者の興味を醸成したり、中国の大手越境EC Tmall Globalの@cosme官方海外旗艦店のフォローを促し帰国後の購買導線を設計するなど「旅前・旅中・旅後」をつなぐ設計で店頭体験を海外マーケティングへ拡張しました。
【関連記事】@cosme OSAKAでインバウンドフレンドリーなポップアップイベント。訪日外国人の店舗体験・ブランドの海外マーケティングに貢献
アイスタイルではこうしたポップアップイベントを今後も定期的に開催していく予定です。今後もご期待ください。
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